セキュリティソフトウェアにとって、パターンファイルなどの更新頻度は、高いことが望ましいのは周知のとおりだ。その理由は、新しい脅威にいち早く対応するためだけではない。頻繁にアップデートが行われれば、それだけ1度の変更点は少なく、データサイズも小さくなる。当然、アップデータの転送にかかる時間も処理を行う時間も短縮できる。
NIS2009で新たに採用された「パルスアップデート」は、5〜15分という業界最高頻度を誇っている。そのためアップデートもバックグラウンドで迅速に完了する。AV-Testの調査によると、日本時間2008年10月12日15時57分時点で、2008年1月1日以降の更新回数はNIS2009(と同じエンジンを使用しているノートンAntiVirus2009)が1987回となっており、次点の「Panda AntiVirus」の383回を大きく引き離している。
しかも、NIS2009のパターンファイル提供が始まったのは2008年8月15日であり、わずか2カ月しか経っていないにも関わらず、ほかの10カ月以上提供を続けている競合製品をはるかに上回っている。なお、パルスアップデートは通常の自動LiveUpdateと併用されており、8時間ごとにLiveUpdateで更新される完全更新版を補完するアップデート版となっている。そのためパルスアップデートだけを停止させることもできるが、従量課金制のネットワーク環境でもない限り、オンにしておくほうがいいだろう。
メイン画面のCPU使用率の下にあるNortonインサイトも注目の機能だ。これは安全であると認識されているものに関してはスキャンをスキップし、負荷を軽減するというもの。この“信頼”はNortonによるもののほか、コミュニティによる信頼がある。マイクロソフトが作成したファイルはNortonによって、メジャーベンダのドライバなどはコミュニティによって信頼されているケースが多いようだ。結果として、業務で使っている人や初心者〜中級者ほど、Nortonインサイトの効果が表れる傾向にあると思われる。
※記事初出時、「スキップされるスキャンはプロセスが行おうとしている処理の監視であり、ファイルそのもののスキャンではない」と記述しておりましたが、実際は「ファイルそのもののスキャン」を表しています。UI上に表示されているプロセスのリストは、現在メモリ内で動作しているプロセスの信頼状況を参考表示しているだけであり、そこに表示されているプロセスだけを監視しているという意味ではありません。おわびして訂正いたします。
また、ゲームやプレゼンテーション、ビデオ映像などを鑑賞しているときなどに不用意なポップアップを抑制するサイレントモードも用意されている。サイレントモードはフルスクリーン時に自動的にオンになるため、ユーザーが特に操作する必要はない。
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