9月25日、インテルの2.5インチSSD「X25-M Mainstream SATA SSD(SSDSA2MH080G1C5)」が発売された。価格は7万5000円前後から8万円弱。ソフマップ リユース総合館など、初回入荷分を当日に売り切るショップがいくつかあったが、街全体でみると在庫は潤沢といえる。
X25-M Mainstream SATA SSDは、インテルが製造した初のSSDのシリーズ名で、現在のところラインアップは80Gバイトの「SSDSA2MH080G1C5」のみ。MLCタイプながら最大転送速度はリード240Mバイト/秒、ライト70Mバイト/秒と、SLCタイプをしのぐスピードを実現している。発売前から複数のショップでデモが行われており、その速さはアキバ中で話題を呼んでいた。
売れ行きはおおむね好調で、初回入荷分を売り切ったショップに翌日再入荷分が届くなど、順調に出回っている。TSUKUMO eX.は「SSDの大本命として待っていた人が多いですね。高価なモデルですが、2個買っていく人もいましたよ。今後の定番になっていくでしょう」と話していた。
BLESS秋葉原本店も「店舗ではそれほど出ていないですが、ネットでの注文が多いです。全国に高速SSDを求めている人がいるということでしょう。SSDの普及に貢献することは間違いありません」と好意的なコメントを残した。
ただし、ショップによっては、この好調ぶりが「どこ吹く風」といった状況になっているようだ。あるショップは「ウチではサッパリ。もともと高価なSSDは売れていなかったので、8万円弱の製品なんてヒットしませんよ。80Gバイトなんて中途半端な容量にするなら、30〜40Gバイトで半額にしてもらいたかった。そういうモデルが登場したら、いよいよウチでも売れるでしょうね」と手厳しく語る。
また、某ベテラン店員氏は「ウチはストレージに力を入れていなかったから、あまり売れていません。まあ、これからラインアップが増えればヒットすると思いますけど。PCパーツショップならどこでもインテル製CPUを扱っているわけですが、頻繁にプッシュされると、何となくX25-M Mainstream SATA SSDも売らざる得ない感じになる。そうやって今回初めてSSDを扱うようになったショップもウチ以外にあるんじゃないでしょうか……」と漏らしていた。
現状では芽が出きっていない感もあるが、SSDが普及する下地は確実に強化されたというわけだ。事実、この流れから、「大ブレイクまであと一歩」と予想するショップは多かった。フェイス PC館は「通常売価で1万円台の30Gバイトモデルが出たら、ブート用として定着するでしょう」と語る。それをインテルが出すのか、ライバルメーカーが出すのか、今後の動向に注目したい。
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