安くて“カッコイイ”ほうの新型Eee PCキラー「Aspire one」発売直前レビュー8月23日発売(2/3 ページ)

» 2008年08月21日 12時25分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

価格を超えたデザインと質感

 冒頭で触れたとおり、本機はNetbookの中でも低価格な部類に入るが、そのデザインはかなりこだわったものになっている。シーシェルホワイトとサファイアブルーと呼ばれる2つのカラーバリエーションが用意され、トップカバーには光沢処理が施されている。パームレスト、キーボードフレーム部がトップカバーにあわせたカラーリングとなり(シーシェルホワイトではボトムケースも)、フラットパッドやマウスボタンまでカラーリングを統一している。

 また、曲面を多用したフォルムもデザイン上の特徴だ。トップカバーはもちろんのこと、キーボード上部のフレーム部分も微妙に曲面処置されており、電源スイッチ周囲は丸くくぼんでいるといった凝りようだ。本機では成型と転写を同時に行う日本写真印刷株式会社の「NISSHA IMD」という技術が利用されており、トップカバーのなめらかな曲面と光沢感、まったく段差を感じない「acer」ロゴなどはこの技術によるものと思われる。

 ディスプレイフレームは光沢処理された黒で、ディスプレイを開いた状態でのデザイン上の良いコントラストになっている。プラスチッキーな印象が抜けないわけではないないが、全体としてデザインと質感は価格を感じさせない仕上がりだ。ヒンジ部両端のオレンジのアクセントは好き嫌いがありそうだが、デザイン的に我慢できないというほど目立つわけでもない。

つややかな天面と曲線基調のボディが特徴。低価格PCながら細部のデザインにも配慮が見られる

輝度が高いLEDバックライト採用の光沢ディスプレイ

液晶ディスプレイ

 ディスプレイは8.9型ワイド(1024×600ドット)液晶で、サイズ、解像度ともにボディが一回り小さいEeePC 901-Xとまったく同じだ。つまり、ボディサイズに対してディスプレイがやや小さめとも言えるのだが、フレーム部のデザインもあってアンバランスさは特に感じない。ドットピッチとのバランスを考えると解像度はこれ以上欲張れないだろう。

 LEDバックライトを採用しており、輝度はかなり高い。バックライトの明るさは10段階に調整できるが、室内であれば最も暗い設定でも実用レベルだ。視野角は左右は十分だが上下は狭い。もっとも、本機のディスプレイを正面から見る以外の使い道はあまり思いつかないし、競合製品でも視野角に関してはおおむね似たような状況だ。

 実際に見た印象では、光沢パネルということで発色は悪くないし、動画を再生しても特に残像も気にならなかった。光沢パネルの好き嫌いはあると思うが、低価格Netbookという視点で見れば十分に満足のいく品質だ。

気になるフラットパッドの使い勝手

 使い勝手に目をやると、発表会では英語仕様だったキーボードは、もちろん日本語仕様に変更されている。主要キーで横17ミリピッチを確保し、左右とも幅広のSHIFTキー、日本語キーボードでは標準的な縦長形状のENTERキー、さらに半角/全角キー、「¥」キーもスタンダードな位置に配置されるなど、仕様変更はしっかりツボを押えたもの。カーソルキーは小ぶりな代わりに最前列より手前に引き出して配置する事で、右シフトキーへの干渉をなくして左右キーの上にページアップ/ダウンキーを配置する事を可能にしている。

 日本語化にともなうキー数増加のトレードオフとして右端の記号キーの一部が変則ピッチになっているが、結果としてのキーボードのできは悪くない。キーボード全体の剛性もしっかりと確保されており、ちょっと硬質ながらキータッチもしっかりしている。普段フルピッチ(19ミリ)キーボードを使っていると多少慣れは必要だろうが、少なくともEee PCのそれと比較すれば違和感は格段に少ないだろう。あえて気になる点を挙げるとすれば、右のALTキーがないことだ。

キーボードでの音量調整や無線LANのオン/オフ時などには画面下部にガイダンス表示が行われる

 独立したワンタッチボタンはなく、輝度調整やボリューム、サスペンド機能などはFnキーを併用するタイプ。システムのプロパティや電源のプロパティもワンタッチで呼び出せる。本機は独自の電源管理機能などは備えず、パフォーマンスとバッテリー動作時間をうまくバランスさせるには電源設定を活用する必要があるので、それなりに有用な機能だ。もっとも、Wind NwtBook U100の「Turbo Battery」のような機能を備えてそのオン/オフをワンタッチでできるほうが便利とも感じる。無線LANは右最前部に専用のスライドスイッチがインジケータつきで用意され、オン/オフを簡単に行えると同時に動作状態も把握しやすい。

 ポインティングデバイスはフラットパッドでディスプレイにあわせたワイドタイプだが、サイズは初代Eee PCとほぼ同じ。奥行きを抑えたシワ寄せが反映されているといえなくもない。マウスボタンはHP2133と同様、フラットパッドの左右に配置され、さらにスイッチがかなり固めだ。片手でのドラッグ操作などはとてもつらいと感じた。基本的に両手での操作が必要と割り切ったほうがいいだろう。幸い、Synaptics製の多機能ドライバがプリインストールされているので、ドラッグ操作などはパッドのタップ機能を活用するのが正解といえるだろう。

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