「ボロ勝ち、嫌い!」――GeForce GTX 280大幅値下げでショップ涙目古田雄介のアキバPickUp!(1/4 ページ)

» 2008年07月20日 15時00分 公開
[古田雄介&ITmedia アキバ取材班,ITmedia]

GeForce GTX 260/280のテコ入れに、ショップレベルの“赤字覚悟”が連発中

TSUKUMO eX.で販売中の、GALAXY「GF PGTX280/1GD3」

 7月18日、TSUKUMO eX.はGeForce GTX 280を搭載するグラフィックスカード「GF PGTX280/1GD3」を限定特価の4万9980円で販売していた。また、フェイス パーツ館とツートップ秋葉原本店も、土曜日から同カードを4万9999円で販売する。こうした特価の動きは、主にショップ単位で行われているという。いわゆる「赤字覚悟の放出」というやつだ。

 GeForce GTX 280搭載カードは、多くのベンダーから6月末に8万円台で登場した。当初は「GeForce 8800GTX以来の本格ハイエンドカード」と評価され、各ショップでヒットを記録。しかし、その流れはわずかに遅れて登場した「RADEON HD 4870」によって逆側に向かった。4万円前後で高性能なRADEON HD 4870カードを2枚買いするユーザーが増え、主役を奪われた格好だ。

 クレバリー1号店は「今のハイエンドGPUはRADEON HD 4870が圧倒していますね。形勢が一気に逆転した印象です」と語る。その対応策として、GeForce GTX 280は徐々に値を下げ、現在は6万円前後で買えるモデルも出てきている。そして、今回の限定特価で一気に底値が下がったわけだ。

 1つ下のラインも同様の動きが起きている。GeForce GTX 260カードは5万〜6万円強で登場したが、現在は4万円以下の価格はザラにある。土曜日には、フェイス パーツ館とツートップ秋葉原本店が「GF PGTX260/896D3」を2万9999円で限定台特価を行う。その裏には、2万円台で販売されるRADEON HD 4850カードの好調ぶりがある。

 NVIDIAはGeForce 9600シリーズの価格改定を行ったが、取材時の段階でGeForce 280/260に関して価格を更新したという情報はない。このため、ショップレベルで値下げを行っている可能性が高い。パソコンショップ・アークは「NVIDIAが値下げに動くのは確実だと思いますが、仕切り値が切り替わるのはもうしばらく後のはずです。なのに、一部のショップが海外の動向をチェックして、赤字で大幅値下げを行いました。そうなると、我々も追随するしかない。結構つらいものがありますよ」と話していた。実際、今回の値下げに関して、メーカーや代理店の保証金が下りたと答えたショップは、ごくわずかだった。

 しかし、現状ではまだRADEON HD 4870/4750のほうが好調に売れているとのこと。某ショップは「ライバル企業が競い合うのはよいことですが、どちらかがボロ勝ちすると、負け組の製品を赤字で放出しないといけないんです。本当、僅差で競い合ってほしいですよ。なんかいつも勝敗が極端なんです」と嘆いていた。なお、TSUKUMO eX.はバルク品のRADEON HD 4870カードを限定特価3万2980円で販売している。価格勝負でも優位に立ち続けるRADEON HD 4800シリーズに死角はないように思える。

T-ZONE.PC DIY SHOPのGeForce GTX 280/260価格表。各所に値下げ札が張られている(写真=左)。パソコンショップ・アークはショップ独自にGeForce GTX 280カードの値下げを実施。6万5000円前後とした(写真=中央)。TSUKUMO eX.が限定特価で販売しているRADEON HD 4870カードのバルク品(写真=右)

 ちなみに、GeForce、RADEONともに、デュアルGPUを搭載するカードがまもなく登場するというウワサが流れている。複数の意見を総合したところ、8月中旬に出そろう可能性が高いようだ。あるベテラン店員さんは「形勢逆転には“大将戦”を待つしかないでしょうね。実際、デュアルGPUカードを待って、GeForce GTX 280を買い控えている人もいるみたいですから」と話していた。

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