先日、アイ・オー・データ機器の「USB-RGB」を紹介したばかりだが、早くもラトックシステムからDVI出力に対応したビデオアダプタ「REX-USBDVI」が登場した。内蔵されているメインチップは、DL-120の上位版にあたるDL-160。DL-120とDL-160の違いは解像度の違いのみだが、実際はそれ以上に違いのあるものとなっている。
チップメーカーが同じ、そして発売時期もほとんど同じということで、REX-USBDVIの購入を考えているユーザーの多くはUSB-RGBと比較してどうなのか、というところが知りたいのではないだろうか。実売価格ではUSB-RGBの約9500円に対し、REX-USBDVIは約1万3500円。4000円ほどの差を仕様の違いに見出せるかどうかがポイントとなるだろう。
まずはメインチップのDL-120とDL-160についておさらいしておこう。DL-120/DL-160は英DisplayLinkのロスレス伸張チップで、USB 2.0の入力とモニタ出力を備えている。
DL-120/DL-160をUSBグラフィックアダプタとして利用する場合は、PC本体で動作するバーチャルグラフィックスカードソフトウェアドライバがOSからの描画命令を受け取り、それをロスレス圧縮してUSB 2.0経由でDL-120/DL-160に転送、そのデータを各チップがハードウェア伸張してモニタに表示する。リアルタイム圧縮を行うためにCPUパワーを必要とする半面、転送されるデータ量を抑えられるため、USBインタフェースのボトルネックを回避できるのが特徴だ。
DL-160はDL-120の特徴そのままに、最大対応画素数を約150万から200万に向上させたチップだ。具体的にはスクエアだと最大1400×1050ドットが1600×1200ドットに、ワイドで最大1440×900ドットが1680×1050ドットになっている。ただしREX-USBDVIでは、アナログRGBで接続した場合はスクエアで最大1280×1024ドット、ワイドで最大1440×900ドットにとどまる。アナログRGBでの接続を考えていた人は注意してほしい。
USB-RGBが黒く丸みをおびたプラスチック製の筐体を採用していたのに対し、REX-USBDVIの筐体は角ばったアルミ製。その分、重量もUSB-RGBの約3倍になっている。ラトックシステムによると、アルミ製にしたのは放熱のためではないらしいが、稼働中の筐体表面温度はUSB-RGBに比べてかなり低い。
フットプリントは76×73ミリのほぼ正方形で大きいわけではないが、鋭い角、素材の頑丈さは凶器になりうるレベルだ。カバンに入れてほかの小物と一緒にして持ち歩くときには注意したほうがいいだろう。据え置きとして考えると、DVIコネクタとUSBコネクタが同じ面から出ているのはケーブルの取り回しがしやすいレイアウトだ。なお、USB-RGB同様、消費電力は500ミリアンペアと低く、バスパワー動作が可能となっている。
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