S101Hと1002HAは、HDDの採用によって本体の厚さと重量がS101より増加したが、それ以上に使い勝手の面で影響を受けているのが、バッテリー駆動時間だ。下表の通り、いずれも本体を薄型軽量に仕上げるべくリチウムポリマーバッテリーを採用しているのだが、HDDの収納スペースに圧迫されてバッテリーパックはS101のものより小型になった。消費電力で不利な2.5インチHDDの採用も加わり、公称のバッテリー駆動時間はS101Hが約4時間、1002HAが約4.1時間と、S101の約3分の2にとどまっている(バッテリー駆動時間の検証は次回行う)。
Eee PC S101H、1002HA、S101のバッテリー | ||||
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製品名 | バッテリー方式 | バッテリー容量 | バッテリー駆動時間 | バッテリー充電時間 |
Eee PC S101H | リチウムポリマー | 7.3ボルト 4200mAh | 約4時間 | 約1.83時間 |
Eee PC 1002HA | リチウムポリマー | 7.3ボルト 4200mAh | 約4.1時間 | 約1.83時間 |
Eee PC S101 | リチウムポリマー | 7.4ボルト 4900mAh | 約6時間 | 約2時間 |
公称で4時間程度のバッテリー駆動時間は短すぎて困るほどではないが、第2世代Eee PCの901-Xが約8.3時間、1000H-Xが約6.9時間と長時間駆動をウリにしていたため、少々物足りなさも残る。この辺りは薄型軽量ボディとのトレードオフとして受け入れるしかない。キーボード左上のボタンを押すことで、Super Performance、High Performance、Power Saving、Autoといった動作モードが切り替えられる省電力機能「Super Hybrid Engine」を備えているため、モバイルシーンでは積極的に活用するといいだろう。
付属のACアダプタはこれまでのEee PCと同じコンパクトサイズだ。突起部を含めない実測でのサイズは35(幅)×85(奥行き)×26(高さ)ミリ、電源ケーブル込みの重量は215グラムと小型軽量なので、常に携帯してもかさばらないのがいい。
インタフェース類の種類と数はS101と同様だ。合計3基のUSB 2.0ポートをはじめ、アナログRGB出力、ヘッドフォン、マイク、SDメモリーカード(SDHC対応)用スロット、Webカメラを搭載し、ネットワーク機能はIEEE802.11b/g/n(11nはドラフト2.0)の無線LAN、100BASE-TXの有線LAN、Bluetooth 2.0+EDRを備えている。
こうした装備に不満はないが、少々気になるのはインタフェースのレイアウトだ。S101では薄型化と軽量化のため、インタフェースの配置を一部妥協しているが、S101Hと1002HAもこれを受け継いでいる。具体的には、3基のUSB 2.0ポートを左右に分けて配置しているのはいいが、頻繁に着脱しがちなSDメモリーカード(SDHC対応)用のスロットが背面にあるのは使いにくい。アナログRGB出力、有線LAN、ACアダプタ用のDC入力も背面だ。
カードスロットは背面の端にあるので、慣れれば手探りでカードを着脱できるだろうが、S101Hと1002HはHDDを格納できるように本体に厚みを持たせたため、余ったスペースを生かしてカードスロットを側面か前面に配置してほしかったところだ(S101のマザーボードを流用している関係で、レイアウトの変更は難しいのだろうが)。
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