安くて“カッコイイ”ほうの新型Eee PCキラー「Aspire one」発売直前レビュー8月23日発売(1/3 ページ)

» 2008年08月21日 12時25分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 Aspire oneはPCの世界市場シェア3位(2007年)のエイサーが投入するAtom搭載ミニノート、最近のジャンル分けで言うならNetbookだ。国内で正規販売されている低価格Netbookとして、Eee PC 901-XHP 2133 Mini-Note PCWind NetBook U100などが知られているが、このAspire oneは、WindowsXP Homeをプリインストールして5万4800円という、初代Eee PCに次ぐ低価格を実現している点でも注目が集まる。

 スペックはAtom搭載のNetbookとしては典型的な仕様と言えるものだ。CPUにIntel Atom N270(1.6GHz)、チップセットにIntel 945GSE+ICH7Mの組み合わせを採用しており、メモリは標準で1Gバイト、HDDは120GBバイトを搭載。液晶ディスプレイはEee PC 901-Xと同じ8.9型ワイド(1024×600ドット)で、光沢タイプのパネルを採用している。バッテリーは3セルタイプが付属する。

 メモリはオンボードに512Mバイト、SO-DIMMスロットに512Mバイトのメモリモジュールの構成で出荷されるが、現時点で公式にはメモリの増設(交換)はサポートしない。また増設サービスなどのアナウンスもされていない。OSがWindowsXP Homeであることを考慮すれば1Gバイトでも十分とはいえるが、最近のDDR2メモリの価格を考えると、SO-DIMMの交換でよいのでメモリを1.5Gバイトにしたいと思う人は多そうだ。

 ネットワーク機能としては100Mbps対応の有線LAN、802.11b/g対応の無線LANを備える。ディスプレイ上部にはNetbookではお約束ともいえる30万画素のWebカメラも備える。拡張インタフェースはUSBを左右に分散して3つ備えているが、PC/CFカードスロットがない点は競合製品と同じだ。

CPUはAtom搭載低価格ノートで多く採用されているAtom N270。最大動作クロックは1.6GHzで、HyperThreaddingをサポートする(画面=左)。これはほぼ購入時のCドライブ。100Gバイト近い空き容量があるのはやはり魅力。Cドライブの総容量が105Gバイトなのは、ほかにHDDリカバリ用にもパーティションが確保されているためだ(画面=右)

 おもしろいのはメモリカードリーダーで、右側面にSD専用、左側面にSD/MS/xD兼用スロットの2つを備えている。このメモリカードリーダーはデバイスマネージャーで確認するとコントローラがPCI-Express接続のJMicron JMB38x(仕様から判断するとおそらくJMB382)になっており、読み書き速度が高速なのも特徴だ。またSD専用はSDメモリーカードがすっぽり収まるのでSDメモリーカードを挿しっぱなしでの持ち運びも問題ない。ただし、Eee PCのようにBIOSで認識されるタイプではないので、Windowsでスワップファイルを割り当てたり、SDメモリーカードからOSを起動するといったことはできない。

内蔵メモリカードリーダー(画面=左)と、メモリカードに付属するUSB接続のカードリーダー(画面=右)でmicroSDHCメモリカード(Class6)の読み書き速度を調べた。内蔵メモリカーリーダーではシーケンシャルリード/ライトで20Mバイト/秒を超えている。なお、評価に利用したメモリカードはSunDiskのMicroSDHC(4Gバイト)

 本体サイズは、直接競合しそうなEeePC 901-XとWind NetBook U100のちょうど中間というあたりがおもしろい。本体幅が中間で奥行きは最も短く、フットプリントで見ると901-Xに近い。はたして狙ったのどうかは定かでないが、サイズを見れば901-XとU100のあいだをちょうどカバーすることになり、HDD内蔵の低価格Netbookとしては最もコンパクトだ。

本体前面/背面/左側面/右側面

低価格ミニPCの簡易比較
製品名 ディスプレサイズ キーピッチ(幅) 重量 奥行き 厚み/最小 厚み/最大
Aspire one 8.9インチ 17ミリ 1.1キロ 249ミリ 170ミリ 29ミリ 29ミリ
Eee PC 901-X 8.9インチ 16ミリ 1.1キロ 225ミリ 175.5ミリ 22.7ミリ 39ミリ
Wind NetBook U100 10.0インチ 17.5ミリ 1キロ 260ミリ 180ミリ 19ミリ 31.5ミリ

 パッケージに含まれるのはACアダプタと簡易マニュアル、ソフトケースだ。ACアダプタは十分コンパクトだがACケーブルが太く、携帯性を損ねているのはWind NetoBook U100と同じ。コネクタは3ピンのミッキータイプな点にも注意したい。付属のソフトケースは薄く保護能力はほとんど期待できないが、かさばらないのでキズ防止のためにはかえってありがたい。リカバリCDは付属せず、プリインストールのWindows XP Home EditionはHDDリカバリのみになる。

外箱のデザイン(写真=左)。ソフトケースが同梱されている(写真=中央)。Windows上からリカバリ作業が可能なユーティリティもインストールされている。ちなみに、リカバリCDはユーザーが作成できない。気になる人はHDDのイメージバックアップを作成しておいたほうがいいだろう(画面=右)

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