アプリケーション側でマルチスレッドに対応していればその効果は絶大である。このようなアプリケーションがどんどん増えていけば、Skulltrailのフル構成であるオクタコアのメリットはますます大きくなっていくことも分かる。最近では、仮想化ソフトウェアの普及も進んでおり、8コアCPU+8Gバイトメモリ+64ビットOSという組み合わせで、複数のコアと大容量メモリを仮想マシンに割り当てて仮想化ソフトウェアを軽快に動作させることも楽々と実現できるだろう。
ただ、2つのCore2 Extreme QX9775とIntel D5400XSを組み合わせた導入コストのインパクトも強烈だ。インテルはまだ価格を発表していないが、OEMメーカーの情報によれば、Core2 Extreme QX9775単体の価格は1500ドル近くになるという。マザーボードの価格は不明だが、現状のXeon用マザーボードが500ドル前後であることを考えると、おそらくそのあたりになると考えられる。CPUとマザーボードだけで3500ドル、さらに、まだ安価とはいえないFB-DIMMの価格が入る(8Gバイトで400ドルぐらいか)、1000ワット電源も300〜400ドルが相場だ。グラフィックスカードを含めなくても5000ドル近くになる可能性が高い。これにグラフィクスカードの価格が組み込む枚数分だけ加わる。ハイエンドが4枚なら軽く6000ドル(70万円弱)オーバーということになるだろうか。ただ、最小構成に抑えるならば、4Gバイトのメモリとグラフィックスカード1枚で5000ドル(60万円弱)ぐらいにとどめることができるかもしれない。
もっとも、ユーザーから見たSkulltrailの価値というのは、車でいえば「GT-R」のようなものに相当するではないだろうか。GT-Rの価格を普通の車と比べても意味がないのと同じで、GT-Rに価値を見いだせる人には別に法外ではない。そうした意味で、多くのユーザーにとっては“手の届かないあこがれのプラットフォーム”になるかもしれないが、とにかく何でも最高級を目指すユーザーであれば、導入を検討してみる価値はあるのではないだろうか。
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