以前から、ショップ単位でAthlon 64 X2上位モデルの割引キャンペーンが実施されてきたが、先週からAMDの価格改定が店頭価格に反映され、単品での売値が大幅に下がっている。
Athlon 64 X2最上位の6000+は、2万9000円前後の価格が2万1000円から2万3000円前後にダウン。以下、5600+と5200+は2000円前後、5000+は1000円前後下がっている。Athlon X2シリーズも改定の対象となっており、BE2350とBE2300は1000円強安くなり、それぞれ1万2000円前後と1万円強となった。
事前のキャンペーンにより、価格改定前の買い控えはほとんど起こらず、売れ行きが大幅に増したモデルはない。ただし、AMD製CPUの売れ筋には若干の影響を与えているようだ。パソコンショップ・アークは「従来の売れ筋は5600+でしたが、価格改定後はBE2350に人気No.1が移行しているように感じます。まだ供給が安定していないため、売れ行きの順位変動はないですが、まもなく代替わりするでしょうね」と語った。
価格の下げ幅がもっとも大きかった6000+は、いまひとつ売れていない様子。T-ZONE.PC DIY SHOPは「いくら安くなっても消費電力の高さがネックになって、買い手が付きにくい状況です。6000+は動作クロックが3.0GHzで、TDPが125ワット。200MHzだけクロック数が低い5600+がTDP89ワットを保っていることを考えると、5600+のほうが魅力的に思えます」と話す。
なお、価格改定前後には新モデルの追加が恒例となっているが、今回はその兆しが見あたらない。某ショップは「AMDはネイティブクアッドコアのCPUを年内には投入するでしょう。でもそれは12月くらになりそう。ここまで(CPUを)値下げしたら、もう大幅な価格改定は見込めないので、あと半年はまったく動きがなくなる」と、AMDの先行きについて不安を覚えているようだった。
一方のインテル製CPUも近日の価格改定が噂されているが、ある店員さんはキッパリとこれを否定した。
「従来モデルに価格の変動はなく、上位に新しいモデルが加わるだけです。下がるとしたら、Core 2 Quad Q6600くらいでしょうか。どのみち、メインストリームには関係ない」(某ショップ)とのこと。また一部では、新しい上位モデルが低価格で投入されるとの情報もある。それが真実なら、Core 2 Duo登場以来、不動の人気No.1を保っているE6600の地位が揺らぐことになるかもしれない。
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