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我が家の無線が100Mbpsを超える日――802.11nドラフト2.0の無線LANルータ2機種を試す人気モデル2台をじっくり攻略(3/6 ページ)

» 2007年09月11日 17時50分 公開
[織田薫,ITmedia]

必要な機能をバランスよく装備したAtermWR8400N

 次に、NECアクセステクニカのAtermWR8400Nをチェックしよう。こちらも無線LANルータ単体ではなく、CardBus用(PCカード型)無線子機「AtermWL300NC」がセットになったモデル「AtermWR8400Nワイヤレスカードセット」を用意した。標準価格はすべてオープンで、量販店での実売価格はAtermWR8400Nワイヤレスカードセットが3万円前後、AtermWR8400Nが2万2000円前後となっており、WZR-AMPG300NH/Pよりも割安だ。今すぐ300Mbpsの無線LANを利用したいという人は、WZR-AMPG300NHの場合と同様にセット製品を選ぶ必要がある。

 AtermWR8400Nは、5月の発表当初から他社に先駆けてドラフト2.0準拠をうたっているが、2007年9月10日現在で「Wi-Fi CERTIFIED 802.11n Draft 2.0」の認定を取得したとの発表はない。現状では、他社の802.11nドラフト準拠製品との相互接続性は保証されていないので、この点は注意が必要だ(もちろん、実際は接続できる場合もあるが)。

AtermWR8400Nの外形寸法は、アンテナ部を除いた場合で41(幅)×197(奥行き)×174(高さ)ミリ。3本のアンテナを搭載しているにもかかわらず、無線LANルータとしては少し大きい程度に収まっている。ただし、安定した通信を行うためには、アンテナを立てる必要があるため、設置場所の高さには注意が必要だ

無線LANカードのAtermWL300NCは、11a/g/bの無線LAN規格にも対応。外形寸法54(幅)×121(奥行き)×12(高さ)ミリ、重量は約50グラムで、WLI-CB-AMG300Nよりもアンテナ部の厚みがある

 AtermWR8400NもWZR-AMPG300NHと同様、40MHzの帯域幅を利用した最大300Mbpsの通信速度が最大の特徴となる。Atheros CommunicationのXSPAN技術を用いており、アンテナは送受信とも3本を使う仕組みだ。ただし、子機のAtermWL300NCは送信時2本、受信時3本の構成を採用している。

 AtermWR8400Nのアドバンテージは、屋内利用に制限されたW52/W53だけでなく屋外利用も可能なW56に対応していることだ。これにより、5GHz帯において通信の干渉を避けやすくなっているが、40MHz幅での通信に対応しているのはW52のみなので注意してほしい。40MHz幅で高速な無線通信を行いたい場合は、2.4GHz帯もしくはW52(5.2GHz帯)を使うことになる。

 実効スループットは公称90Mbpsとなっており、WZR-AMPG300NHよりも控えめだ。これは、WAN/LAN側のイーサネットインタフェースが100BASE-TXで、ギガビットイーサネットに対応していないことに起因する。無線LANの実効スループットが100Mbpsを超えていないのは、最大100Mbpsという有線LAN側のイーサネットインタフェースがボトルネックになっているわけだ。規格的に有線LANよりも無線LANのほうが速いという若干アンバランスな構成になっている。

 また、IEEE802.11a/g/bの通信にも対応するが、2.4GHz帯と5GHz帯の同時利用は行えず、切り替えて利用する。この辺りはWZR-AMPG300NHにかなわない部分だが、それだけ低価格で購入できる点に注目してほしい。

正面に各種インジケータとらくらくスタートボタンを用意している(写真=左)。WAN/LAN側のポートは100BASE-TX準拠だ(写真=右)

マルチSSIDと悪質サイトブロックサービスでセキュリティに配慮

 無線LANのセキュリティ機能は、WPA-PSK(TKIP/AES)とWEP(152/128/64ビット)に対応している。WPA2には対応していないが、強力な暗号化方式であるAESが利用できるので機能的に不便を感じることはないだろう。そもそもWPA2は、WPAにAESの暗号化方式を加えた仕様だが、各メーカーともWPAでAESの暗号化を適用できる製品を投入しており、Wi-FiアライアンスからWPA2の認証を取得していない製品でもAESが使えるからだ。

 WZR-AMPG300NHにはないもう1つの特徴としては、仮想的に2つのSSIDを設定できるマルチSSID機能が挙げられる。この機能は非常に便利で、各SSIDで異なる暗号化方式を用いることが可能だ。たとえば、PCはAESを利用、ゲーム機はWEPを利用するなど、各機器が対応する最も強固な暗号化方式を使い分けることができる。

 最近ではWEPしか対応していない機器は非常に少ないが、携帯ゲーム機としてシェアの高いニンテンドーDSがこれに該当する。ニンテンドーDSを家庭内LANに接続する場合に、ネットワーク全体の暗号化をWEPに統一しないで済むのはセキュリティ上のリスクを避ける上で有効だ。もちろん、WEPを利用する場合は、暗号を解読されてネットワークに侵入される危険性があるため、パケットフィルタリングなどでセキュリティを強化しておくことをおすすめする。

 このように便利なマルチSSID機能だが、1つ注意すべき点がある。それはAtermWR8400Nが2.4GHz帯と5GHz帯の同時利用に対応していないことだ。たとえば、ニンテンドーDSなどのゲーム機は2.4GHz帯で接続するため、PCの接続も2.4GHz帯に合わせる必要がある。こうなると、電波が干渉しやすい2.4GHz帯でデュアルチャネル通信を行わなければならず、せっかくの5GHz帯を生かせないのは惜しまれる。

 そのほか、MACアドレスフィルタリングや、ESS-IDステルスなど、基本的なセキュリティ機能も搭載されている。ただし、アクセスポイントに接続しているPC同士のアクセスを禁止するプライバシーセパレータ機能は搭載されていない。ユニークなところでは、ディップスイッチによってESS-IDステルス機能とMACアドレスフィルタリング機能をワンタッチで有効化できるスーパーセキュリティモードも持つ。

 インターネットからの不正アクセスを防ぐネットワークのセキュリティ機能としては、IPパケットフィルタリングや、不正アクセス検出機能などが搭載されているほか、ネットスターの「インターネット悪質サイトブロックサービス」サービスに対応している。

 このサービスはWebフィルタリングを行うもので、ウイルスをダウンロードさせるサイトやフィッシングサイトなど、有害なページをルータ側で遮断できる。ルータでアクセスをコントロールするため、PCにソフトウェアをインストールするなどの負荷をかけずに済むほか、ゲーム機やAV家電からのアクセスもフィルタリングできるのがポイントだ。サービスの利用料金は年間3150円となっている(60日間の無料体験が可能)。

インターネット悪質サイトブロックサービスは、IPアドレスとブロックレベルを指定する。IPアドレスを指定する必要があるため、制限を行いたい機器はIPアドレスを固定しておくとよい。ブロックレベルは小学生以下、中学生、高校生、大人が指定でき、それぞれに暴力などのカテゴリを許可・拒否する設定が用意されている

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