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» 2007年05月17日 13時00分 公開

継承される505のスピリット:10年の歴史がはぐくんだ極上の「持つ喜び」――「VAIO“New”type T」 (3/4)

[富永ジュン,ITmedia]

色再現性を高めた液晶ディスプレイとユニークなキーボードを搭載

NTSC比で72%以上の色再現性を実現した11.1インチワイドクリアブラック液晶を搭載する。輝度は高く視認性は良好だ。なおARコートは一層である

 11.1インチワイドのクリアブラック液晶は、1366×768ドット表示の解像度をそのままにNTSC比で72%(従来のTXシリーズは50%)と色再現性を向上させたのがポイントだ。より明るいLEDバックライトや新開発の導光板/シート類の採用によって、色ムラや明度ロスを抑えて消費電力を2割削減しながらも表示品質を向上させたという。発色は、原色系がややのっぺりとした印象があるもののTXシリーズに比べ赤みが強くて彩度が高く、明暗のグラデーションが細やかに表現できている。モバイルPCとしては輝度が高めで、明るさも8段階に調節可能だ。視野角も広めだが、光沢パネルゆえ最大輝度にしてもある程度の映り込みが発生してしまうのは避けられない。

 厚さ約4.8ミリ(実測値)の液晶ディスプレイ上部に、有効31万画素のWebカメラ「MOTION EYE」を内蔵した点が目新しい。これはセンサを基板に実装することで実現したもので、最大640×480ドットの静止画や320×160ドットの動画(MPEG1形式)撮影が行え、ビデオチャットなどにも活用できる。

 ユニークな形状のキーボードにも注目したい。キーボードユニットをパームレストと新開発のキーボードパネルで挟み込むことにより、強度の向上とキー入力時のぐらつきを抑えつつ、タイピング時に発生するカチャカチャという音の軽減を図っているのが見どころだ。

 これまでのTXシリーズは、比較的固い「プチプチ」といった感触のキータッチだったが、本機ではキートップに微妙なへこみを設けて指のフィット感を向上させ、ソフトなタッチながらもしっかりとした底付き感がある安定した入力環境を実現している。キーピッチは約17ミリ(キー自体の横幅は13ミリ)、キーストロークは約1.7ミリを確保し、VAIOオーナーメードモデルでは日本語87キーと英語82キーから選択が可能だ(店頭モデルは前者のみ)。ただ、見ために優れる光沢仕様のキーボードパネルだが、ほこりや指紋がどうしても目立ってしまうので、こちらはつや消しのほうがよかったと思う。

店頭向けモデルは日本語87キー(写真=左)を搭載し、直販モデルでは英語82キー(写真=中央)も選択が可能だ。キーピッチは約17ミリ、キーストロークも1.7ミリを確保。ただ、キーを強く押下するとユニット全体がややたわむ。英語キーボードはスペースバーが81ミリと長いが、日本語キーボードではスペースバーが42ミリとなり、右Ctrl/Alt/コンテキストメニューキーが横幅10ミリと短くなる。厚さ約4.8ミリの液晶ディスプレイ部分に有効31万画素のWebカメラ「MOTION EYE」を内蔵する(写真=右)

キーボードユニット(写真=左と左から2番め)を、キーボードパネル(写真=右から2番目)とパームレストが一体になったカバー(写真=右)で挟み込むことで、強度のアップとぐらつき防止を図っている

 中央部分に指紋認証ユニットを備えた2ボタン式のインテリジェントタッチパッドは、シンプルながらALPS製の多機能ドライバが導入ずみで、機能に不足はない。パッド面がパームレストよりもわずかに下がっており、パッドの端をなぞってのスクロールがスムーズに行える。マウスボタンも幅広で押しやすいのだが、キーボードパネルと同様に光沢処理が施されているのでどうしても指紋が気になる。

 細かいところでは、タッチパッドとキーボードの間にキーのロック状態を示すLEDランプが3つ(Caps Lock/Num Lock/Scroll Lock)配置されていて、知らず知らずのうちにCaps LockやNum Lockがオンになりパスワードの入力に失敗するというミスを回避しやすいのが好印象だった。

 type Tらしく、ボディ前面右端にはAVモードボタンやAV操作ボタン、プログラマブルな「Sボタン」が用意されている。OS起動時にAVモードボタンを押すと帯状の「VAIO AVモードランチャー」が画面上部に現れる。ここにマルチメディアに限らず好みのアプリケーションを登録すれば、アプリケーションランチャとして利用可能だ。電源オフ時にAVモードボタンを押すと、Windowsを起動せずにマルチメディアファイルの再生が行えるのは従来機と同様だ(ワンセグ視聴は不可)。

指紋認証ユニットがクリックボタン中央にある(写真=左)。インテリジェントタッチパッドにはALPS製の多機能ドライバが採用されている(写真=中央と右)

ボディ前面右側にあるAVモードボタンを押すと、画面上部に「VAIO AVモードランチャー」が起動する(写真=左)。AVモードボタンを長押しすると設定画面が現れる(写真=中央)。プログラマブルな「Sボタン」も用意されている(写真=右)

3種類のバッテリーを用意し、最長18時間の駆動に対応

 拡張性の面では、左側面に2基のUSB 2.0と4ピンのIEEE1394、ExpressCard/34、ギガビット対応の有線LANとFAXモデム、前面にSDメモリカード/MMCとメモリースティックの各スロット、ヘッドフォンとマイク、右側面奥にアナログRGB出力の端子が並ぶ。モバイルPCとしては過不足のない構成だが、実際に使ってみるとUSBポートの位置が気になった。店頭モデルおよびVAIOオーナーメードモデルでDVDスーパーマルチドライブを選択した場合は、2つあるUSBポートがいずれも左側面手前に配置されるので、USBマウス利用時(右利きの場合)にケーブルの取り回しがどうしても面倒になってしまう。ちなみに、VAIOオーナーメードモデルで2.5インチHDDを選択した場合は、右側面にUSBポートが1基増えるため、この問題は解消される。

店頭向けモデルのインタフェース。ボディサイズは277(幅)×198.4(奥行き)×22.5〜29.8(高さ)ミリだ。標準でバッテリーパックLを備えており、底面にバッテリーが出っ張っている。下段右の写真のみ、直販の2.5インチHDD内蔵モデルで、右側面に1基のUSB 2.0端子が増えている。また。バッテリーパックSを採用すると、底面がフラットになるのが分かる

 バッテリーのバリエーションが3種類に増えた点も特筆できる。店頭モデルは標準でバッテリーパックLが付属し、オプションで軽量タイプのバッテリーパックSと大容量タイプのバッテリーパックLLが用意されている。バッテリーの駆動時間はCore 2 Duo搭載時で最長18/12/6時間、Celeron M搭載モデルで最長12/8/4時間(いずれもバッテリーパックLL/L/S搭載時)となり、バッテリーパック単体の重量は実測値で470/316/182グラム(バッテリーパックLL/L/S)だ。

 なお、VAIOオーナーメードで32Gバイトのフラッシュメモリ+DVDスーパーマルチドライブにバッテリーパックSを選んだ最軽量モデル(ワンセグチューナーなし)の重量は約1.025キロ、1.8インチHDDとDVDスーパーマルチドライブにバッテリーパックLLという最重量モデル(ワンセグチューナーあり)でも約1.375キロ、店頭モデルで約1.22キロと総じて軽量だ。また、オプション製品には3種類のバッテリーいずれを装着した状態でも取り付け可能なドッキングステーションがラインアップされている。

左からバッテリーパックS(3セル)/バッテリーパックL(6セル)/バッテリーパックLL(9セル)が並ぶ(写真=左と中央)。それぞれ、底面の出っ張り具合が異なる(写真=右)。実売価格は、1万4000円前後/2万7000円前後/4万2000円前後の予定だ

別売のドッキングステーション「VGP-PRTZ1」(実売2万円前後)。TZシリーズより二回り大きいACアダプタが標準で付属する(写真=左)。PC本体を装着したところ(写真=中央)。ボタン操作1つでPCを着脱可能だ。コネクタは背面にまとまっている(写真=右)

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