PCへの接続はBluetooth 2.0で、Bluetoothを内蔵したノートPCなどであればそのままdiNovo Edgeを接続可能だ。加えて、本製品には最初からキーボードとペアリングされたUSBワイヤレスアダプタが添付されているので、Bluetoothを内蔵していないPCでもすぐに利用できる。ただし、このアダプタは汎用のBluetoothアダプタではなくdiNovo Edge接続専用で、Bluetoothのソフトウェアスタックは添付されない。
この専用アダプタにdiNovo Edge以外のBluetoothデバイスを接続することはできないが、動作にBluetoothのソフトウェアスタックも必要としない、というわけだ。その代わり、専用アダプタを経由するdiNovo Edgeは、PCから普通のUSBキーボードに見えるため、USBさえサポートされていればOSを問わず利用可能になる。
ワイヤレスキーボードには、電池がつきものだが、diNovo Edgeはハイエンドモデルらしく充電式のリチウムイオン電池を内蔵し、付属のスタンドに立てておくことで充電できる。2時間のフル充電で約2カ月利用できるほか、5分間の充電でほぼ1日利用できる急速充電機能も備える。
キーボードとしてはいわゆるパンタグラフタイプで、ストロークはデスクトップPC用(通常3.5〜4.0ミリ)とノートPC(通常2.0〜2.5ミリ)の中間となる3.2ミリが確保されている。キーの打鍵荷重が60グラムと若干重めなこともあって、かなりの弾力感が得られる。そのため、体感的なストロークはスペック値以上で、ノートPCのキーボードと比べるとかなりしっかりした印象を受ける。ストロークが浅い分だけキーのグラつき感が少なく、このことを好むユーザーがいるかもしれない。
diNovo Edgeはテンキーがないコンパクトキーボードだが、上述したポインティングデバイスのTouchDiscに加えて、各種のメディアキーも備えている。この機能を呼び出すのは右Altキーの右側にあるFnキーだが、このFnキーを押すとメディア機能が割り当てられたファンクションキー上部のイルミネーションがオレンジに光る。ちなみに機能の割り当て設定は付属の「SetPoint」ユーティリティで行える。
DN-800は日本語キーボードが用意されていたが、残念ながらこのDN-1000は英語キーボードのみとなっている。Windowsは、レイアウトドライバをグローバルで1種類しか同時にサポートできないため、すでに日本語キーボードが接続されたシステムでdiNovo Edgeを使おうとすると、キートップの表示と入力されるキャラクタが合致しないことを承知でdiNovo Edgeを日本語キーボードとして利用するか、システムに接続されている日本語キーボードの使用をやめて英語キーボードとして利用するかを余儀なくされる。英語キーボードに統一すれば手間は減るものの、持ち出し用のノートPCで操作性をそろえるために英語キーボードを備えた製品を用意するのも、今の日本では容易でない。
一般に、キーボードレイアウトを変更する(日本語キーボードと英語キーボードを切り替える)方法としては、デバイスマネージャでキーボードの種類を変更する方法が広く知られているが、切り替えには再起動が必要となる。また、何度か切り替えを繰り返していると、キーボードの種類を変更できなくなったり、変更してもキーレイアウトが変わらない、といったトラブルに遭遇しやすい。この場合、レジストリを自分で書き換えるか、このようなツールなどを使うことになるが、できれば本体に付属するSetPointでレイアウトの切り替えをサポートして欲しかった(それより日本語と英語、両バージョンのリリースが望まれるわけだが)。
現状では英語キーボードしかなく、Windowsにおけるキーレイアウト変更には手間が伴うという難点を思えば、広く一般には勧めにくい。が、充電式バッテリーの採用、Bluetooth対応、薄型でスマートなデザインとしっかりとしたキータッチの両立など、diNovo Edgeには見るべき部分も多い。とりあえずは、普段から英語キーボードを使っているユーザーのリビングルルームPC用、といった用途に使ってもらいたい製品だ。
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