レノボの「ThinkPad」は、Centrino 2の登場とともにラインアップを大幅に変更した(実質的な契機はThinkPad X300なのかもしれないが)。今回取り上げるする「ThinkPad T500」は、従来から型番が存在する「T」シリーズであるが、それまで型番末尾に「p」をつけていたハイエンドプロフェッショナルシリーズが、新たに設けられた「Wシリーズ」として分離し、スタンダードな15.4型ワイド液晶ディスプレイ搭載モデルがT500として残った。ThinkPad T500は、ハイパフォーマンス“モバイル”ノートで、かつ、15.4型ワイドという大型液晶ディスプレイを搭載するモデルということになる。
ThinkPad T500は、ThinkPad T61シリーズの後継モデルであり、Centrino 2プラットフォームに対応した製品だ。Centrino 2は、FSBが1066MHzに引き上げられた45ナノメートルプロセスルール採用のCPUであるCore 2シリーズとモバイル向けのチップセットとなるIntel GM45 Express、または、Intel PM45 Expressを組み合わせ、ワイヤレスLANにWiFi Link 5000シリーズが構成される。
ThinkPad T500では、CPUがCore 2 Duo T9400(動作クロック2.53GHz、2次キャッシュが6Mバイト、TDPは35ワット)か、Core 2 Duo P8400(動作クロック2.26GHz、2次キャッシュが3Mバイト、TDPは25ワット)を搭載し、チップセットはIntel GM45 Express、ワイヤレスLANはWiFi Lnk 5300AGN(3×3MIMO)という組み合わせだ。評価機として用いたのは「2081A21」で、Core 2 Duo T9400にメモリ2Gバイト、HDDが320Gバイト、内蔵ドライブにDVDスーパーマルチドライブを搭載したモデルになる。
Intel GM45 Expressチップセットでは、DDR2メモリとDDR3メモリの双方がサポートされている。現時点では多くのノートPCでコスト的にメリットのあるDDR2を採用するなか、ThinkPad T500はDDR3メモリを搭載している。規格としてはPC3-8500であり、SO-DIMMスロット2基でデュアルチャネルに対応する、動作クロックが1066MHzなのでFSBとの帯域的バランスもとれている。SO-DIMMスロットにアクセスする場合は、底面のネジ4個を外してパームレスト部を展開することで可能になる。
15.4型ワイド液晶ディスプレイの最大解像度は、1680×1050ドットとなる。ThinkPad T61pの1920×1200ドットと比較すれば低いが、1280×800ドットが主流の15.4型ワイドパネルとすれば高い。なお、同じTシリーズでも14.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載したThinkPad T400では1280×800ドットや1440×900ドットという解像度が採用されている。
本体を横から見るとパネル側が厚く見えるが、これはThinkPadの液晶ベゼルが縁に厚みを持たせているためだ。実際にはLEDバックライトを採用していることもあってパネルそのものは薄い。また、LEDバックライトのおかげで画面の明るさは十分で発色も良好だ。
キーボードレイアウトはThinkPad伝統の7列フルキーボードだ。ThinkPadのシリーズを通じて「変わらないレイアウト」に安心するユーザーも多い。7列フルキーボードは、一般的なテキスト入力やカーソル移動に「Fn」を組み合わせる必要がないことはもちろん、キーピッチやストロークも十分に確保されている。キーを押し下げたときの感触もこれまでのThinkPadシリーズと同様だ。ただ、キータッチは比較的ソフトであり、ThinkPadの中でもThinkPad X300などとは異なる。
ホディサイズは、358(幅)×255(奥行き)×29.8〜34.5(厚さ)ミリであり、ThihkPad T61pと変わらない。重さはThinkPad T61pからやや軽くなって2.67キロ(バッテリー・ベイデバイスを含む)。モバイルノートPCとしてギリギリというよりは、デスクトップPC代替に近いが、ThinkPadシリーズの15.4型ワイドディスプレイを搭載するThinkPad SL500やThinkPad R500、そしてほかのメーカーの15.4型ワイドディスプレイ搭載モデルと比べても薄くて軽い。
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