「“Penryn”なんてメじゃないぜ」──XPS 710 H2C Edition最強伝説(前編):ダイレクトPC最前線(1/2 ページ)

» 2007年04月27日 21時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 インテルのCPUといえば、いま最も気になるのが45ナノメートルプロセスルールを引っさげて2007年の後半に登場すると「いわれている」“Penryn”だ。その最新プロセスと拡張される機能がIDFなどで注目されているが、「パフォーマンス命」「ベンチマーク命」たるユーザーからすれば、クロックがコアマイクロアーキテクチャでようやく「3GHzの壁」を超えそうであることを心から祝福したい。おめでとう。

 しかし。Penrynを待たずとも、すでに3GHzの壁を悠々と飛び越えてしまったPCが存在する。「パワーユーザーのオーバークロックPCでしょう」 いやいや、まっとうな大手PCベンダーの製品だ。それが、地味な……、いや、もうこの表現を使うのは止めよう。いまや、「ド派手な」PCベンダーと日本でも認知された、あの「デル」の最上位デスクトップPC「XPS 710 H2C Editon」(XPS 710 H2C)がそれである。

“漆黒の前のめり”でおなじみのXPS 710 H2C。その内部にはフロントからバックパネルに達する長大なクーラーユニット「H2C」が、その存在を主張している

この「H2C」は、その筐体内部にラジエータ、水冷タンク、ポンプ、ジャケット、チューブ、ファンが組み込まれた空冷と水冷のハイブリットクーラーユニットになっている。水冷クーラーにありがちなチューブが筐体内部を右往左往ということがないので意外と使いやすい

 こちらのBTOで用意されているCPUはデュアルコアのCore 2 Extreme X6800にクアッドコアのCore2 Extreme QX6700(日本のデルWebサイトでは最新のクアッドコア“Core 2 Extreme QX6800”は選択肢として用意されていない)。それぞれ、動作クロックが2.93GHzに2.66GHzと「定格動作」においては3GHzを下回る。それを、製品の型番にもなっている「H2C」クーラーユニットが発揮する強力な冷却性能を頼りにしたオーバークロックを施すことによって、Core 2 Extreme QX6700搭載モデルでは3.20GHzを、Core 2 Extreme X6800搭載モデルに至っては3.46GHzという3GHz超PCを実現しているのだ……。

 とはいえ。これは全部米国での話になる。まったく同じ筐体を使っていてまったく同じ冷却ユニットを搭載しているはずなのに、日本向けのXPS 710 H2Cでは、定格動作のモデルしか用意されていないのである。以前掲載した、このPCのレビュー記事でこの疑問を日本のデルに問い合わせたところ、「時期は不確定ながら日本でもオーバークロックバージョン(動作クロックは先ほど述べたとおり)の準備をすすめている」という回答があったのだが、依然としてオーバークロックモデルが登場する気配はない。デルに再度問い合わせてみると「うーむ」という返事だ。

 ええぃ、ならば、自分で設定して米国モデル相当のパフォーマンスを手に入れてやるぅぅっ。しかし、それって、思いつきでできるものなのか?

 Core 2 Extreme X6800はあともうちょっとで3GHzに届くわけで、腕に自信のあるパワーユーザーはオーバークロックで「3GHzの壁」を打ち破ってはいるが、そのためには、“技”と“勘”を駆使したクロック設定と十分な冷却が行える強力なクーラーユニットが必要だ。もちろん、オーバークロック耐性に優れた「アタリ」パーツを引き当てる「運」も忘れてはいけない。

 クロックのチューニングも単にFSBを上げればいいというものでなく、メモリバスやPCI Expressのクロックなどなど、ほかの部分とのバランスを見ながら“じわじわ”と上げていかなければならない(この“じわじわ”が難しいところ。その作業はまったくもって“アナログ”感覚になる)。それぞれのバスクロック設定が連動しているのか、各自別個に設定できるのかというBIOSで用意された設定項目にも左右される。

「えええぇぇぇー、そんな面倒なことできないぃぃぃー」

 いやいや、どうしてどうして。XPS 710 H2Cは簡単にできてしまうのだ。それは、もう、かなり、大雑把にオーバークロックが設定できてしまう。必要なのは「オーバークロック設定にするとメーカーのサポートが受けられなくなる」という覚悟と「これで壊れて動かなくなっても自分の責任だから、誰にも文句は言わない」という常識だけだ。

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