COMPUTEX TAIPEI 2008にて華々しく登場し、国内での販売が期待されていたAtom搭載Eee PCがついに日本上陸を果たした。7月12日に発売される予定の日本版は「Eee PC 901-X」という製品名が与えられ、海外版の「Eee PC 901」がベースとなる。
DiamondvilleことAtom N270(1.6GHz)搭載の低価格ミニノートPC(インテルがいうところのNetbook)が国内の店頭に並ぶのは、MSIの「Wind Notebook U100」に次いで2番目だ。
Eee PC 901-Xの基本仕様は海外版のEee PC 901と同等で、旧世代のEee PCから大幅な性能・機能の向上が見られる。ただし、プリインストールOSはWindows XP Home Edition(SP3)のみで、今回もLinux搭載モデルは国内に投入されない。
日本版の特典としては、液晶パネルに常時点灯ドットがあった場合、購入後30日以内であれば無償で液晶パネルを交換できる「ZBD」(Zero Bright Dot)サービスが受けられ、USBマウスが付属することが挙げられる。それでいて、予想実売価格は5万9800円前後で海外版とほとんど変わっていないのは特筆したい。初代の日本版「Eee PC 4G-X」より1万円ほど高くなったが、さまざまな仕様強化を考慮すると、コストパフォーマンスは依然として優秀だ。
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今回は発売に先駆けてEee PC 901-Xを短時間触ることができたので、その実力を試してみた。ちなみに、海外では画面サイズが一回り大きな「Eee PC 1000/1000H」も同時発表されたが、日本での発売は未定という。
Eee PC 901-Xを詳しく紹介する前に、まずは初代のEee PC 4G-Xと比較して、どこが変わったのかを以下の囲みにまとめてみた。少々乱暴ないいかただが、「全面的な改良を加えた代わりに、価格は1万円アップ」というのが、Eee PC 901-Xの最初の印象だ。
それでは、以下にEee PC 901-Xをさまざまな角度からチェックしていこう。
ボディの基本的なデザインは海外版と同様だ。ただし、カラーはパールホワイト(白)とファインエボニー(黒)のベーシックな2色に限られ、海外版に見られるカラフルな絵柄の入ったモデルは用意されていない。今回入手したモデルはパールホワイトで、初代のEee PC 4G-Xも採用する光沢感のあるホワイトの塗装だ。
デザインは従来機をベースにしつつ、より高級感を持たせられるように変更されている。左右のクリックボタンや電源ボタン、液晶ヒンジ部にメタリックのパーツを効果的にあしらい、“ただの白いノートPC”に見せない工夫をしているのは同じだが、それぞれのパーツを大型化したうえで、左右のクリックボタンはヘアライン加工、電源ボタンや液晶ヒンジ部は光沢処理、Webカメラ周辺は鏡面仕上げなど、部分によって質感を変えており、よく見るとなかなか凝った外装だ。
細かいところでは、天板の中央でピカピカと輝いていた「ASUS」のエンブレムがなくなり、向かって左上にさりげなく「Eee PC」のロゴがプリントで入るようになった。また、液晶ヒンジ部にプリントされていたEee PCのロゴは液晶ディスプレイの下に移されるとともに、メタリックパーツで光るロゴになっている。こうしたメーカー名より製品名を目立たせるロゴの変更には、ASUSが初代Eee PCの成功を受けて、Eee PCを1つのブランドとして幅広い層に認知・普及させたいという狙いがあるのだろう。
見たところ、外装にアルミ素材をふんだんに使った日本HPの低価格ミニノート「HP 2133 Mini-Note PC」ほどの高級感はないものの、天板やパームレストを手で押してみても大きくたわむようなことはなく、液晶のヒンジやボタンの立て付けもしっかりしてる。これなら“安いけど、ボディの作りはイマイチ”と感じる人は少ないのではないだろうか。
デザインの変更にともない、本体サイズは225(幅)×175.5(奥行き)×22.7〜39(高さ)ミリに変更された。Eee PC 4G-Xと比べると、奥行きは11.5ミリ、高さは2ミリ長くなっている。また、画面の大型化や機能の追加もあり、重量はEee PC 4G-Xの約920グラムから約1.1キロへ増量し、1キロを超えてしまった。
2台を持ち比べてみると、大きさの違いはそれほど気にならないが、重量は少し重くなった感がある。重量増はデザインの変更というより、後述する機能強化とのトレードオフなので、仕方のないところだ。
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