「780は敵なし」「HDはAMDが引っ張っていく」――気炎をあげるAMDひさしぶりのマイクパフォーマンス

» 2008年03月17日 12時40分 公開
[古田雄介,ITmedia]

「780は低消費電力で、ゲームもできちゃう。まさに敵なし」

AMDの春一番!「AMD 780 チップセット」お披露目イベント

 カフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店では、土曜日の「Windows Vista Ultimate SP1 Σ発売記念イベント」に続いて、日曜日にAMD主催の『AMDの春一番!「AMD 780 チップセット」お披露目イベント』が開かれた。

 AMD780チップセットとHDソリューション「AMD HD! Experience」を紹介するイベントで、会場内には各メーカーの関連製品をところ狭しと展示。スタートの12時から、多くのユーザーが足を運び、デモ機などを眺める姿が見られた。

 最初のセッションは、日本AMDの“紳士”こと森本竜英氏による、AMD780チップセットの解説。森本氏は青いグラフで示された“競合他社”のチップセットと、さまざまな性能比較を紹介しながら、同社の新チップセットの優位性をアピールした。

 森本氏が「グラフィックスカードよりも新しいバージョンのUDV(HD動画再生支援機能)を搭載し、HD-MPEGもサポートしました。加えて、アイドル時の消費電力は1ワット以下と非常に環境に優しい」と語れば、司会の佐藤氏が「780は低消費電力で、ゲームもできちゃう。まさに敵なしです。他社さんは追いつけないでしょう」と挑発的なコメントで会場を沸かせていく。

青と緑のグラフで、AMD 780(緑)の高いパフォーマンスを紹介する森本氏(写真=左)。AMD 690Gに比べてAMD 780Gは、トランジスタが3倍近くに増えたうえ、アイドル時の消費電力は3分の2程度にまで抑えられた(写真=中央)。競合他社とのチップセット比較で「フルHDやDirect X 10.0に対応しているのはAMD780だけ」と強調(写真=右)

 続いて、ECSやASUSTeK、MSI、CFD販売(Jetway)といった、マザーボードベンダーのセッションが開かれ、国内未発売のAMD780マザーについての紹介が行われた。その中でも、ASUSTeKの岩崎氏は、工場の火事で出荷が遅れていることを明らかにするなど、レア情報で会場をどよめかせた。なお、展示機コーナーにおいてECS(日本エリートグループ)の針谷氏は、同社のAMD 780Gマザーがフライング気味に発売されたことについて「海外から直接流れたみたいで、ウチも予想外でした。そのせいで流通量の調整がうまくいかず、品薄な状況を作ってしまいました」と複雑な心境を語った。

 また、AMD780チップセットとともに、本イベントの目玉とされていたのは、3月12日に発表されたHDソリューション「AMD HD! Experience」だ。AMD 780Gに搭載された最新UDVにより、XactiのフルHD映像を満足に再生できる環境が整えられたとして、森本氏もその高いパフォーマンスを猛プッシュ。会場外部には、Xactiのほか、最新UDVに対応したサイバーリンク「Power DVD Ultra」やNeroの「Nero 8」などの動画再生ソフトも展示されており、こちらも人だかりができていた。

MSIのAMD 780Gマザー「K9A2GM-FIM」は3月下旬に登場する見込みという(写真=左)。ASUSTeKのAMD 780Gマザー「M3A-H/HDMI」(写真=中央)。会場内で異彩を放っていた「OLPC」。AMDのGeode GXを搭載したノートPCだが、国内での販売予定はない。“兄貴”が「いつかアキバに持ってくる」という約束を果たすために持ち込んだらしい

Xactiの展示ブース。デモ用の1台が常時HD画質での撮影映像をディスプレイに映し出していた(写真=左)。手前がサイバーリンクの「Power DVD Ultra」、奧がNero「Nero 8」(写真=中央)。セッションの空き時間も、各メーカーのデモ機に見入る自作ユーザーが多く、会場内はにぎやかだった(写真=右)

「Phenomなら、さらに10%くらい画質が良くなります」

 その「AMD HD! Experience」の説明するセッションが最後に用意され、フルHD映像を表示中のCPU負荷が、UDV搭載機と非搭載機でどれほど変わるかを示すデモが実施された。

 森本氏とともに“兄貴”こと土居憲太郎氏も壇上に立った。デモでは、AMD 780GとPhenom 9600を組み合わせたマシンのCPU負荷が2%前後で推移していたのに対し、AMD 690GとAthlon X2 4200+(1.8GHzにダウンクロック)を搭載したマシンでは70〜80%になるなど、新型UDVの圧倒的な差を見せつけている。

 土居氏は「CPUにPhenomを使うことで、さらに10%くらい画質が良くなります。Athlon X2からアーキテクチャ自体が変わっているので、コアの数だけでない差が出ます」と語った。

 なお、AMD 780チップセットのグラフィックス性能は、外付けGPUと組み合わせる「Hybrid Graphics」により、約1.7倍ほどに強化できる。この機能について、来場者からは対応GPUについて質問が飛び、森本氏は「いままで正式に言っていない気がしますが、RADEON HD 2400 Pro/2400 XT/3470/3450です。それ以上のGPUは性能が高すぎて、チップセットのグラフィックス機能と釣り合わなくなってしまいます」と明言している。

最後のセッションで壇上に立った“兄貴”。会場には昼から姿を見せていた(写真=左)。フルHD映像の表示デモ。大きい画面がAMD 780GとPhenom 9600を組み合わせたマシンのもの(写真=中央)。RADEON HD 3870 X2を2枚使った「CrossFire X」マシンでの1920×1200ドットの3DCG描画デモも行った(写真=右)

 同セッションでは、AMDの大型イベントではおなじみとなっている、土居氏による最新CPUロードマップ紹介も行われた。まもなく登場するPhenomとして低消費電力版の9000eシリーズを挙げ、「これまで、AMD製CPUのTDPは5カ月ごとに下がるという法則ができています。それによると、4月には登場するかもしれません」とコメント。トリプルコアのPhenom 8000シリーズもまもなく登場するという。

 また、45ナノプロセスで製造される“Socket AM3”版Phenomも現在動いていると語り、サプライズとしてそのサンプルシリコンをステージ奥から取り出して披露し、来場者を驚かせた。

最新のロードマップ。ゴールデンウィーク前には、新型Phenomが買えるようになるかもしれない(写真=左)。45ナノプロセスのサンプルシリコン(写真=中央)。最前列の来場者に見せびらかす“兄貴”(写真=右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月19日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー