PCI Express拡張規格「Geneseo」最新情報クイックレビューIntel Developers Forum 北京

» 2007年04月23日 11時30分 公開
[富永ジュン,ITmedia]
米Intelフェローのアジェイ・バット氏

 PCI Expressの拡張規格「Geneseo」(開発コード名)はIntelがIBMと共同で開発したアクセラレータ向け次世代技術だ。2006年9月に開催されたIDF Fall 2006で初めてその構想と多数の賛同企業名が公にされたものの、具体的な仕様についてはこれまで一切触れられていなかった。

 Geneseoは、素早い体の動きと連動させたゲームや流体シミュレーション、テキストマイニングといった膨大なデータ処理を要求する“目的特化型アプリケーション”というPCの利用形態を想定して開発が進められている。汎用のマルチコアCPUだけではパフォーマンスが得られにくいこれらの特定用途に対してGeneseoに対応したハードウェアアクセラレータを追加することで、より優れた電力効率とコストパフォーマンスを併せ持ったシステムを実現するのが狙いだ。初期のターゲットとしては、(1)経済/科学などの数値演算中心の処理、(2)リアルタイム処理を求められるマルチメディア関連、(3)データマイニングに暗号化、XMLなどのエンベッデッドコンテンツ処理の3分野が想定されている。

 Geneseoの利点として、(ア)ソフトウェアオーバーヘッドの減少、(イ)OSサポートの簡素化と拡張、(ウ)低レイテンシかつ広帯域の実現、といった3点が期待されている。ただ、モバイル・デスクトップ・サーバといった複数のプラットフォームに対するサポートや現行のPCIアーキテクチャとの互換性、費用対効果、安定性と拡張性の確保などを、Geneseoの課題としてバット氏は挙げている。

 Geneseoでは、ハードウェアの改良に加えてカーネルモードで動作していたデバイスドライバとデバイス間の制御をユーザーモードに移行し、さらに、OS、またはアプリケーションからの制御も可能とするプログラミングモデルが示された。ただし、既存のPCI Expressインフラストラクチャに基づいているため、従来のデバイスドライバモデルを利用したアプリケーションとの互換性も保たれているのがポイントだ。

特定目的に強いハードウェアアクセラレータの性能を引き出すためにより帯域幅の広いGeneseoが構想された
デバイスの制御をカーネルモードとユーザーモードの両方で可能にすることにより、既存アプリケーションとの互換性を保ちながらも、より柔軟なデバイス制御が実現する

 具体的な開発計画では、2007年末までに規格のドラフトを策定し、2008年前半には規格を正式に確定させ、2009年から2010年にかけて製品が登場するとしている。PCI ExpressからGeneseoへの切り替えは、現行の2.5GT/秒の第1世代PCI Expressから間もなく登場予定の5GT/秒の第2世代PCI Expressに移行し、2009〜2010年には第2世代PCI Expressから帯域を倍増させたGeneseoへと段階的に行われる予定だ。

PCI ExpressからGeneseoへの移行は2009年から2010年を予定されている。帯域幅も現在の第1世代PCI Expressの約4倍以上になる

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