ジャストシステムの主力製品である「一太郎」が、毎年2月に新バージョンを発売するようになって今年で9回目となる。2007年には、新たに一太郎を含むオフィススイートの「JUST Suite 2007」を投入したが、今年のバージョンアップは、それをさらに発展させた「JUST Suite 2008」が発売される。具体的には、構成アプリケーションの連携の度合い高めるための新ツール「SuiteNavi」が搭載されたほか、PDFを作成・編集するためのアプリケーションも加えられている。
2月8日から店頭および直販のJust My Shopで販売が開始されるが、希望小売価格は通常版が2万6250円、アカデミック版や優待版、バージョンアップ版が1万5750円〜1万8900円で、Just My ShopではATOKユーザー向け特別優待版(1万5750円)も用意されている。
まずは、注目の「SuiteNavi」から紹介していこう。
JUST Suite 2008を構成するアプリケーション | |
---|---|
ワープロ | 一太郎2008 |
日本語入力 | ATOK 2008 |
表計算 | 三四郎2008 |
プレゼンテーション | Agree 2008 |
統合グラフィックス | 花子2008 |
メーラー | Shuriken 2008 |
PDF作成 | JUST PDF[作成・編集] |
ユーティリティ | SuiteNavi |
JUST Suite 2008に新しく用意された「SuiteNavi 」は、JUST Suiteのアプリケーションを中心にほかのソフトウェアと連携するためのツールだ。さまざまな機能を持つので、その内容を一言でいうのは難しいが、ファイラーやビューア、エディタ、ランチャーを組み合わせたユーティリティソフトウェアと考えれば、全体像をほぼ把握できると思う。
SuiteNaviの画面は、右の画面のように3つのブロックに分かれている。左側のペインはファイルの一覧、右側のペインがビューア、そして下段には操作アイコンが並び、「探す・確認する・処理する」という作業を1画面で行えるのがポイントだ。
まず左側ペインだが、ここにはWindowsのエクスプローラ風にファイル名の一覧が表示される。この一覧は、ファイルの種類ごとに絞り込めるほか、キーワードによる検索(ファイル名検索と全文検索)が行える。このペインの上部にはタブがあり、「フォルダ」「履歴」「RSS」と表示内容を簡単に切り替えることができる。
ここでファイルを選択すると、右側のビューアに内容が表示されて、アプリケーションを起動しなくても中身を確認できる。ビューアでの表示は、ファイルの内容を忠実に表示するか、テキスト部分のみ抽出して表示するかをワンタッチで切り替えられる。
ユニークなのは、「新規メモ」ボタンをクリックすると、ビューアのペインをテキストエディタとして扱え、文書を作成できるようになることだ。このとき7段階までのテキストレベルを設定することができ、一太郎やAgreeのランクレベルとして利用できるので便利だ。なお、作成テキストは自動的に保存されるようになっている。
下段の操作アイコンは、表示されているファイルに応じてリアルタイムに切り替わる。そして、ここから関連するアプリケーションを立ち上げることで連携処理を実現する。例えば、一太郎ファイルをAgreeで開きプレゼンテーションを作成する、というように扱えるわけだ。
下段右側にある「出力・変換」と書かれた「編集バー」には、一太郎や三四郎のファイルをWordやExcelのファイルにまとめて変換するための「Office保存」ボタン、逆にWordやExcelファイルを一太郎や三四郎形式に変換する「Suite保存」ボタンも用意されている。対応アプリケーションで作成したドキュメントをPDFに変換してメールに添付したり、複数のファイルをまとめてZIP圧縮したり、複数のファイルをまとめて印刷したりすることも可能だ。
多くのソフトウェアを組み合わせたオフィススイートは、とかく各ソフト間のつながりがおろそかになりがちだが、SuiteNaviはジャスト製品だけでなく、他社のアプリケーションも含めた形で連携を試みて新たな使い方を提案している。ビューアペインでの拡大/縮小表示ができなかったり、読み込めるファイルが限定されたりとまだまだ荒削りな部分も見られるが、今後の進化に期待が持てる仕上がりだ。なお、SuiteNaviはJUST Suite 2008のみに付属するツールで、単独販売やほかのアプリケーションとのセット販売はない。
次のページでは、一太郎2008を見ていこう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.