Intel 3シリーズと呼ばれるインテルの次世代チップセットは、正式に発表されていないものの、CeBITやIDFなどの技術系イベントなどでそのスペックの概要が紹介されている。現在までに明らかになっている仕様によると、次世代のチップセットはCore 2 DuoやCore 2 Extreme、Core 2 Quadなどの最新CPUに対応するデスクトップPC向けのモデルになる。45ナノメートルプロセスルールで製造される次世代のデュアル/クアッドコアのCPUにも対応する。
“Bearlake”という開発コード名で呼ばれていた新しいチップセットは、現行のIntel P965/G965/Q965などの後継となる。内部アーキテクチャが大幅に変更されたため、これまでの3桁の数字ではなく30番台の2桁の数字が付けられた。このIntel 3“シリーズ”には、ハイエンドモデルのIntel X38を筆頭に、メインストリーム系のIntel P35、Direct X 10対応グラフィックスコアが統合されたIntel G35、そのほか、Intel G31、Intel G33、Intel Q35、Intel Q33と、合計7モデルが用意される。Intel G33とIntel G31は、Intel G35の下位に位置するもので、Intel Q35とIntel Q33はビジネス向けモデルとなる。
Intel 3シリーズが、Intel 96xシリーズから大きく変わった部分は以下のようになる。
また、Intel G35では、DirectX 10に対応するグラフィックスコアを内蔵するほか、Bue-rayやHD DVDのHD映像の再生支援機能も実装する。また、Intel X38では、PCI Express 2.0 X16に対応したスロットを2本使ったCross Fireをサポートする。
今回入手したGIGABYTE「GA-P35-DS3」はノースブリッジに正式には発表されていないIntel P35を、サウスブリッジにICH9Rを搭載している。CPUソケットは、LGA775となっており、現在販売されているCore 2 DuoやCore 2 Extreme、Core 2 Quadなどが利用できる。フォームファクタはATXで、拡張スロットは、PCI Express x16が1本、PCI Express x1が3本、PCIを3本搭載している。一般的なIntel P965マザーと比べると、PCIスロットとPCI Express x1スロットが多い。
GA-P35-DS3で使えるメモリはDDR2のみで、Intel P35で対応するといわれているDDR3はこのマザーでは使えない。メモリスロットは4本用意されている。Intel P35の最大メモリ容量は8Gバイトになるといわれているが、GA-P35-DS3がどれだけメモリを搭載できるかは不明だ。
リアのI/Oパネルには、サウンド関連の入出力と、USB 2.0が4ポート、ギガビットLANが1ポート実装されている。オンボードコネクタには、USB 2.0がが8ポート分用意されているため、マザーボードとしては合計12ポートのUSB 2.0が利用できる。
サウスブリッジのICH9Rには、RAID機能が組み込まれている。RAID 0、1、5、10に対応しているのでICH8Rと同等の機能だ。Serial ATAは、ICH9Rがサポートするといわれている6ポートと、GIGABYTEのSATA2コントローラ(中身はJMicron製)が制御する2ポートの合計8ポート。Ultra ATAポートは、同じくGIGABYTEのSATA2コントローラが制御する1ポートが用意されているので、IDE接続の光学ドライブも利用可能だ。なお、Intel 3シリーズでは、ポートマルチプライヤ経由のe-SATAに対応するといわれているが、GA-P35-DS3Rはe-SATAポートを用意していない。
チップセットの冷却は、ヒートシンクのみでチップセットファンもないので静音PCにも組み込める。GA-P35-DS3Rが載せているノースブリッジのヒートシンクは、かなり大型である程度の発熱のあることを予想させる。逆にサウスブリッジのヒートシンクは小さい。もっとも、この製品は、ゲーマーやオーバークロッカー向けのエクストリームモデルではなく一般的なユーザーに使われることを想定していることもあるのだろう。上位モデルであるGA-P35-DQ6では、ヒートパイプを使ったCrazyCoolという大掛かりな冷却システムが搭載される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.