第3回 写真印刷のスピードにこだわる:秋のA3ノビプリンタ特集

» 2008年10月30日 16時45分 公開
[榊信康,ITmedia]

A3ノビだって高速に印刷したい

 写真好きならチェックしておきたいA3ノビ対応インクジェットプリンタ5機種を横並びで比較する特集も中盤戦に突入した。第3回は、これらの印刷速度を用紙サイズ別に検証していく。

 出力品位を最重要とするこのクラスのプリンタで、印刷速度を持ち出すのは少々やぼな話かもしれないが、出力が速いに越したことはない。トライ&エラーで作品を作り込んでいくのに、印刷速度が遅くてはストレスがたまってしまうだろう。仕事に利用するのであれば、印刷速度の優劣はなおさら無視できない要因となる。


本特集で取り上げるA3ノビ対応インクジェットプリンタ
製品名 メーカー 実売価格 印刷方式 インク種別 インク数 最小インク滴 最大解像度
PX-5600 エプソン 8万8000円前後 ピエゾインクジェット 顔料系 9個 3ピコリットル 5760×1440dpi
PX-G5300 エプソン 5万8000円前後 ピエゾインクジェット 顔料系 8個 1.5ピコリットル 5760×1440dpi
PIXUS Pro9500 キヤノン 7万5000円前後 バブルインクジェット 顔料系 10個 3ピコリットル 4800×2400dpi
PIXUS Pro9000 キヤノン 5万4000円前後 バブルインクジェット 染料系 8個 2ピコリットル 4800×2400dpi
HP Photosmart Pro B9180 Printer 日本ヒューレット・パッカード 7万円前後 サーマルインクジェット 顔料系 8個 4ピコ/6ピコリットル 4800×1200dpi

 各製品の印刷速度はストップウォッチで計測した。PCの処理性能による誤差を軽減するために、給紙トレイから用紙が動き出した瞬間に計測を開始し、完全に排紙された時点で終了している。紙送りの方法は、メインの給紙トレイからメインの排紙トレイというパスを用いた。HP Photosmart Pro B9180 Printerは前面のロワートレイから同じく前面のフロントトレイ、それ以外の4モデルは背面上部のオートシードフィーダから前面のフロントトレイといった用紙の搬送だ。

 プリントに使用した用紙は、エプソンが「写真用紙クリスピア<高光沢>」、キヤノンのPIXUS Pro9000が「キヤノン写真用紙 光沢・プロフェッショナル」、PIXUS Pro9500が「キヤノン写真用紙・絹目調」、B9180が「アドバンスフォト用紙」というように、各製品が推奨する写真用紙を採用した。テストした用紙のサイズは、L判、A4、A3ノビの3種類で、L判のみフチなし印刷、A4とA3ノビはフチあり印刷とした。

 出力品位については、このクラスであれば最高画質の設定で出力することが多いと予想されるが、試し刷りなどのケースも想定して、最高画質より1つ下の設定でも計測している。ただし、PX-5600については、写真用紙クリスピア<高光沢>使用時に「超高精細」の設定しか選べず、最高画質より1つ下の設定が用意されていなかった。

 ちなみにテストに使用したPCは、CPUが3.2GHzのPentium 4、メモリが2Gバイト、チップセットがIntel 875P、OSがWindows XP Professionalといったスペックだ。

テスト結果はキヤノンの2機種が明暗を分けることに

最高画質設定での印刷速度。左から、L判フチなし印刷、A4フチあり印刷、A3ノビフチあり印刷の場合

最高画質設定より1つ下位での印刷速度。左から、L判フチなし印刷、A4フチあり印刷、A3ノビフチあり印刷の場合

 計測の結果は見ての通りだ。最も高速なのはPro9000で、A3ノビの最高品位プリントでも4分台を叩き出した。高速印刷で名をはせた「PIXUS 9900i」系の高速性はいまだなお健在というところか。ただし、Pro9000は染料インクを採用しているので、印刷後に発色が安定するまではそれなりの定着時間が必要になる。定着時間という点では、顔料インク機が有利だ。作業時間を重く見るならば、この点は考慮する必要がある。

 次いで、PX-G5300、PX-5600、B9180がそれぞれ小差で追いかけている。これらはいずれも顔料インク機なので、そのまま作業速度ととらえてよいだろう。A3ノビ用紙に最高画質の設定でも約6〜9分強で印刷できるため、長時間待たされるような印象はない。

 唯一、Pro9500だけケタ違いに時間がかかっているが、キヤノンいわく「速度よりも画質や送紙の安定性をとった結果」とのこと。確かに高価なアート紙などで紙詰まりが発生すると、経済的、精神的なダメージが大きいので、それは評価できる。ただし、A3ノビ1枚で20分という印刷時間はやはり遅いと感じてしまう。


 次回はいよいよフォトプリンタの本分である印刷品位を検証する。

 第4回はこちら。

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