Blu-ray Discの普及を目指す――ソニーの家庭向け新ノートPC「VAIO type F(FZ)」:BDドライブ搭載サンタさん(2/3 ページ)

» 2007年06月12日 15時00分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

NTSC比で90%を達成した新クリアブラック液晶(ピュアカラー90)を搭載

15.4インチワイド液晶ディスプレイを搭載する。NTSC比で90%という色純度を実現したのがポイントだ。明るさは8段階に変更が可能

 注目の液晶ディスプレイは、同社の液晶TV「BRAVIA」の高画質技術を取り入れた新開発の「クリアブラック液晶(ピュアカラー90)」が搭載されている。BRAVIAにも採用された広色域のバックライト技術を用いることで、VAIO 10周年記念モデルVAIO type T(TZ)のNTSC比72%と同等の輝度を保ちながらもNTSC比を90%にまで引き上げ、従来のVAIO NOTEでは表示できなかった緑や青色系の表現力を高めたのがトピックだ。

 実際に画像を表示してみると、青と緑は階調表現が細やかで深みがあり、とりわけくすんだ色合いになりやすい緑の鮮やかさは印象的だ。ただし、輝度が高いせいか黄色は色飛びして質感に乏しかった。

 画面解像度は1280×800ドットと、15.4インチワイド液晶ディスプレイモデルでは標準的だが、現在発売されているノートPCの中ではトップクラスの美しい発色を楽しめる点は大いに評価したい。なお、映り込みに関しては光沢パネルゆえやむを得ないのだが、蛍光灯などの反射はそれなりに気になった。

向かって左がNTSC比90%のピュアカラー90を搭載した新VAIO type F(FZ)で、右が同72%のピュアカラーを搭載した新VAIO type A(VGN-AR53DB)の比較。写真では分かりづらいが、FZシリーズのほうが青や緑がより深く見え、グラデーション描写もなめらかだった

 外観は前モデルの面影を残しつつも、より直線的かつシンプルなものに一新されている。天面中央の箔押しエンボス加工されたVAIOロゴと、その上部に位置するダークグレーのSONYロゴを除き、装飾めいた装飾は一切排除されたため、ボディのスクエアデザインが際だつ印象だ。また、ボディもこれまでのFEシリーズと比較して幅が10.2ミリ、奥行き20.1ミリ、厚みも0.8〜1ミリ短くなり、体積比で90%にまで圧縮することで「従来の14.1インチワイド液晶搭載ノートPCにせまる」(同社)コンパクトサイズを実現した。

 拡張性の面では、前面に無線LANのスイッチとSDメモリーカードおよびメモリースティックPRO対応のメモリカードスロットをそれぞれ内蔵し、左側面にHDMIやS-Video入力、アナログRGB出力、4ピンのIEEE1394、ExpressCard/34、USB 2.0の端子が並ぶ。背面には100BASE-TX/10BASE-T対応の有線LANとFAXモデム、右側面には光学ドライブと2基のUSB 2.0、そしてサウンド端子が配置される。

 構成と配置に不満はなく、何よりHDMI端子の搭載が光る。とくにVGN-FZ70BはBlu-ray Discドライブを内蔵しており、BD-ROMコンテンツを大画面液晶TVなどに映像と音声をケーブル1本で気軽に出力できるのは大きな魅力だ。HDVカメラの映像などを気軽にオーサリング可能な「Click to DVD BD」 もプリインストールずみで、手軽に次世代メディアを扱えるのもうれしいところだ(Click to DVD BDについてはこちらの過去記事――お茶の間でBlu-ray Discを本格オーサリング――ソニー「Click to DVD BD」を参照してほしい)。

上がVGN-FZ70B、下がVGN-FZ50Bの写真。HDMI端子は左側面にある。細かいところだが、PC利用時は前面左側にあるHDDのアクセスランプが左手に隠れてしまい見えずらかった

大型のAV操作ボタンを用意するほか、VAIO infoboard機能を新装備

 前述の通り、キーボードとパームレスト面のカラーリングは上下2モデルで異なっているが、ヘアライン加工とパンチング加工を施したアルミパネルをキーボードと液晶ヒンジの間に配置しているのは共通だ。

 88キーの日本語キーボードは、キーピッチが19ミリ、キーストローク2ミリのタイプを採用する。このクラスのモデルとしてはキーストロークがやや浅めだが、キーを押し下げたときにたしかなクリック感があるので、キータッチはまずまず良好と言えるだろう。従来機と同様、幅37ミリのBackSpaceキーや幅が40ミリを超えるEnterキーなど大きめなキーが印象的だ(ちなみに、スペースバーは幅57ミリ)。

 ただ、カーソルキーの幅が狭いうえにほかのキーから一段下がっていないレイアウトなため、タッチタイプ時にタイプミスをしやすいのが気になった。やはりモバイルPCと比較して余裕がある本体サイズと使い勝手を考えると、カーソルキーやファンクションキーを独立して並べるなどもう少し改善するとさらによい製品に仕上がったのにと惜しく感じた。

 タッチパッドは2ボタン式のベーシックなスタイルで、パームレストとタッチパッドとの間にほとんど段差がなく、手のポジショニングによってはカーソルが勝手に移動してしまうことがあった。この点については、据え置きが前提となるホームノートPCの性格上、タッチパッドを無効にしてUSBマウスを装着して利用するユーザーが多いと想定されるため、あまり問題にはならないだろう。

黒色キーボードとパームレストがVGN-FZ70B(写真=左)、白色がVGN-FZ50B(写真=右)。キーボードの上部にAVモードボタンと円形のAV操作ボタンを搭載しているのがFZシリーズの特徴だ
タッチパッドはシンプルな2ボタン式だが、多機能なALPS製ドライバが導入ずみなので実際の利用に不便は感じない

 目を引くのは、ヒンジ部のアルミパネル右側に用意されたSボタン、AVモードボタン、AV操作ボタンだ。円形状のAV操作ボタンは、一体型ボタンの上下に音量調整、左右に曲送り/曲戻しが設定されていて、中央のボタンで再生/一時停止を行なうAV機器ライクなインタフェースを採用する。同じ形のボタンを並べたインタフェースとは異なり、いちいちボタンの印字を確認しなくても直感的な操作が可能なのは評価したい。

 一方、Sボタンを押すと日時とYahoo!ニュースのヘッドラインが全画面表示される「VAIO infoboard」が起動する。文字が大きく少し離れたところからでも「ながら見」ができるので、離席時のスクリーンセーバー代わりに活用するとよいだろう。また、タイマー機能も用意されていて、設定した時間に自動的にVAIO infoboardを起動/停止したり、アラームを鳴らしたりといった使い方も可能だ。

 ニュースヘッドラインは「Yahoo!ウィジェット」を使って取得されており、気になる記事のヘッドラインをクリックするとWebブラウザが起動してYahoo!ニュースの記事ページが開く仕掛けとなっている。なお、AV MODEボタンを押すとおなじみのアプリケーションランチャ「VAIO AVモードランチャー」が画面上部に表示され、アイコンをクリックするとWindows Media Center、Skypeなどのアプリケーションが起動できる。

初期設定状態でSボタンを押すと「VAIO infoboard」が立ち上がる(写真=左)。VAIO infoboardは、アラームの設定や自動停止のオン/オフ指定が行える(写真=中央)。AVモードボタンと同様、Sボタンも機能割り当てのカスタマイズが可能だ(写真=右)。なお、OSを起動せずに気軽にAV機能を楽しむことはできない

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