先週の水曜日から、ミドルレンジ向けGPU「GeForce 8600/8500」を搭載したグラフィックスカードが、PCパーツショップの店頭に並んでいる。登場したGPUの種類は3つ。最上位の8600 GTSは3万円前後の製品が多く、8600 GTは2万円前後、8500 GTは1万5000円以下だった。一部を除いて、在庫は潤沢。
GeForce 8600/8500は、ピクセルシェーダとバーテックスシェーダを統合した新アーキテクチャを採用するGeForce 8xxxxシリーズのミドルレンジに相当する。ハイエンドクラスのGeForce 8800と同じくDirect X10に対応するほか、動画再生支援テクノロジ「PureVideo HD」最新版を搭載しているのが特徴。価格帯から、8600 GTSは7900GSの後継とみなされる。以下、8600 GTは7600 GT、8500 GSは7300系。それぞれのコアクロックとメモリクロックは、GeForce 8600 GTSが675MHz/1.0GHz、GeForce 8600 GTが540MHz/700MHz、GeForce 8500 GTが450MHz/400MHz。
チップメーカーからハイエンド→ミドルの順で新製品が投入される場合、ベンダー各社のミドルレンジ製品は初出荷から潤沢に出回ることが多い。特に今回は、オーバークロックタイプやファンレスモデルなども確認できた。最上位のGeFore 8800シリーズ登場から約5カ月経ったこともあり、出荷までの準備期間がたっぷり取れたことがうかがえる。
週末までの売れ行きは、「可もなく不可もなく、かといって良くもなく……」(ツートップ秋葉原本店)と、ヒットを飛ばすまでには至っていない。「Direct X10などの新技術に対応しているが、前モデルからの大幅なスペックアップが期待できないので、様子見している人が多いのでしょう」(USER'S SIDE秋葉原本店)との意見もあった。
ユーザーからのリアクションが少ないとはいえ、3種類のGPUで10社以上から一斉にリリースされたことで、売れ行きが各モデルで分散している。その中にあっても、一定の人気を確保している製品に、ASUSTeKのGeForece 8600 GTSモデルを挙げるショップが多かった。「なによりブランド力が一番あります。とりあえずASUSTeKを買っておけば安心、と考える人が多いのでしょう。次いで、リードテックです。XFX、ギャラクシーは、海外の自作事情に詳しい人が買っていく。そのほか、MSIやエルザには“信者”がいるので、確実に求める人がいますね」(ツートップ秋葉原本店)とのこと。
ブランド力以外のところでは、GeForce 8600 GTオーバークロックモデル、MSI「NX8600GT-T2D256E-OC」とXFX「GF 8600GT 620M」の人気が目立っていた。某ショップは「ゲームによっては、8600 GTのオーバークロックモデルのほうが、リファレンスの8600 GTSよりも高速になるという噂があります。約1万円安いこともあって、1点狙いでアキバを巡回している人もめずらしくない」(某ショップ)という。同製品については、一部のショップが売り切っていたものの、街全体ではどちらもある程度潤沢な在庫を確認している。
ミドルレンジクラスのグラフィックスカードは、PCパーツ全体をみても売れ筋商品のため、大量に在庫しているショップが多いようだ。T-ZONE.PC DIY SHOPは「初回の大ヒットを狙うハイエンド系と違って、ミドルレンジ製品は長期的に安定して売れる見込みが経ちます。メーカー側も順調に製造しているようなので、どのモデルも、ゴールデンウィークにアキバを訪れて余裕で購入できるのではないでしょうか」と話した。
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