GT-D1000に装備されている操作ボタン類(ナビボタン)は、カラリオスキャナシリーズの4ボタン構成から1ボタン増え、合計で5ボタン構成になった。これに電源ボタンを加えると計6ボタンが用意される。
ボタンの配置は、本体正面の左から電源ボタン、これにエラー表示用のLEDを挟んで、スキャン/コピー/メール/PDF/キャンセルの各ナビボタンが並ぶ。本体でのスキャン操作は、電源ボタン、ナビボタン、スキャナビボタン(兼スキャンボタン)を順番に押すことで実行される。目的別に分かれた本体のナビボタンを押すと、そのボタンに割り当てられた機能のナビボタンウィンドウがPCの画面に呼び出される。ここで画面上のスキャンボタンをクリックするか、本体のスキャナビ(兼スキャン)ボタンを押すと、スキャンが実行される仕組みだ。
各ナビボタンを押した際の動作は、付属のユーティリティソフト「Epson Event Manager」で設定できるので、ボタンに付いているアイコンとは関係ない動作を割り当てることも可能だ(キャンセルボタンは動作を指定できない)。動作は「スキャンして保存」「コピー」「ファックス」「スキャンしてEmail」「スキャンしてPDFファイルに保存」の5種類を割り当てることができる。また、独自の動作を各ナビボタン設定して、それを割り当てることも可能だ。
GT-D1000のインタフェースはUSB 2.0のみで、ネットワーク経由のスキャンはサポートしていない。スキャンドライバはTWAINとWIAを用意し、TWAINドライバはカラリオスキャナやインクジェット複合機のオールインワンカラリオにも採用されている「EPSON Scan」だ。
家庭用のEPSON Scanは全自動/ホーム/プロフェッショナルの3つのモードを持つが、GT-D1000のEPSON Scanは全自動モードがなく、オフィス/ホーム/プロフェッショナルのモードになっている点が大きく異なる。オフィスモードはドキュメント類のスキャンに特化したモードで、別のEPSON Scanには見られないGT-D1000専用のモードだ。
GT-D1000のEPSON Scanは、オフィスとホームモードに「文字くっきり」の項目が表示される。ここにチェックを入れると、原稿の地色を消してからコントラストを最適化することで、小さかったり薄かったりする文字の視認性を向上させることが可能だ。カラー/グレースケール/モノクロでこの機能を有効にできる(ただし、200dpi以上を選択した場合)。
ほかにも、赤、緑、青の中から特定の色を排除することで、原稿上には表示されている赤、緑、青のカラーマーカーやペンで書かれた文字を消すことができるユニークな「ドロップアウト」機能も搭載している(モノクロ/8ビットグレースキャン時のみ)。
なお、GT-D1000のADFは片面読み取りだが、ADFで両面読み取りを指定すると、片面を連続して読み取ってから、原稿を手動で裏返して残りを読み取り、両面データに合成することも可能だ。ただし、手動で原稿を裏返すぶんの時間はかかる。
GT-D1000にはスキャンしたデータを一括管理できるNewSoftの「Presto! PageManager 8 Standard」が付属している。ここから各種スキャン操作を行って指定したアプリケーションにデータを渡すことも可能だ。また、エーアイソフトブランド(エプソン販売)の日本語OCRソフト「読んde!!ココ パーソナルVer.4」を使って、読み込んだデータにOCRをかけることもできる。これにGT-D1000とプリンタ、PCを連携させてコピーやFAXの機能を実現するユーティリティソフト「Epson Copy Utility」も付属しており、スキャンしたデータをさまざまな目的で活用できる手段が用意されている。
また、スキャンしたデータをPDFに変換する「EPSON PDF Plug-in」も付属しているので、競合機種のようにAcrobat StandardやProfessionalがバンドルされていなくても、読み取り可能なPDFデータの作成が可能だ。
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