これぞ「VAIO type P」の真骨頂!?――ワイヤレスWAN+GPSモデルを攻略する“P”旋風は止まらない(2/3 ページ)

» 2009年02月09日 11時30分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

ワイヤレスWANも「VAIO Smart Network」で一括管理

「NTTドコモ 定額データプラン接続ソフト」は、電波状態の確認にも利用できる

 FOMAネットワークに対応した内蔵ワイヤレスWAN機能を使用するためのソフトウェアとしては、NTTドコモの接続ユーティリティ「NTTドコモ 定額データプラン接続ソフト」がプリインストールされている。同ソフトでは、ウィザード形式でインターネット接続の設定が可能なほか、送受信パケット数の管理、電波状態のリアルタイムでの確認なども行える。起動後はワンボタンでインターネット接続/切断が可能だ。

 定額制料金での運用時には、基本的にこの接続ユーティリティを用いるが、この点はFOMA対応のワイヤレスWANモジュールを内蔵する他社のモバイルノートPCや、別途通信モジュールを接続して使う場合でも同様で、本機に限った仕様ではない。

Windowsと同時に起動して常駐させておく設定も可能だ(写真=左)。ワイヤレスWANモジュールの選択から接続の設定までワイヤレスWANでのインターネット接続のほぼすべてを一括管理する(写真=中央)。従量制料金やMzone(mopera U)の無線LANスポットでの自動接続もサポートする(写真=右)

 定額制料金におけるアプリケーションの一部利用制限も別途通信モジュールを使う場合と同じだ。特定のユーザーがネットワークを占有することを防ぐ目的もあり、Yahoo!動画やGyaoなどのストリーミング動画配信サービス、VoIP(音声通話機能)を用いたメッセンジャーソフト(Windows/MSNメッセンジャー、Skypeなど)、P2Pなどを使用できない点は、あらかじめ知っておく必要がある。

 ただし、YouTubeやニコニコ動画といったフラッシュでの動画サービスは利用可能で、Webやメール送受信以外にVPN、FTPなども利用でき、1024番以降のTCPポートも開放されている。また、メッセンジャーサービスもWeb版などであれば利用可能だ。屋内でブロードバンド接続の代わりに利用するには不便な部分もあるが、モバイル利用が中心であればさほど不便を感じることはなく、ユーザー側の工夫で十分フォローできるだろう。

 以下に平日の夜間、東京都大田区内でワイヤレスWAN機能を利用した場合の通信速度を示したが、十分なスピードを確保していることが分かる。

平日の夜間、東京都大田区内のJR駅前というネットワークが相応に混雑している時間帯/場所での速度計測結果。速度計測には「スピードテスト/ブロードバンド通信速度測定サイト:speed.rbbtoday.com」を使用した。左が「定額データプランHIGH-SPEED」契約でVAIO type Pの内蔵ワイヤレスWANを利用、右がイーモバイルのUSBモジュール「D02HW」を利用してインターネット接続した結果だ。どちらも電波状態は良好(アンテナバーは安定して3本)な状態だが、それぞれ複数回計測したところ、VAIO type Pの内蔵ワイヤレスWANが安定して下り2Mbps前後だったのに対して、イーモバイルは下り1Mbpsを超えることはなかった。あくまで一例だが、平日の日中での都心部、夜間の駅前などではこのような傾向を示すことが多かった

「VAIO Smart Network」では通信機能をすべて管理でき、容易に機能ごとにオン/オフが可能。デスクトップに常時表示しておけるコンパクトなウインドウ(上部)だけでも機能のオン/オフが行える

 VAIOらしい使いやすさへの配慮としては、ソニー独自のネットワーク設定ユーティリティ「VAIO Smart Network」を使うことでワイヤレスWAN機能もまとめて管理できる点が挙げられる。ワイヤレスWANモジュールのオン/オフも無線LANやBluetoothと同様に切り替えられるほか、電波状態の確認も可能だ。

 前述の接続ユーティリティもVAIO Smart Networkから起動できる。接続ユーティリティは常駐していれば、タスクバーのアイコンから起動したり、電波状態を確認したりできるのだが、液晶ディスプレイの表示が非常に高精細なVAIO type Pではアイコンがかなり小さく表示されることもあり、ボタンが大きめに表示されるVAIO Smart Networkの機能を利用したほうがずっと便利だ。

 ワイヤレスWANと無線LANは排他利用になるが、ワイヤレスWANをオンにすると無線LANをオフに、無線LANをオンにするとワイヤレスWANをオフに、といった処理も行ってくれる。この辺の一体感はVAIOならではの部分といえるだろう。

接続ユーティリティ起動中はタスクバーで電波状態(左から3つ目のアイコン)の確認も可能だが、VAIO type Pの高精細なディスプレイ表示では結構見づらい(写真=左)。ワイヤレスWANと無線LANは排他利用になるが、それぞれのオン/オフも自動で行ってくれる(写真=右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー