3月15日に、「Windows Vista with Service Pack 1」(Windows Vista SP1)が解禁となり、SP1対応のWindows Vista各バージョンや、DSP版の限定パッケージ「Windows Vista Ultimate SP1 Σ」が一斉に発売された。当日は、Vistaマニア事務局主催のイベントも開かれ、週末のアキバは大いに盛り上がった。
Windows Vista SP1は、これまでに公開されたバグフィックスや修正パッチを含むほか、Dircet X 10.1への対応や、BitLocker機能の拡張も行われている。また、何もアップデートが施されていないWindows Vistaに比べて、ファイルコピーが高速化されている点も特徴だ。
Vista SP1はその登場前から「動きが遅いVistaがサクサクになる」といった評判が流れており、待ち望む声も多かった。解禁以降の売れ行きも好調のようで、クレバリー1号店は「これまで“SP1待ち”の人が多かったので、ストッパーが外れて一気に売れるようになった感じですね」と語っている。
ただし、6月末までに登場すると言われるWindows XP SP3を待つユーザーも多いらしく、SP1によってWindows Vistaへ一気に移行すると考える店員さんは少ない。あるショップのスタッフは「確かにSP1以降のほうがVistaがよく売れていますが、XPから乗り換えるというニーズは少ないでしょう。新しいマシンを組む人が購入するといった印象ですね」とコメントした。
なお、Windows Vista SP1は3月19日から一般公開されている。4月中旬には、自動更新がなされる予定だ。
前述の「新しいマシンを組む」というニーズを3月初旬から支えているのが、「AMD 780」マザーだ。AMDが正式発表した3月5日以前から出回っており、1万円台前半という安さもあって、好調に売れている。特に上位のAMD 780Gチップセットを搭載したモデルが人気を集めた。
AMD 780Gは、最新の動画再生支援機能「UVD」を採用したグラフィックスコア内蔵のチップセット。RADEON HD 3400シリーズのグラフィックスカードと組み合わせて描画機能を向上させる「Hybrid Graphics」をサポートしている。
これまで、Phenomの人気が低迷し、AMD系パーツの売れ行きはかんばしくないとするショップが多かったが、AMD 780マザーが登場してからは「最上位層はまだインテルですが、安く自作したいという層の半数以上がAMD系プラットフォームを選んでいる印象ですね」(パソコンショップ・アーク)と言われるまでに回復した。
ツートップ秋葉原本店も、「安いうえにオンボードグラフィックスとしては最高クラスの性能を備えているので、ブレイクは必然でしょう。これでPhenomが売れれば申し分ないのですが……」と評価している。
そのPhenomも、3月31日に「Phenom X4 9850 Black Edition/9750」の2モデルが登場した。T-ZONE.PC DIY SHOPの価格は、上位モデルから2万9190円、2万6754円。2モデルとも初期Phenomで指摘されていたエラッタの問題を解消しており、製造プロセス65ナノメートルとなっている。3月下旬から、問い合わせを受けているというショップがいくつかあった。
ある店員さんは「クアッドコアとしては安いので、これでブレイクしてくれれば面白いですね。トリプルコアを含めて、ほかのラインアップがどれだけ早くそろうかにかかっているでしょう」と話していた。
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