2006年の暮れに発売されてたちまち品切れになるほどの人気を博した「Striker Extreme」は、R.O.G.シリーズの第2弾としてデビューした。最初のR.O.G.シリーズマザー「CROSSHAIR」は、NVIDIAのnForce 590 SLIチップセットを搭載したSocket AM2マザーボードであったが、Striker Extremeは、同じNVIDIA製でCore2DuoやCore2Quadなどのインテル製CPUに対応するnForce 680i SLIチップセットを搭載している。
nForce 680i SLIは、昨年11月にデビューしたばかりのインテル製CPU対応のチップセットで「究極のオーバークロッキングマザー」という謳い文句を持つほど、高クロックや発熱などへの耐性を高めたチップセットである。これほどR.O.G.シリーズに似合うチップセットはないだろう。このチップセットでは、NVIDIA社自らもマザーボードの製造に乗りだし、eVGAやECSなどからOEM発売されている。Striker Extremeは、NVIDIA以外のブランドで登場したnForce 681i SLI搭載マザーとして、発売当初話題となった。
対応するCPUは、Core2 Extreme/DUOなどのLGA775ソケット用CPUで、BIOSを最新のβ版にアップデートすればCore2 Quad Q6600にも対応可能だ。ネットワーク機能は、1000BASE-T LANを2系統持つ。nForce 680i SLIは、1000BASE-T イーサネットコントローラの論理層を2つ備えた“DualNet”を搭載している。物理層には、Marvellの88E1118を2個搭載し、デュアルギガビットLANを実現している。
オーバークロッカー向けというキャッチフレーズ通り、P5B Deluxeから採用されている8フェーズの電源回路を搭載いる。高クロック動作、高負荷動作においても安定した電力供給が可能で、かつ、発熱も少ないため、オーバークロック設定における安定動作に大きく貢献してくれる。
電源回路周辺に配置されたコンデンサは、タンタルコンデンサが採用されているだけでなく、電源部以外でも高分子アルミ電解コンデンサが使用されている。どちらも、通常の電解コンデンサよりも温度特性や周波数特性に優れているので、こちらも高クロック時における安定した電力供給を可能にしてくれる。また、液体を使ったコンデンサを使用していないため、耐久性も高く、長期間の運用でも安心だ。
電源回路のレギュレータは、マザーボードのパーツの中でも発熱の大きいところだが、Striker Extremeでは、ヒートパイプでつながれた3つのヒートシンクで直接冷却を行っており、高負荷時の安定性をアップさせている。また、このヒートパイプは、ノースブリッジおよびサウスブリッジにもつながっており、チップセットの発熱を抑えて、高クロック時の誤作動を減らす効果が得られるはずだ。
マザーボード基板の裏面には、ASUSのハイエンドマザーでおなじみの放熱用銅板を貼り付けた「StackCool2」が採用されている。オーバークロックのためにできることはすべて盛り込まれた、「CPUの限界にチャレンジする」ための強力なマザーボードと言えるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.