今度のEee PCはHDD搭載でも美しい――「S101H」と「1002HA」を使い比べる(前編)SSDかHDDか、それが問題だ(3/4 ページ)

» 2009年02月12日 18時00分 公開

HDDのスペースを確保したため、バッテリー駆動時間は短縮

 S101Hと1002HAは、HDDの採用によって本体の厚さと重量がS101より増加したが、それ以上に使い勝手の面で影響を受けているのが、バッテリー駆動時間だ。下表の通り、いずれも本体を薄型軽量に仕上げるべくリチウムポリマーバッテリーを採用しているのだが、HDDの収納スペースに圧迫されてバッテリーパックはS101のものより小型になった。消費電力で不利な2.5インチHDDの採用も加わり、公称のバッテリー駆動時間はS101Hが約4時間、1002HAが約4.1時間と、S101の約3分の2にとどまっている(バッテリー駆動時間の検証は次回行う)。

Eee PC S101H、1002HA、S101のバッテリー
製品名 バッテリー方式 バッテリー容量 バッテリー駆動時間 バッテリー充電時間
Eee PC S101H リチウムポリマー 7.3ボルト 4200mAh 約4時間 約1.83時間
Eee PC 1002HA リチウムポリマー 7.3ボルト 4200mAh 約4.1時間 約1.83時間
Eee PC S101 リチウムポリマー 7.4ボルト 4900mAh 約6時間 約2時間

 公称で4時間程度のバッテリー駆動時間は短すぎて困るほどではないが、第2世代Eee PCの901-Xが約8.3時間、1000H-Xが約6.9時間と長時間駆動をウリにしていたため、少々物足りなさも残る。この辺りは薄型軽量ボディとのトレードオフとして受け入れるしかない。キーボード左上のボタンを押すことで、Super Performance、High Performance、Power Saving、Autoといった動作モードが切り替えられる省電力機能「Super Hybrid Engine」を備えているため、モバイルシーンでは積極的に活用するといいだろう。

 付属のACアダプタはこれまでのEee PCと同じコンパクトサイズだ。突起部を含めない実測でのサイズは35(幅)×85(奥行き)×26(高さ)ミリ、電源ケーブル込みの重量は215グラムと小型軽量なので、常に携帯してもかさばらないのがいい。

左からS101、S101H、1002HAのバッテリーパックとACアダプタ。いずれもパームレストの裏側に薄型のリチウムポリマーバッテリーを装着しているが、S101Hと1002HAはバッテリーパックの隣りにHDDベイを配置しているため、容量が小さくなっている

インタフェースの構成はS101と共通

 インタフェース類の種類と数はS101と同様だ。合計3基のUSB 2.0ポートをはじめ、アナログRGB出力、ヘッドフォン、マイク、SDメモリーカード(SDHC対応)用スロット、Webカメラを搭載し、ネットワーク機能はIEEE802.11b/g/n(11nはドラフト2.0)の無線LAN、100BASE-TXの有線LAN、Bluetooth 2.0+EDRを備えている。

 こうした装備に不満はないが、少々気になるのはインタフェースのレイアウトだ。S101では薄型化と軽量化のため、インタフェースの配置を一部妥協しているが、S101Hと1002HAもこれを受け継いでいる。具体的には、3基のUSB 2.0ポートを左右に分けて配置しているのはいいが、頻繁に着脱しがちなSDメモリーカード(SDHC対応)用のスロットが背面にあるのは使いにくい。アナログRGB出力、有線LAN、ACアダプタ用のDC入力も背面だ。

 カードスロットは背面の端にあるので、慣れれば手探りでカードを着脱できるだろうが、S101Hと1002HはHDDを格納できるように本体に厚みを持たせたため、余ったスペースを生かしてカードスロットを側面か前面に配置してほしかったところだ(S101のマザーボードを流用している関係で、レイアウトの変更は難しいのだろうが)。

S101Hの前面と背面。前面にインタフェースはない(写真=左)。背面にはSDメモリーカード(SDHC対応)用スロット、アナログRGB出力、有線LAN、電源コネクタ、盗難防止用ロックコネクタを備えている(写真=右)

S101Hの側面。左側面に2基のUSB 2.0を配置(写真=左)。右側面には1基のUSB 2.0とヘッドフォン、マイクの端子がある(写真=右)

1002HAの前面と背面。本体に厚みはあるが、インタフェースのレイアウトはS101Hと同様だ

1002HAの側面。S101と同じように、USB 2.0を左側面に2基、右側面に1基と分けて搭載している

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