Core i7だけどデカすぎない「Studio XPS」の実力を探る:64ビットの至福(1/2 ページ)

» 2009年02月10日 11時11分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

Studio+XPSシリーズのハイエンドデスクトップPC

Core i7搭載の「Studio XPS」

 「Studio XPS」は、デルの個人向けPCブランドに新しく追加されたハイエンドPCだ。メインストリームのStudioシリーズでありながら、XPSデスクトップシリーズの「最新で最高のパフォーマンスと高い拡張性」という特徴を併せ持ったモデルで、グラフィックスユーザー向けのハイエンドモデルという位置づけとなっている。小型なミニタワーケースを採用しながら、CPUにインテルのCore i7を搭載し、64ビットOSを標準で導入しているなど、高いパフォーマンスを獲得しているのがポイントだ。もちろんスペックはBTOでカスタマイズでき、選択肢も豊富だ。

シンプルなミニタワー型ボディを採用

ケース背面に9センチ角の排気ファンを備えている

 ボディはStudioシリーズの「Studio Desktop」と共通だ。サイズは170(幅)×435(奥行き)×362(高さ)ミリとやや奥行きが長めのミニタワー型で、渋めのシルバーに光沢ブラックの前面カバーを組み合わせて上品にまとめている。ベイの構成は5インチベイと3.5インチシャドウベイが2基ずつ、3.5インチオープンベイを1基備える。前面端子は3.5インチベイのカバー内に収められており、4基のUSB 2.0、6ピンのIEEE1394、サウンド端子が並ぶ。

 シャシーの構造はごくシンプルで、工具なしでパーツを着脱できるなどのギミックは搭載されていない。それでも、手回しネジ2本で固定されている側面のカバーを外すだけでほとんどのパーツにアクセスできるため、メンテナンス性は良好といえる。冷却は前面下部から吸気して背面に排気するオーソドックスなスタイルを採る。前面カバーの中央部と側面下部にも吸気用のスリットがあり、背面には9センチ角のファンを装備している。また、側面カバー下部にもグラフィックスカード用の放熱口が設けられている。内部エアフローの経路もスムーズで冷却面では不安はなさそうだ。電源ユニットは360ワットという総合出力の割には+12ボルト系出力が大きめだが、2系統でそれぞれ15A/16A(同時25A=300ワット)と余裕があるとはいえない。BTOで選択できる範囲内の構成ならば不足することはないだろうが、それ以上の拡張には不安が残る。

背面の手回しネジを外せば、側面のカバーを着脱できる。背面にeSATA端子や光デジタルオーディオ出力(角形)端子が並ぶ
ケース内部は比較的余裕があるが、メモリスロット近辺はケーブルがごちゃごちゃしている。また、HDDは縦に2基並べる仕様だ
前面のカバーは光沢仕様で、カバーを開けることでUSBやIEEE1394などの端子にアクセスできる

最新ハイエンドのCore i7システムを採用

CPU-Z 1.49の画面。Core i7-920の定格動作クロックは2.66GHzだが、負荷時にはIntel Turbo Boost Technologyにより自動的にオーバークロックされる

 CPUはインテルのハイエンドCPU「Core i7」シリーズを採用し、BTOメニューでは920(2.66GHz)および940(2.93GHz)が選べる。Core i7は、Core 2シリーズの電力効率を維持しつつ、メモリコントローラの内蔵などさまざまなフィーチャーを導入し、性能面を大きく引き上げているのが特徴だ。TDPが130ワットと消費電力は高くなっているが、特にマルチコア/マルチスレッドに最適化されているクリエイティブ系のアプリケーションではクアッドコアCPUのCore 2 QuadやPhenom IIを大きく上回るパフォーマンスを発揮する。複雑な手間や知識を必要とせずに自動的にオーバークロックを行なうIntel Turbo Boost Technologyにより、手軽に高い性能を得られるのも見逃せない。このIntel Turbo Boost Technologyが作動するのは、電流や温度を監視しているCPU内蔵のマイクロコントローラが安全だと判断した場合に限られるため、ユーザーの手を煩わせる心配もない。

 採用するマザーボードのチップセットはIntel X58 Expressで、サウスブリッジはICH10を搭載。メモリスロットは6基あり、拡張スロットはPCI Express x16スロットが1本、PCI Express x1スロットが3本という構成だ。ギガビットLAN、8チャンネル出力対応のHDオーディオ、IEEE1394aなどをオンボードで実装しており、背面には4基のUSB 2.0ポートに加え、光デジタル音声出力(角形)、eSATAポート、6ピンのIEEE1394aなどの端子を装備している。シリアル/パラレルポートをはじめ、PS/2ポートやIDEコネクタ、PCIスロットも持たないレガシーフリーな仕様となっているのも印象的だ。

評価機が搭載していたCore i7-920(2.66GHz)
LGA1366になってピン数が大幅に増加したのが分かる
CPUクーラーはスリムな形状で、評価機には1GバイトのDDR3メモリが3枚装着されていた

Intel X58 Expressチップセットを採用したmicroATXフォームファクタのマザーボード。小型ながらメモリスロットは6基あり、Core i7のパフォーマンスをフルに引き出せる。一方でPCI Express x16スロットは1本のみとなる

HDDと光学ドライブは2基ずつ搭載が可能

 メモリはPC3-8500 DIMMに対応し、容量は3Gバイトと6Gバイトが選べる。いずれも3枚1組で使うことにより、トリプルチャンネルアクセスに対応したCore i7のメモリコントローラの性能を最大に発揮できる。将来的には、最大24Gバイト(4Gバイト×6)の構成も選択可能になる予定という。

 HDDはSerial ATA(3Gbps)に対応し、容量は500Gバイト、750Gバイトと1Tバイトの3種類が用意されており、回転速度はいずれも標準的な7200rpmだ。それぞれを2台搭載したRAID 0(最大2Tバイト)の構成も選べる(500Gバイトは除く)。光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブのほか、BD-ROMドライブ(ブルーレイコンボドライブ)と記録型Blu-ray Discドライブ(ブルーレイディスクドライブ)の3種類が用意され、DVDスーパーマルチドライブと組み合わせて2台搭載することも可能だ。

 グラフィックスカードは、ATI Radeon HD 4850(グラフィックスメモリは512バイト)を筆頭に、同3650(同256Mバイト)、同3450(同256Mバイト)が用意されている。3650や3450は一世代前のミドル/ローエンドGPUであり、現行のアッパーミドルレンジである4850とは性能、機能ともに差が大きいので、本機の性能を生かすべく可能な限りRadeon HD 4850を選びたいところだ。4850は最新ゲームタイトルを快適にプレイできる3D描画性能を備えているほか、H.264/VC-1/MPEG-2のハードウェアデコードやSD動画のアップスケーリングなどに対応したHD動画再生支援機能「UVD2」を内蔵しており、対応ソフトウェアと組み合わせることでHDコンテンツを少ない負荷で快適に楽しむことができる。

 プリインストールOSは、Windows Vista Home Premium(SP1)と同Ultimate(SP1)の2つが用意されており、いずれも64ビット版となる。64ビット版Windows Vistaの最大のメリットは32ビットOSの制限である4Gバイトを超える大容量メモリを活用できることにあるが、物理メモリのサポートはUltimate/Businessでは128Gバイトであるのに対し、Home Premiumでは16Gバイトまでと差がある。当面は問題になることはないだろうが、この違いは頭に入れておきたい。

Radeon HD 4850を搭載したグラフィックスカード(写真=左)。1スロット仕様のスリムタイプだ。GPU-Z 0.3.1の画面で、GPUクロックは625MHzとなっている(写真=右)

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