インテルの次世代最高級プラットフォーム「Skulltrail」で「8コア」の破壊力を知るイマドキのイタモノ(1/3 ページ)

» 2008年02月04日 14時00分 公開
[笠原一輝,ITmedia]

 インテルは「Skulltrail」のコード名で開発を進めてきたデュアルCPUソケット搭載のハイエンドデスクトップPC向けマザーボード「D5400XS」をまもなく発表する。D5400XSには、Xeonなどで利用されているCPUソケット「LGA771」が2基搭載されており、同じ時期に発表される予定の動作クロック3.2GHz、FSB1600MHz対応のクアッドコアCPU「Core2 Extreme QX9775」を2つ搭載することで、システム全体でオクタコア(8コア)が利用できるようになる。さらに、マザーボード上には、NVIDIAのPCI Expressスイッチチップを搭載しており、インテルチップセットを搭載したマザーボードとしては初めてNVIDIA SLIが利用可能となる予定だ。

2つの“LGA771”ソケットと“FB-DIMM”が使える「D5400XS」

評価で用いた“Skulltrail”マザー「D5400XS」

 今回の主役の1人であるD5400XSは、Intel 5400X(開発コード名はSeaburg)チップセットを搭載したE-ATXフォームファクタのマザーボードだ。“E-ATX”は通常のATXに比べてサイズが大きいので、E-ATXに対応したPCケースが別途必要になる。D5400XSはインテルの「デスクトップPC向けマザーボード」としては初めて2つのCPUソケットを搭載する。先ほども紹介したように、その形状はXeon向けに利用されていた「LGA771」だが、基本的には「LGA775」とほぼ同じ仕様と考えてよい。

 D5400XSで利用できるCPUとして、同じ時期にインテルが発表する予定のCore 2 Extreme QX9775が用意される。Core 2 Extreme QX9775は、FSBが1600MHz、動作クロックは3.2GHzとなる見込みで、すでにレビュー記事で紹介したCore 2 Extreme QX9770のデュアルCPUソケット版と考えると分かりやすい。ただし、CPUの消費電力は若干異なっており、シングルソケット向けのCore 2 Extreme QX9770の熱設計消費電力が135ワットであるのに対して、デュアルソケット向けのCore 2 Extreme QX9775は単体で150ワットとなっている。このため、このCPUを使ってシステムを構成するメーカーや自作PCユーザーは、CPUの放熱にCore 2 QX9770以上に注意を払う必要がある。

 なお、Core 2 Extreme QX9775でも、最近のCore2 Extremeと同じように、クロック倍率のロックが解除されており、オーバークロック設定で利用できるようになっている。

 D5400XSのメモリソケットは4つ用意されているが、使えるのはDDR2 SDRAMで、かつ、メモリモジュール上にバッファが載っているFB-DIMMを利用する必要がある。そもそもFB-DIMMは、各チャネルあたりに装着できるメモリモジュール数を増やすために、モジュール上にバッファメモリを搭載しているが、D5400XSではメモリソケットが4つしか用意されていないため、FB-DIMMである必然性は少ないように思える。それでも、FB-DIMMを使っているのは、Intel 5400XチップセットがFB-DIMMだけをサポートしているためだ。このあたりは、もともとサーバとワークステーション用のIntel 5400XをデスクトップPCに転用したことが影響している。

 従来、FB-DIMMは「ものすごく高価」であったが、、最近では2GバイトのDDR2-533が1万円を切る価格で販売されている例もあるなど、価格の問題は徐々に解消されている。また、これまで最高速のFB-DIMMはDDR2-667だったが、インテルはD5400XSにあわせてDDR2-800を搭載したFB-DIMMの開発にも取り組んでおり、評価機材にはMicron TechnologyのDDR2-800のFB-DIMMが用意されていた。

“(DIMM+CPU+GPU)×2”構成で1000ワット超の電源が必須

評価作業中の風景。ツインの強力ファンがうなる!ほえる!

 D5400XSには、4本のPCI Express x16スロットが用意されている。いずれのスロットも16レーンが利用可能で、グラフィックスカードを4枚差した構成で、デュアルGPUやクアッドGPUでの利用が可能になっている。

 ところが、Intel 5400Xチップセットは、標準で最大32レーンのPCI Express構成をサポートするだけなので、その仕様に従えば、PCI Express x16の物理スロットを4本装着した場合、電気的には「8レーン×4スロット」という構成しかなりえない。このため、D5400XSではマザーボード上にNVIDIAの「nForce 100」というPCI Expressスイッチチップを搭載して、1つのPCI Express x16を2つのPCI Express x16に分岐している。D5400XSではnForce 100が2つ搭載されているので、電気的にPCI Express x16のスロットを4本搭載できる。ここで注意しておきたいのがサポートされるPCI Expressの世代だ。Intel 5400XのPCI ExpressはGen2に対応するが、nForce 100はGen1のみの対応であるため、D5400XSに搭載されているPCI Express x16のスロットもすべてGen1対応となる。

 NVIDIAのスイッチチップを搭載したことで、インテルのマザーボードとしては初めて「NVIDIA SLI」に対応したことに、多くのゲームユーザーは注目するだろう。NVIDIAは、これまで同社のチップセットでのみNVIDIA SLIを利用可能にするという方針を貫いてきた。その方針に従うなら、インテルのチップセットを載せているD5400XSでもNVIDIA SLIを利用できないはずだが、nForce 100を搭載しているという事実を根拠に、NVIDIA SLIのサポートをNVIDIAが容認したとのことだ。現時点において、マルチGPU技術は実質的にNVIDIA SLIが市場を独占していることを考えると、インテル製チップセットを搭載したマザーボード(それもインテル純正)でNVIDIA SLIが利用できるようになったことの意味は、ハイエンドゲーマーにとって非常に大きい。

Skulltrail構成でCPU-Zを取得する

 ただし、課題はある。TDP150ワットのCPUを2つ、4枚のFB-DIMMモジュール、さらに4つのハイエンドGPUと、単体でも電力を大食いするデバイスが多数搭載される“Skulltrail”PCは、電源容量的にかなり厳しい条件が課せられる。今回評価した機材でも、CPU向けの電源コネクタにEPS12Vと呼ばれる8ピン(2×4)の追加電源コネクタが2つ用意されている。“読み書きメール”程度の一般的な軽作業なら、通常の電源ユニットが用意している1本の8ピンケーブルでも動作は可能だが、ゲームなどの重負荷処理でも安定して動作させるには2つの8ピン電源コネクタに電力を供給する必要がある。インテルによれば、2つのDIMMと2つのCPU、そして2つのGPUという構成で1000ワットの電源ユニットが必要で、4つのDIMMと2つのCPU、そして4つのGPUという構成では1400ワットが必要になるという。PCパーツショップでそんな電源ユニットを筆者は見たことがない。

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