対するインテルは、一足早く新型のクアッドコアCPUを投入した。3月24日から「Core 2 Quad Q9550/Q9450/Q9300」の発売が始まっているが、加熱する人気に応えられるだけの入荷はできておらず、4月に入っても入手困難な状況が続いている。
新型のCore 2 Quadは製造プロセス45ナノメートルとなり、L2キャッシュが従来モデルから増量されているのが特徴だ。上位2モデルのQ9550/Q9450は6Mバイト×2を搭載し、Q9300は3Mバイト×2。価格は上位モデルから順に、7万円弱、4万円台前半、3万5000円前後だ。
全モデルが品薄だが、特に人気を集めているのはコストパフォーマンスに優れたQ9450。同等のスペックを持つXeon X3350も、対応マザーが限られるものの“代替CPU”として好調に売れており、やはり品薄となっている。
複数のショップによると、購入層は幅広くハイスペック志向のユーザーという。「クアッドコアを使いこなせるゲームはまだほとんどないので、ゲーマーに人気という印象はないですね。デュアルコアのCore 2 Duo E8xxxシリーズが入手困難なこともあって、“待っていたら、さらに高性能なCPUが出た”という感じで購入する人もいました」(某店員さん)という。
なお、ハイエンド志向のゲーマーに注目されるプラットフォーム「Skulltrail」も登場した。3月12日には、まず対応CPU「Core 2 Extreme QX9775」が出回り、3月末には対応マザー等と組み合わせた高級マシンが販売されるようになった。CPUが2個セットで37万円前後といいう製品だけあって、T-ZONEの組み込みマシン「TZ9775X54/R38X4」は標準構成で99万8000円と、非常に高額だった。
500Gバイト以上の大容量HDDの価格は2月頃から徐々に下がり始め、3月中旬には、米ドル暴落による円高の影響もあって、一部のモデルを1台7980円の特価で売り出すショップが複数現れた。一時的なキャンペーン競争と思われたが、その後も通常価格として7980円以下の値が付けられるなど、3月末まで傾向の歯止めはかからなかった。
Windows Vista SP1が登場した3月15日の週末に、T-ZONE.PC DIY SHOPなどで日立製「Deskstar P7K500 HDP725050GLA360」、TSUKUMO eX.でウェスタンデジタル製「WD5000AAKS」の各500GバイトHDDが7980円の特価で販売され、その後、T-ZONE.PC DIY SHOPは同HDDを通常売価7980円で販売しているほか、さらに低価格の特価品を出すショップも現れている。
この低価格化の流れに関して、複数のショップから「円高の影響でドル建ての卸値が相対的に下がっているのが大きい」「決算期に向けて各メーカーが実績を上げるために安く放出しているのではという声も聞きます」など複数の要因が挙がった
しかし、一方で別の見方もあるようだ。安売り競争に参加しなかったある店員さんは「赤字になってでもほかのショップを出し抜こうという、過当競争の側面も見られます。HDDは値下げすると、元に戻しにくい製品なので、できれは無茶な値下げはやめて欲しい。確かに円高の影響もありますが、メモリのように値上がりさせるのは難しいですし……」と険しい表情で語っていた。
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