液晶ディスプレイのサイズは、S101HがS101と同じ10.2型ワイド、1002HAがこれよりわずかに小さな10型ワイドだ。画面の表示領域を実測したところ、S101Hは約222×130ミリ、1002HAは約220×129ミリとほぼ同じで、アイコンや文字の大きさといった見え方は変わらない。いずれも画面解像度はS101と同じ1024×600ドットを維持している。最近のNetbookで増えてきた縦解像度が短い1024×576ドットのパネルは採用していない。
縦解像度の狭さを補うため、画面のアスペクト比を無視して縦768ドットの解像度を縦600ドット表示の液晶パネルにスケーリング処理して映し出す「1024×768ドット圧縮」の設定も健在だ。縦方向の表示が少しつぶれるため、写真の表示などには向かないが、文書の閲覧やテキスト主体のWebブラウズなどでは効果がある。
表示品質については少し違いが見られた。輝度は同程度だが、1002HAの液晶ディスプレイのほうがコントラストが高く、黒の締まりがいい。また、上下の視野角も1002HAのほうが広めだ。S101Hの液晶ディスプレイは上下の視野角が狭いほうなので、チルト角度の調整はこまめに行う必要がある。いずれも液晶パネルはノングレアタイプを継承しており、発色の華やかさはないものの、画面への映り込みがないため汎用性が高い。
キーボードはいずれも日本語86キー仕様で、各キーのサイズやレイアウトはほぼ同じだ。Enterキーの周辺に変則的なキーピッチがある点と、カーソルキーが一段下がっていない点は少し気になるが、ディスプレイサイズが10〜10.2型ワイドとNetbookにしては大きめなので、キーボード全体のサイズにも余裕がある。主要キーで約17.5ミリのキーピッチ、2ミリ程度のキーストロークがあるため、モバイルノートPCに慣れたユーザーであれば、タッチタイプは比較的容易にこなせるだろう。使用感もまずまずで、上質なタッチとはいえないまでも、キーボードユニットはタイプ時のたわみが少なく、ストレスなく入力できる。
タッチパッドもS101と共通化されている。マルチタッチ機能に対応し、2本の指でパッドを上下になぞるとスクロール、2本の指を広げたり閉じたりするとズームイン/ズームアウト、3本指で上になぞるとマイコンピュータの表示、3本指で下になぞるとウィンドウ切り替え、3本指で左右になぞるとページ切り替えなど、最大3本までの指を使った操作が可能だ。パッド部は実測で約69×41ミリと広いので、指を3本置いても狭すぎることはない。
ただし、左右のボタンが一体化された横長のクリックボタンは縦幅が小さいことから、少々押しにくく、また押すのに力がいるため、好みが分かれそうだ。なお、どちらもUSB接続のスクロール機能付き小型マウスが付属するため、机上ではマウスを使ってもいいだろう。
以上、S101Hおよび1002HAをS101と比較しながら一通りチェックした。次回はS101Hと1002HAのパフォーマンスやバッテリー駆動時間を中心に検証していく予定だ。後編はこちら。
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