インテルの新世代チップセット「Intel 3シリーズ」の最上位モデルとなるのが「Intel X38 Express」だ。COMPUTEX TAIPEI 2007でその存在が紹介されたとき、出荷は2007年後半になるだろうと予告されていた。
Intel X38 Expressの正式発表はまだ先であるが、このチップセットを搭載したマザーボードの情報がWebページで少しずつ見かけるようになってきた。PC USERでも、“ひょんなところ”からASUSのIntel X38 Expressマザーボード「P5E3 Deluxe」のサンプルを入手することができたので、まずは画像を中心にその姿を紹介しよう。
なお、エンジニアリングサンプルということと「まだ機は熟していない」ということで、パフォーマンスなどの性能評価は行えないが、このあたりについても、“時期がきたら”紹介する予定だ。
P5E3 Deluxeは、2007年6月に行われたCOMPUTEX TAIPEI 2007ですでにサンプルが展示されている。そのときの展示サンプルは、茶色い基板に、DDR3メモリスロットを4本載せ、2本のPCI Express x16スロットと1本のPCIスロットを用意していた。チップセットのクーラーユニットはノースブリッジと電源回路周辺のヒートシンクをヒートパイプで連結したエントリークラスの「P5K-E」に近いもので、サウスブリッジは独立したヒートシンクとなっていた。
今回入手したP5E3 Deluxeは、COMPUTEX TAIPEI 2007のサンプルとは、いくつかの変更点が確認された。外見ですぐ分かる大きな変更点は、PCI Express x16スロットが3本になったことと、チップセットのクーラーユニットがノースブリッジとサウスブリッジ、CPUソケット四方の電源回路をヒートパイプで連結した、同じASUSのIntel P35 Expressマザーボード「P5K3 Deluxe」でも採用されている大掛かりなユニットを載せたことだろう。なお、PCI Express x16スロットが3本になったため、“COMPUTEX”サンプルであったPCIスロットは今回のサンプルでなくなっている。
そのほか、基板に上向きに実装されていたSerial ATAコネクタは、IDEと同様に90度曲げてサイドを向くようになり、バックパネルに用意されたインタフェースでも、“COMPUTEX”サンプルで確認できたパラレルポートがなくなり、2つのイーサネットコネクタやeSATAコネクタなどが配置されている。
以上、P5E3 Deluxeの外見をひと通りチェックしてみた。チップセットこそIntel X38 Expressになっているが、用意されたインタフェースやクーラーユニット、基板のレイアウトやオンボードのコントローラチップを見る限り、現行のDDR3対応Intel P35 ExpressマザーボードであるP5K3 Deluxeとほぼ同じ構成となっている。
ただし、COMPUTEX TAIPEI 2007でインテルが説明したように、Intel X38 Expressには、既存のチップセットにはない新しいアクセラレーション機能が用意されている。このあたりの興味深い性能については、インテルの「正式発表」が行われたのちに、あらためて評価する予定だ。
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