店員の「思いつき」が“祭”に変わる街、アキバ古田雄介のアキバPickUp!(2/4 ページ)

» 2009年03月30日 16時00分 公開
[古田雄介&ITmedia アキバ取材班,ITmedia]

GPUの次の使い道を示すNVIDIAと、大容量メモリ搭載カードが大人気のAMD

NVIDIA GRAPHICS PLUSの様子

 3月28日、NVIDIAがカフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店でユーザーイベント「NVIDIA GRAPHICS PLUS」を実施した。会場には各社のGeForce GTS 250やGeForce 9600GT搭載カードが並んだほか、対応ディスプレイや専用グラスなどを使って映像を立体視させるシステム「GEFORCE 3D VISION」、AtomとNVIDIA製GPUを組み合わせたプラットフォーム「ION」のデモ機などが置かれ、多数のユーザーの注目を集めていた。

 GEFORCE 3D VISIONのデモ機は、近日発売予定のサムスン製対応ディスプレイと3D VISIONコントローラー、3Dグラスを組み合わせており、市販の3Dゲームの立体視を体験できるようにしていた。また、イーフロンティアのセッションでは3DCGソフト「Shade」により立体視可能な動画を自作するソリューションも紹介。NVIDIAによると、国内では3D VISIONコントローラーと3Dグラスを付属したマシンをまず投入する予定という。「その後、単体での発売も視野に入れています。対応ディスプレイは今後、複数のメーカーから登場する予定で、フルHDタイプも店頭に並ぶと思いますよ」(同社スタッフ)とのことだ。

 GEFORCE 3D VISIONとともに目玉となっていた「ION」プラットフォームのデモ機は、AtomとGeForce 9400M Gの組み合わせでBD-ROMタイトルのHD映像を表示させていた。こちらも近日中に対応マシンが登場する可能性が高く、同社スタッフも「今後はソフトレベルでもAtom専用バージョンを用意することが増えると思います。近い将来、NetbookやNettopなどの安価なAVマシンが使えるようになるでしょう。IONによって、Atomの可能性がグッと高くなると考えています」と自信を持って話していた。

 上記のように、このイベントではGPUの新しい使い道に焦点を当てていたが、現状のグラフィックスカードの仕様用途もバリエーションが増えてきていると同社は分析している。「ハイエンド系カードは、少し前までゲームユーザーを中心に売れていましたが、CUDAが軌道に乗ってきたこともあって、最近は研究用途や3DCG作成などを目的に大量購入される方が増えています」(同社スタッフ)という。

 そうした背景もあり、アキバではNVIDIA製GPU搭載カードが好調に売れているが、ライバルのAMDも負けてはいない。

 3月末に注目を集めたのは、RADEON HD 4870を搭載したSapphireの「VAPOR-X HD4870 2G GDDR5」だ。GDDR5メモリを2Gバイト搭載するのが特徴で、価格は3万円弱となっている。入荷数が少ないこともあり、入手はやや困難な状況だ。なお、1Gバイトメモリを搭載した兄弟機「VAPOR-X HD4870 1G GDDR5」も同じタイミングで登場しており、2万7000円から2万9000円で出回っている。こちらは在庫が潤沢だ。

 VAPOR-X HD4870 2G GDDR5は、シングルGPU構成のRADEON HD 4870カードとして2Gメモリを搭載する初のモデルだが、初回から勢いよく売れている。T-ZONE.PC DIY SHOPはその現状について「ひと昔前までメモリ容量を気にする人は一部のハードゲーマーくらいしかいませんでした。しかし、最近はフルHD液晶が普及した影響で、一般的なゲーマーやグラフィックデザインをする人でも大容量メモリを搭載したグラフィックスカードを求めるようになってきています。実際、グラフィックスカードのメモリはディスプレイサイズが大きいほど必要になりますからね。また、1Gバイトタイプと価格が1000〜2000円しか変わらないことも人気に拍車をかけています」と語る。

Sapphire「VAPOR-X HD4870 2G GDDR5」(写真=左)。Sapphire「VAPOR-X HD4870 1G GDDR5」(写真=右)

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