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黒くソリッドなもう1つのソニー主力ノート「VAIO type BZ」を試すVAIO直販限定モデルの新顔(2/3 ページ)

» 2008年08月12日 10時30分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

視認性の高い液晶ディスプレイと快適な入力環境

15.4型ワイド液晶ディスプレイは2種類から選べる

 液晶ディスプレイは、LEDバックライトを採用した光沢仕様の「クリアブラックLE液晶」と、非光沢仕様の「ノーマル液晶」の2種類が用意される。いずれもサイズは15.4型ワイドだが、画面の解像度は後者が1280×800ドットに対して、前者は1440×900ドットと広い。また、前者を選んだ場合は有効131万画素のWebカメラが標準装備(ノーマル液晶の場合は選択式)となり、全体の重量も約100グラム軽い約2.6キロになる。

 今回試したのはクリアブラックLE液晶を採用したモデルであったが、ビジネスユースを意識した落ち着きのある上品な発色で左右の視野角も広く、好感が持てた。動画/静止画を自然な色に見せる補正機能も搭載している(オフにすることも可能)。ただし、クリアブラックLE液晶は光沢仕様なので画面に背景が映り込みやすい。これが気になる場合は高解像度と引き替えに、非光沢のノーマル液晶を選ぶのも手だ。

 キーボードは周辺のベゼルを一段堀り込んでおり、type T(TZ)をはじめ、昨今のVAIOノートによく見られるデザインだ。ただし、type T(TZ)やVAIOノートの新モデルがこぞって採用している、キーとキーの間にスペースを設けた「アイソレーションキーボード」ではなく、ノーマルなフルサイズキーボードを装備する。type BZはビジネス市場向けということで、多くのユーザーが使い慣れた形のキーボードをあえて継承したという。

VAIOノートの新モデルとしては珍しく、スタンダードな形状のキーボードを採用している

 キーピッチは19ミリ、キーストロークは2.5ミリを確保している。キーの配列は理想的で、タッチ感も良好だ。強くタイプした場合にごくわずかなたわみは感じるが、よほど強くタイプしない限り気付かない程度で、作りはしっかりしている。なお、キーボードユニットは縁を折り返して防滴シートを張った「ウォーターレジスト構造」を採用。キーボードに水をこぼしても30CCまでの水をプールし、内部まで到達しにくいような設計となっている。

 ポインティングデバイスは、2ボタン式のインテリジェントタッチパッドだ。多機能ドライバを導入しており、エッジを利用したスクロールなどに対応する。タッチパッドの使い勝手自体に不満はないものの、type BXで導入していたスティック型のポインティングデバイスが省かれた点は評価が分かれるところだろう。

キーボードの左奥にはワンタッチボタンとミュートボタンを用意

 左パームレストにはFeliCaポートがあり、Suicaやおサイフケータイなどのチャージ、履歴確認などに利用できる。キーボードの左奥にはワンタッチボタン(S1ボタン)とミュートボタン、無線機能のスイッチがある。ワンタッチボタンの設定はコントロールパネルなどからアクセスできる「VAIOの設定」でカスタマイズする仕組みだ。

 セキュリティに関する機能も充実している。パスワードは、パワーオン、HDD、Windowsログインと3重に設定が可能。HDD内のデータをハードウェアキーで保護するTPMセキュリティチップも搭載しており、万が一、HDDのみが盗難にあっても内部の情報を盗まれないようになっている。左側面にはケンジントンロック接続用のホールも装備する。

 さらに、新機能としてBIOSメニューには各デバイスへの細かいアクセス制限機能を用意し、USBデバイスへのデータ書き込み/USBデバイスからのデータ書き込みを禁止する「USBアクセス制限ユーティリティ」も新たに装備した。また、キーボード右奥には指紋認証用センサを装備。煩雑なパスワード入力も本人であればワンタッチで解除することができる。

「VAIOの設定」では、VAIOに関するさまざまな設定を一括して設定できて便利だ。ワンタッチボタンのカスタマイズ(写真=左)のほか、HDD保護の設定(写真=中央)やUSBアクセス制限の設定(写真=右)などもここから行なえる。ワンタッチボタンはデフォルトで「プレゼンテーション設定」に割り当てられているが、さまざまな機能を選択可能だ。外部ディスプレイに表示されている内容を内蔵ディスプレイでPinPのように小さなウィンドウで確認しつつ、外部ディスプレイに映らない領域で資料を参照するなどの作業が効率的に行えるユーティリティ「VAIOプレゼンテーションサポート」も選べる

充実の基本スペックによりパフォーマンスは良好

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 ここからはベンチマークテストの結果を見てみよう。今回入手した機体は、Core 2 Duo T9400(2.53GHz)、メモリ4Gバイト、HDD 250Gバイト(5400rpm)と比較的ハイスペックだ。まずWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアだが、プロセッサ、メモリ、プライマリハードディスクの値は非常に優秀。グラフィックスもチップセット内蔵としてはなかなかのスコアだ。

 2.53GHzという高クロックのCPUを搭載していることからテスト結果は良好で、PCMark05 1.2.0のCPUでは6000を超える高いスコアをマークした。総合スコアの4982という数値もノートPCとしてはかなり優秀。GM45チップセット内蔵グラフィックスに関しては、GM965チップセット搭載のノートPCよりも若干高速な程度のスコアとなった。対応システムバスと対応メモリが高速化し、グラフィックスメモリとして使うメインメモリへのアクセスが向上しているぶん高速化されている印象だ。

 DirectX 9.0c対応ベンチマークテストである3DMark06 1.1.0のスコアは、GM965チップセット搭載PCに比べてかなりよくなっている。CPU高速化の影響もあるが、純粋なゲームシーンでも5〜7割の性能向上が見られる。もっとも、いずれにしても本格的な3Dゲームタイトルのプレイは厳しいことには変わりない。

 DirectX 8.1対応のゲームがベースとなっているFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアはGM965チップセット搭載ノートPCとあまり変わらず、実用的にプレイできるレベルにはあるという程度だ。ビジネス向けPCとしては優秀な性能を持つといえる。

左からPCMark05、3DMark06、FFベンチのスコア。ちなみにPCMark VantageのPCMark Suitesスコアは3041だった

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