Aspire oneはPCの世界市場シェア3位(2007年)のエイサーが投入するAtom搭載ミニノート、最近のジャンル分けで言うならNetbookだ。国内で正規販売されている低価格Netbookとして、Eee PC 901-XやHP 2133 Mini-Note PC、Wind NetBook U100などが知られているが、このAspire oneは、WindowsXP Homeをプリインストールして5万4800円という、初代Eee PCに次ぐ低価格を実現している点でも注目が集まる。
スペックはAtom搭載のNetbookとしては典型的な仕様と言えるものだ。CPUにIntel Atom N270(1.6GHz)、チップセットにIntel 945GSE+ICH7Mの組み合わせを採用しており、メモリは標準で1Gバイト、HDDは120GBバイトを搭載。液晶ディスプレイはEee PC 901-Xと同じ8.9型ワイド(1024×600ドット)で、光沢タイプのパネルを採用している。バッテリーは3セルタイプが付属する。
メモリはオンボードに512Mバイト、SO-DIMMスロットに512Mバイトのメモリモジュールの構成で出荷されるが、現時点で公式にはメモリの増設(交換)はサポートしない。また増設サービスなどのアナウンスもされていない。OSがWindowsXP Homeであることを考慮すれば1Gバイトでも十分とはいえるが、最近のDDR2メモリの価格を考えると、SO-DIMMの交換でよいのでメモリを1.5Gバイトにしたいと思う人は多そうだ。
ネットワーク機能としては100Mbps対応の有線LAN、802.11b/g対応の無線LANを備える。ディスプレイ上部にはNetbookではお約束ともいえる30万画素のWebカメラも備える。拡張インタフェースはUSBを左右に分散して3つ備えているが、PC/CFカードスロットがない点は競合製品と同じだ。
おもしろいのはメモリカードリーダーで、右側面にSD専用、左側面にSD/MS/xD兼用スロットの2つを備えている。このメモリカードリーダーはデバイスマネージャーで確認するとコントローラがPCI-Express接続のJMicron JMB38x(仕様から判断するとおそらくJMB382)になっており、読み書き速度が高速なのも特徴だ。またSD専用はSDメモリーカードがすっぽり収まるのでSDメモリーカードを挿しっぱなしでの持ち運びも問題ない。ただし、Eee PCのようにBIOSで認識されるタイプではないので、Windowsでスワップファイルを割り当てたり、SDメモリーカードからOSを起動するといったことはできない。
本体サイズは、直接競合しそうなEeePC 901-XとWind NetBook U100のちょうど中間というあたりがおもしろい。本体幅が中間で奥行きは最も短く、フットプリントで見ると901-Xに近い。はたして狙ったのどうかは定かでないが、サイズを見れば901-XとU100のあいだをちょうどカバーすることになり、HDD内蔵の低価格Netbookとしては最もコンパクトだ。
低価格ミニPCの簡易比較 | |||||||
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製品名 | ディスプレサイズ | キーピッチ(幅) | 重量 | 幅 | 奥行き | 厚み/最小 | 厚み/最大 |
Aspire one | 8.9インチ | 17ミリ | 1.1キロ | 249ミリ | 170ミリ | 29ミリ | 29ミリ |
Eee PC 901-X | 8.9インチ | 16ミリ | 1.1キロ | 225ミリ | 175.5ミリ | 22.7ミリ | 39ミリ |
Wind NetBook U100 | 10.0インチ | 17.5ミリ | 1キロ | 260ミリ | 180ミリ | 19ミリ | 31.5ミリ |
パッケージに含まれるのはACアダプタと簡易マニュアル、ソフトケースだ。ACアダプタは十分コンパクトだがACケーブルが太く、携帯性を損ねているのはWind NetoBook U100と同じ。コネクタは3ピンのミッキータイプな点にも注意したい。付属のソフトケースは薄く保護能力はほとんど期待できないが、かさばらないのでキズ防止のためにはかえってありがたい。リカバリCDは付属せず、プリインストールのWindows XP Home EditionはHDDリカバリのみになる。
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