それでは、シンガポールの発表会で展示されていたモデルを中心に見ていく。
現状、日本ではHP PavilionシリーズとCompaq Presarioシリーズの線引きがあいまいだが、海外ではPavilionが上位シリーズ、よりコストパフォーマンスを追求したのがPresarioシリーズという位置付けがなされている。今回発表された新モデルを加えた、各シリーズのノートPCラインアップは下記の通りだ。
日本での発売は未定とのことだが、会場で最も注目を集めていたのは20.1インチ光沢ワイド液晶ディスプレイを搭載した「HP Pavilion HDX9000」だ。“エンターテインメントノートPC”の名付けられた製品で、同社おなじみの塗装技術「HP Imprint」が採用されており、その模様は「Dragon」と呼ばれている。
画面解像度こそ1680×1050ドットとフルHDに及ばないものの、PCの基本スペックはドラゴン級だ。CPUはCore 2 Extreme X7900(2.8GHz)〜Core 2 Duo T7500(2.0GHz)まで、メモリは最大4Gバイトまで、HDDは250/160/120Gバイトのドライブを各2基ずつまで実装できる。グラフィックスチップはATI Mobility Radeon HD 2600 XT(ローカルメモリはGDD3 256Mバイト/HyperMemoryを利用することで最大512Mバイト)固定だが、光学ドライブにはHD DVD-ROMの再生に対応したDVDスーパーマルチドライブを選択可能だ。また、「HP HDTV Hybrid TV Tuner」やAltec Lansingの4スピーカー、サブウーファーを標準で内蔵するほか、左側面にはHDMI端子を備えているのが特徴だ。
横幅が500ミリ近くもあり、キーボードには10キーを搭載するほか左側にはTVやWindows Media Centerを操作する赤外線リモコンが収納できる。デュアルヒンジ機構を取り入れることで、液晶ディスプレイの位置調整も柔軟に行える。本体サイズは約475(幅)×340(奥行き)×58.4(高さ)ミリ、重量は約7.14キロ(構成により異なる)で、OSはWindows Vista Home Premium(32ビット)のほか64ビット版Ultimateも選べる。
米国ではすでに販売が開始されており、最小構成時の価格は2999.99ドルとなっている。
続いては、“Special Edition”の2モデルを見ていく。
1つはすでに日本で投入済みの「HP Pavilion Notebook PC dv6500/CT Special Edition」だ。日本では「雪景」(sekkei)と呼ばれていたが、こちらでは「Influx」と名付けられている。市場想定価格は999ドル〜。
もう1つは「HP Pavilion dv2600 Special Edition」で、こちらはシャンパンゴールドとブラックのツートーンボディに、「Verve」と呼ばれる模様が描かれている。ベースとなるのは日本で6月に発表された「HP Pavilion Notebook PC dv2405/CT」で、14.1インチの光沢ワイド液晶ディスプレイを搭載する。ただ、dv2405/CTがAMDプラットフォームだったのに対し、“Verve”はIntel PM965 Expressチップセットを中心にIntelプラットフォームを採用した“Santa Rosa”になっている。こちらの市場想定価格は1049ドル〜だ。
液晶ディスプレイの天面に大胆な模様が描かれた“Verve”だが、デスクトップ画面の「Big Wave」は、中央に富士山を置けば、まさに葛飾北斎作「冨嶽三十六景」の一場面を想起させる。このあたりが、“ZEN-Design”と呼ばれるゆえんなのかもしれない。
次のページではモバイルPCとデスクトップPCの新モデルに迫る。
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