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我が家の無線が100Mbpsを超える日――802.11nドラフト2.0の無線LANルータ2機種を試す人気モデル2台をじっくり攻略(2/6 ページ)

» 2007年09月11日 17時50分 公開
[織田薫,ITmedia]

基本的なセキュリティ機能を網羅したWZR-AMPG300NH

 WZR-AMPG300NHの無線LANセキュリティ機能だが、WPAおよびWPA2に対応している。WPA-PSK(TKIP/AES)、WPA2-PSK(AES)に対応しているだけでなく、WPAはTKIP、WPA2はAESを利用する混在モードも搭載している。もちろん、ゲーム機などとの接続で高度な暗号化が行えない場合は、WEP(128/64ビット)を使うことも可能だ。

 ただし、WEPを利用するとネットワーク全体のセキュリティが低下してしまうため、ニンテンドーDSなどWEPのみ対応している機器を利用する場合は、別途アクセスポイントを用意したほうがよいだろう。バッファローの場合は、ゲーム機に特化した「WCA-G」などのアクセスポイントも展開しているので、こうした機器を増設するもの手だ。

 そのほかのセキュリティ機能としては、Any接続拒否、プライバシーセパレータ(アクセスポイントに接続しているPC同士のアクセスを禁止)、MACアドレスフィルタなど、従来機が搭載していた機能を継承している。インターネットからの不正アクセスを防ぐネットワークのセキュリティ機能としては、ステートフルパケットインスペクション(SPI)や、パケットフィルタリング、アタックブロックなど、こちらも従来機の機能を引き継いだ形だ。AtermWR8400NのようなマルチSSID機能やWebフィルタリングサービスとの連携機能は用意されていない。

無線LANの暗号化方式にはWEP/WPA-PSK/WPA2-PSK/WPA/WPA2 mixedmode-PSKを選択できる(写真=左)。ネットワークのセキュリティ機能としては、ステートフルパケットインスペクション(SPI)や、パケットフィルタリング、アタックブロックなどの設定が用意されている(写真=中央、右)

セットアップはAOSSとWPSを選択可能

 無線LANの設定に関しては、バッファローが提唱しているAOSSと、Wi-Fiアライアンスが策定したWPS(Wi-Fi Protected Setup)の両方に対応している。無線LANの設定は、SSIDや暗号化キーの指定が必要で、初心者が手動で設定しようとすると実に面倒だが、AOSSやWPSを利用することで簡単に設定が行える。

 AOSSを利用する場合、ルータ本体のボタンを押してAOSSモードにして、クライアントからアクセスするだけでSSIDや暗号化キーなどを自動設定できる。AOSSは独自規格だが、バッファローの製品だけでなく、ニンテンドーDS、Wii、PSPなどにも搭載されており、他社製品でもボタンを押すだけで無線LANの設定が可能だ。ただし、デュアルチャネル通信を行う場合には、AOSS後に「倍速モード」の設定を行うことになる(詳しくは後述)。

 WPSは、AOSSと同じようにボタンを押すか、PINコードを入力することで設定が行えるが、後発なので対応機器は少なく、現状ではWindows Vistaのみの対応だ。もっとも、WPSはWi-Fiアライアンスが標準化した規格ということで、今後の普及が予想される。

 さらに、無線LANルータを初めて購入する人がインターネット接続の設定で迷わないように「インターネット@スタート」機能を用意。ルータ本体と回線機器(ADSLモデム、FTTHメディアコンバータなど)を有線LANで接続し、AOSSでクライアントと接続した後でブラウザを起動すると、Yahoo! BB、CATVの場合は自動的にインターネット接続の設定が完了する。フレッツやFTTHの場合は、ブラウザ起動後に設定画面が自動的にポップアップする仕組みだ。ちょっとした工夫だが、初心者にとって分かりにくい設定画面を呼び出す手順を省くことで、設定を簡便化している。

 ネットワーク関係の機能としては、UPnPやホストDMZ、ポートフォワード、MACアドレス変更、ダイナミックDNSの登録などが用意されている。また、本体にはルータ機能をオフにするスイッチがあるため、ADSLモデムにルータ機能が搭載されている場合でも簡単に導入できるはずだ。そのほか、ユニークなところでは、Windows Vista上で接続状態を確認できるネットワークマップの「LLTD」に対応している。

AOSS/WPSの無線ブロードバンドルータ側の設定画面。自動設定になるため、設定しなければならない項目は少ない

 クライアント側は、従来機種と同様に独自ユーティリティソフトの「クライアントマネージャ」で設定を行う。ネットワークプロファイルの保存に対応し、一度設定した接続情報を自動的に記録して自由に切り替えることが可能だ。Windows XP以前のOS環境では「クライアントマネージャ3」を、Windows Vistaでは「クライアントマネージャV」を使う必要がある。クライアントマネージャVは、ユーザーインタフェースが大幅に改良され、非常に使いやすくなっている。

Windows XP以前のOS用の「クライアントマネージャ3」(写真=左)と、Windows Vista用のクライアントマネージャV(写真=中央、右)。クライアントマネージャはOSのワイヤレス管理機能を置き換える形で利用するため、OSのワイヤレス管理機能は使えなくなる

 Webブラウザから操作する設定メニューも扱いやすくなっている。「かんたん設定」によく利用する機能が目的別にまとまっているほか、詳細メニューでより柔軟なカスタマイズが可能だ。機能の増加にともない設定項目も増えているが、タブを採用したインタフェースに変更し、右側にヘルプを配置したことで、きれいにまとまった印象を受ける。

かんたん設定には、よく利用する機能を目的別まとめてあり、設定画面に迷わずアクセスできる(写真=左)。かんたん設定の内容は、詳細設定でも行えるが、かんたん設定のほうが内容を把握しやすい(写真=中央)。詳細設定の画面も、タブを利用してきれいにまとめている(写真=右)

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