JUST Suite 2007 は、ジャストシステムが始めて手がける本格的なオフィススイートと言えるかもしれない。ジャストシステムは、これまでにも1994年の「一太郎Office」を皮切りに、「一太郎Office8」や「Justsystem Office9 」、そして2000年の「Justsystem Office10」まで、Officeの名称のついた製品を発売したことがあったが、いずれもプレゼンテーションソフトを含まないもので、Microsoft Officeに真正面から対峙する製品ではなかったからだ。
筆者は当時、ジャストシステムが発売するこれらのオフィス製品に対して、「一太郎」と「花子」に、表計算ソフトとメールソフトを“おまけ”としてつけたという印象を持っていた。たぶん、この予測はあたっていたのだろう。そのあとを継ぐ製品(バージョンアップの対象となる商品)は「一太郎&花子スペシャルパック」ということで、この数年は経てきている。
今回、新たに発売される「JUST Suite 2007」は、ワープロソフト「一太郎2007」とグラフィックソフト「花子2007」に加えて、2年ぶりにバージョンアップを果たした表計算ソフト「三四郎2007」、そして新顔の「Agree 2007」というプレゼンテーションソフトも加えて、マイクロソフトのOffice製品と肩を並べることのできる陣容を整えている。そのほか、PDF作成/編集ソフト「PDF Suite」、メールソフト「Shuriken Pro4/R.2」(JUST Suite 2007購入者は、3月9日発売予定の新バージョン「Shuriken 2007」を無償でダウンロードが可能)の2本を加え、全部で7本セットとなっている。
これを、マイクロソフトの2007 Office Systemの製品構成と比較すると下のようになる。
JUST Suite 2007と2007 Office Systemの製品構成比較 | ||||
製品名 | JUST Suite 2007 | 2007 Office system | ||
Personal | Standard | Professional | ||
ワープロ | 一太郎2007 | Word 2007 | Word 2007 | Word 2007 |
表計算 | 三四郎2007 | Excel 2007 | Excel 2007 | Excel 2007 |
プレゼンテーション | Agree 2007 | − | PowerPoint 2007 | PowerPoint 2007 |
日本語入力 | ATOK 2007 | MS-IME 2007 | MS-IME 2007 | MS-IME 2007 |
図形処理など | 花子2007 | − | − | Publisher 2007 |
メールなど | Shuriken Pro4/R.2 | Outllook 2007 | Outllook 2007 | Outllook 2007 |
そのほか | PDF Suite | − | − | Access 2007 |
パッケージ価格 | 2万6250円 | 4万7040円 | 5万5440円 | 6万2790円 |
JUST Suiteの商品カタログを見ると、「一太郎 → 三四郎 → Agree → ATOK → 花子」という順番でアプリケーションが並んでいる。これも個人的な感想で恐縮だが、筆者は、ここにジャストシステムの意気込みを感じる。というのは、ワープロ、表計算、プレゼンテーションと並べて、本来なら同社の主力商品である「ATOK」と「花子」の順位をさげているからだ。これまでとは違う、新しい「オフィス統合ソフト」として販売していこう、という意識の表れなのではないだろうか。
ここでは、この順番を尊重して、「一太郎 → 三四郎 → Agree → ATOK → 花子」の順番で取り上げていこう。
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