PC USER Pro
レビュー
» 2007年09月11日 17時50分 公開

人気モデル2台をじっくり攻略:我が家の無線が100Mbpsを超える日――802.11nドラフト2.0の無線LANルータ2機種を試す (5/6)

[織田薫,ITmedia]

WZR-AMPG300NHとAtermWR8400Nの通信速度を検証

 さて、WZR-AMPG300NHとAtermWR8400Nのベンチマークテストを、できるだけ環境をそろえて実施してみた。各ルータのセットモデルに付属する無線LANカードを導入したクライアントPCと、サーバの役割を担わせたPCのスペックは下表の通りだ。どちらもアンチウイルスソフトは利用していない。

ノートPC(クライアント)
製品名 VAIO type A VGN-AR93US
マザーボード メーカー独自
CPU Core2 Duo T7700(2.40GHz)
メモリ 2GB
グラフィックスカード NVIDIA GeForce 8600M GT
OS Windows Vista Home Premium
デスクトップPC(サーバ)
製品名 自作PC
マザーボード ASUSTeK PC-DL Deluxe
CPU Xeon 2.4GHz×2
メモリ 2GB
グラフィックスカード ATI Radeon X1650 Pro
OS Windows XP Professional

 無線LANは、基本的にデフォルトの設定を使用している。WZR-AMPG300NHの場合は、AOSSで設定を行ったうえで「倍速モード」の設定にした。倍速モードの設定は、40MHz幅でデュアルチャネル通信を行うために必要な設定だ。デュアルチャネル通信を行う場合は、AOSSで自動設定した後、必ず設定を変更しておこう。AtermWR8400Nの設定は、基本的にらくらく無線スタートで設定を行った。暗号化の設定はすべてAESだ。無線LANアクセスポイントとノートPCは3メートル程度離してテストを実施している。

WZR-AMPG300NHで40MHzの帯域幅を利用するには、クライアントPC側と無線LANルータ側の両方で設定を行う必要がある。倍速モードの設定で40MHzを選択し、無線LANカードのドライバのプロパティでChannel WidthをAutoにする。この設定方法については製品に指示書が入っている

 また、セットになっている無線LANカードではなく、クライアントPCとして用意したVAIO type Aに標準搭載された無線LANモジュールを利用した場合のスループットも計測してみた。無線LANモジュールは、20MHzの帯域幅に対応したIEEE802.11nドラフト準拠の「Intel Wireless WiFi link 4965AGN」だ。

 ベンチマークテストは、NetPerfとFTPを利用した。NetPerfはネットワークのスループットを計測するツールで、パラメータを調整して最速の値が出るように調整して利用している。FTPについては、クライアント側はWindows標準のコマンドを利用し、サーバ側はWindows XP ProfessionalのIIS機能を利用した。

ノートPCをクライアント、デスクトップPCをサーバとして動作させた場合の結果

ノートPCをサーバ、デスクトップPCをクライアントとして動作させた場合の結果。どちらも40MHzの帯域幅を利用した通信が高速であることが分かる

 ベンチマークテストの結果は、全体的にメーカーがうたっているスループットに近い値が出た。NetPerfを利用した場合、プロトコルによるオーバーヘッドが生じないため、FTPを利用した場合よりも高速な数値が出る。基本的には40MHz幅を利用した通信が速く、20MHzの帯域幅を利用した場合の1.5〜2倍の速度になっている。WZR-AMPG300NHの場合は、一部100Mbpsを超える値が出ており、有線の100BASE-TXよりも高速だ。

 とはいえ、100Mbpsを大きく超える値が常に出ているわけではないため、無線LANのみの通信速度を考えた場合はAtermWR8400Nも有力な選択肢と言える。そもそもインターネット側は100Mbpsを超える回線を利用していることはないと思うので、無線LANでの運用が中心であれば、価格の安いAtermWR8400Nを選ぶのもよいだろう。

 ノートPC内蔵の「Intel Wireless WiFi link 4965AGN」を利用した場合については、デュアルチャネル通信は行えないものの、各ルータのセットになっている無線LANカード(40MHz幅に対応)と比較しても大きく見劣りするものではなかった。このことから、同様の無線LAN機能を標準搭載した最新のノートPCでは、これらの無線LANルータと接続して、高速な通信速度が得られる可能性が十分ある。

 次はFTPのテスト結果を見てみよう。

FTP GETの測定結果。IISを利用したFTP GETの結果はIEEE802.11nを利用しているとは思えないほど遅くなってしまった

Fedora Core 6を利用したFTP GETの測定結果。こちらは問題ない値が出た

FTP PUTの測定結果

 一方、FTPの結果はGETとPUTで大きく異なる結果が出た。PUTの場合は、NetPerfとほぼ同じ結果になっているにもかかわらず、GETの場合は非常に低い値となっている。NetPerfの結果は双方向でほぼ同じ値になっているため、FTPサーバにWindows XP ProfessionalのIISを利用した影響と考えられる。

 このため、FTPのGETに限り、サーバ側のOSをFedora Core 6にして値を取り直してみたところ、NetPerfとほぼ同じ値となった。サーバ側にWindowsを利用したときに速度が低下する原因は不明だが、Windows XPのTCP/IPのウィンドウサイズなどのパラメータが、無線LANのパケットの送受信に悪影響をおよぼしているのかもしれない。

 なお、グラフには出していないが、有線LANのベンチマークテストも実施してみた。WZR-AMPG300NHの場合はギガビットイーサネットを利用できるため、NetPerfで700〜800Mbpsの速度が出ている。AtermWR8400Nの場合は、NetPerfで100BASE-TXの限界値である95Mbps程度で、40MHzの帯域幅を利用した無線LANとほぼ同じ速度だった。

 なお、メーカーが保証する動作ではないが、WZR-AMPG300NHとAtermWL300NC、AtermWR8400NとWLI-CB-AMG300Nの組み合わせで40MHz幅を利用したデュアルチャネル通信が可能かどうかを試してみた。結果はいずれも問題なく動作し、WZR-AMPG300NHとAtermWL300NCの場合は75Mbps程度、AtermWR8400NとWLI-CB-AMG300Nの場合は50Mpbs程度の速度を確保できた。今回の2機種を試した限りでは、相互運用ができそうな感触だった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia PC USER に「いいね!」しよう