開発者カンファレンスということで、MID向けソフトウェアや周辺機器、MIDを使ったシステム構築などで必要になる開発用システムも紹介されていた。
日本から参加しているソフィアシステムズもMID開発プラットフォームを展示していた企業の1つだ。同社の開発キットは正面から見るとユニークなデザインのMID(まるでOLPCのMID版)に見えるが、背面には開発者がMIDと組み合わせたいデバイスモジュールを複数実装できる拡張ボックスを備えている。MIDと拡張ボックスはUSBで接続されるが、将来登場する規格にも対応できるらしい。
ソフィアシステムズはインテルと協力してXscale関連システム向けの開発プラットフォームも供給していた実績を持つ。PDAやスマートフォンが主なターゲットだったXscaleを扱っていただけに、携帯電話メーカーやスマートフォンメーカーからもMID開発プラットフォームの引き合いが多いという。説明していたスタッフは、3Gなどに対応する携帯電話やWiMAX対応のデバイスとしてのMIDを考えた場合、本格的な立ち上がりは2〜3年ほどかかるのではないかという考えを示している。
インターネットにアクセスする超小型PCとしてなら、2008年の第2四半期から後半にかけてすぐに立ち上げられるMIDだが、x86フル互換の高機能スマートフォンとしてのMIDを考えた場合、本格的な立ち上がりには事業者のインフラ整備にかかる2〜3年という期間が必要になる可能性は高い。
インテルが、MIDのあるべき姿をどちらに捉えているのか、そして、ユーザーの需要がどちらのMIDにあるのか。それによって、MIDの普及速度は多く変わることになるだろう。

ソフィアシステムズが展示していたMID開発用のプラットフォーム。拡張ボックス側に開発者が利用したいインタフェースを複数実装できる。評価サンプルでは、ワンセグチューナーやイーサネット、アナログRGBなどが用意されていた
ShowcaseではMIDに実装される周辺技術の展示も行われていた。こちらは、SAMSUNG ELECTRO-MECHANICSが展示していた3in1通信モジュール(WiFi、Bluetooth、GPS)と、それを使った「GPSでカーナビ、WiFiでムービー転送、転送されたムービーの音声をBluetoothで飛ばす」の同時処理デモ。WiFiはクライアントのリクエストに合わせてWiMAXや3Gなどに変更可能とスタッフは説明している
中国のREDFLAGは、LinuxベースのMID向けOpenOffice「Red Office」を展示し、Excelで作ったスプレッドシートやPowerPointで作成したプレゼンテーションファイルの表示や編集を行うデモをLenovoのMIDで行っていた
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