ネットジャパンは6月8日、「CrossOver Mac 6.1」(以下、CrossOver)の製品発表会を行った。同製品はMac OS X上でWindowsアプリケーションを動作させる互換レイヤーソフト。オープンソースプロジェクト「Wine」をベースに、CodeWeaversが商用向けに開発したもので、ParallelsやVMWareといった仮想化ソフトを利用する場合に比べてパフォーマンスが高く、Windowsライセンスを必要としないのが特徴だ。もちろん、BootCampのように再起動する手間もない。
なお、バージョン6.0の英語版は今年1月に、日本語対応の6.1も5月に発表されており、すでにPC USERでは詳細な検証記事を掲載している。製品概要についてはそちらを参照してほしい。
発表会には開発元のCodeWeavers社COOが登壇し、同社の沿革や製品概要の説明、実際にCrossOver Mac 6.1を使ったデモンストレーションなどを行った。
そもそもCodeWeaversがWineプロジェクトに関わったのは1996年。以後、同社はLinuxで動作する「CrossOver Office」をリリースしていたが、MacプラットフォームがインテルCPUを採用したことにより、Mac市場へと参入することになる。
Jon Parshall氏は、Mac市場の盛り上がりや10月にリリースされる予定のLeopardなどについて触れながら、「現在、多くの消費者が“選ぶならMac”だと考えている。Mac市場へと漕ぎ出せたことに心を躍らせている」と語り、2007年1月以降、CrossOver Macが好調な滑り出しであると報告した。
(記事初出時:Leopardのリリース時期についての記述で誤りがありました。お詫びして訂正いたします)
また、日本市場への取り組みについては、「アメリカを除けば日本が最大級のMac市場、デスクトップのシェアではアメリカよりも大きい。(中略)ヨーロッパに先んじて、(他言語版の)バージョン6.1を日本向けにリリースできたことをうれしく思う」と日本市場の重要性を強調した。余談だが、同氏は15年前に広島に住んでいたことがあり、日本帝国海軍ヲタ の熱心な信奉者でもある(趣味が高じてミッドウェイ開戦に関する本を出版した経歴さえ持つ)。かなりの親日派のようだ。
続く製品デモでは、日本語入力システム「一太郎2007」(ジャストシステム)のインストールや入力を実演した。光学ドライブに一太郎のCDを挿入すると、CrossOverが自動的にWindowsアプリであることを検出し、Windowsの時と同じようにインストールが完了、その後ソフトを起動して“CrossOver Mac で日本語入力!”と入力して見せた。
CrossOver Mac 6.1の国内販売を担当するネットジャパンは、間もなくのWWDCで話題の中心になると思われるLeopardに言及し、「OSも新しい世代に突入しようとしている。その中でCrossOverが市場を盛り上げることができたらうれしい」と語った。また、会場にはCrossOver Macを支援するアップルジャパンのえらい人(名前および写真は掲載不許可)も出席しており、拍手を持って紹介されていた。
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