製品スペックが見えてきた「MID」──Showcase「Mobile Internet Device Community」:Intel Developer Forum 上海 2008(1/2 ページ)

» 2008年04月04日 01時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 意外なことに(と思っているのは筆者だけだろうか)NettopとNetbookにフォーカスがあてられたIDF上海2008だが、MIDの専用展示ブースもShowcase会場から離れたところに狭いながらも用意されている。2008年1月のCESと比べてその露出は「2、3歩後退」のように思えるが、Intelのスタッフによると「いや、CESは消費者向けのメッセージだから製品ベースの展示が必要だったが、IDFは開発者向けのカンファレンスだから、ソフトウェアソリューションや、開発ツールの展示という方向性で正しいのだ」ということで、MIDも着々と準備が進められているそうだ。

 MIDに関しては、日本のAtom発表会はだいぶ力が入っていたようだが、依然として製品スペックの詳細は明らかにされていない。この事情はIDF上海でもそれほど変わらないが、いくつかのベンダーは資料でスペックを紹介していた。ここでは、その数少ない例を中心に、第1世代MIDを紹介する。

日本の“携帯電話関係者”も興味を示すBenQのMID

 BenQのMIDは、重さ300グラム、バッテリー駆動時間は無線ネットワーク接続状態で約4時間、音楽データの連続再生で約12時間というデータを明らかにしている。今回展示してたサンプルマシンにはストレージデバイスとしてSSDを4Gバイト実装しているが、これはモジュールではなくオンボードで実装しているそうだ。

 BenQのMIDはカラーバリエーションも含めて、いくつかのラインアップが用意される予定だが、その中にはWiFi(IEEE 802.11 g/bのサポートで“n”には対応しない)、Bluetooth、3G、WiMAX(これは出荷する国によって対応が異なる。WiMAXの試験運用が行われている韓国向けモデルでは実装するそうだ)、そして、GPSなど、内蔵するインタフェースは多岐に渡るが、これらのコントロールチップはすべて基板に直付される。

 なお、展示サンプルの側面には、やや大きめのスリットが設けられており、そこから、フィン状のヒートシンクが確認された。冷却機構について確認したところ、MIDを手に持っても熱くないように、サンプルではクーラーファンを内蔵して本体を冷やしているそうだ(確かにCESで展示されていたMIDの実働サンプルは、どれも長い時間持つのがつらいぐらいに熱かった)。ただ、出荷までにファンレスを実現すると開発スタッフは話している。

 出荷は2008年の夏の見込みで、日本向けのモデルについても、現在、“携帯電話関係者”も含めて複数の企業とコンタクトを取っていることを明らかにしている。価格は、すべての機能を取り入れたハイエンドクラスで800ドル程度ということだ。

BenQがIDF上海で展示していたMIDはGPSモジュール搭載モデルやカラーバリエーションモデルなど、そのラインアップは多岐に渡る

ExpressCardの拡張性が際立つUSIのMID

 台湾のUniversal Scinetific Industrial(USI)のMID「MID-150」は、IDF上海初日に行われたプレスカンファレンスで、アナンド・チャンドラシーカ氏が特に気に入っていたモデルだ。最初は、そのシンプルなスタイルを喜んでいたのかと思ったが、USIのブースで展示サンプルをチェックしてみると、それだけではないことに気がつく。

 BenQのMIDは、内部にすべての機能を実装することで多彩な機能を実現しているが、USIのMIDは、筐体に設けたExpressCardスロットに、ExpressCard/34を差すことで多種多様な機能を実現するのが特徴だ。展示では3Gモジュールカードを用意していたが、このほかにも、データストレージ、デジタルTVチューナー、GPSなどを予定している。

 USIは、MID-150のスペック表を明らかにしており、それによると、サイズは165×94×20ミリ。重さは300グラム。CPUはAtom(Silverthorne)/1.2GHz以上(ただし、今回発表されたAtom Z5xxラインアップには1.2GHzモデルはない。1.1GHzのZ510以上ということだろうか)、DDR2のメモリを512Mバイト(最大1Gバイトまで搭載可能)搭載する。ストレージはSSDで容量は2、4、8Gバイトから選ぶことになる。ワイヤレスLANはIEEE 802.11 b/gに対応、無線接続はBluetooth 2.0をサポートする。液晶ディスプレイのサイズは4.8インチで解像度は800×480ドット。バッテリー駆動時間は4時間。OSはLinuxが導入される。

 MID-150はキーボードを持たないタイプだが、USIはキーボードを搭載した「MID-200」も開発を進めている。展示されていたのはデットモックで、スペックも明らかにされていなかったが、機能はMID-150とほぼ同等で、ExpressCardスロットも用意される。重さは350グラムを目指しているという。ともに、2008年の第2四半期に出荷する予定で、MID-150の実売価格は500ドルを想定しているとのことだ。

詳細なスペックシートを用意していたUSIのMIDは、ExpressCardスロットを本体に用意して機能を後から拡張できるのが特徴だ。展示サンプルには3G対応のWANカードが組み込まれていた

USIはキーボードを搭載したスライドタイプのMID-200も用意する予定だ。こちらもExpressCardスロットで機能を拡張できる。なお、このスロットがある筐体右側の内部はExpresscardのためにスペースが空けられている

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