4月20日、Intelの上席副社長兼デジタルエンタープライズ事業本部長を務めるパット・ゲルシンガー氏が北京から日本入りし、「最大の成果」と自ら評価したIDF 北京の概要を日本の関係者に語った。
ITにおいて電力管理のコストが増えており、この削減こそIntelが注力していくところだと述べるゲルシンガー氏は、2007年後半に登場する“Penryn”コアCPUがさらなるエネルギー効率の向上を実現すると述べ、「大きなブレークスルー」とインテルが訴求する45ナノメートルプロセスルールのCPUにおいて、新しい画期的な素材を採用したゲートによって、リーク電流が指数的に多くなる微細なプロセスルールを採用しても省電力化を可能にしたと説明した。
ゲルシンガー氏は、Penrynについてさらに、SSE4、スーパーシャッフルエンジン、ディープパワーダウンテクノロジーなどの新機能を紹介、「Penrynは単にプロセスを微細化しただけではなく、格段に強力になった」とアピールするとともに、Penryn搭載PCで「2次元のMRI断層画像を積層して3次元画像にレンダリングする処理」のデモを披露した。
ゲルシンガー氏は「より効率のよいIT技術で環境に優しくなれる」とイマドキ流行りのフレーズとともにエネルギー効率の必然性に言及。その具体的な例として、2002年のデータセンターでは3.7テラフロップスの処理能力を発揮するために25個のブレードサーバラックと128キロワットの電力を必要としていたのが、2007年には1つのラックと21キロワットの電力で賄えるというデータを示している。
また、サーバビジネスで「何年も戦ってきた」とゲルシンガー氏が述べるサン・マイクロシステムズがはじめてIDFに参加したことに触れ、「彼らはXeonを取り込みわれわれはSolarisの開発にかかわっていく」とこれからの両者の関係について語った。
2006年に立ち上がったビジネス向けプラットフォームブランド“vPro”についてもゲルシンガー氏は「Centrinoを超える急激な立ち上がりを見せている」と述べ、次世代vPro“Weybridge”(開発コード名)で加わる機能「システム・ディフェンス・フィルター」「インテルトラステッド・エグゼキューション・テクノロジー」「拡張版インテルバーチャラゼーション・テクノロジー」「リモートインテル AMT Provisioning」を紹介した。また、急激に増加するワークロードに対応するための総体的な各種アクセラレーション技術「インテルQuickAssistテクノロジー」についても、「業界全体でこの機能を実装することが重要」と語り、それをSoCに集積した“Tolapai”について「消費電力を20%削減し実装面積を35%縮小した」と説明した。
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