3月27日に一般公開が行われたデルの新型スリムノートPC「Adamo」だが、その直後から直販ページでの販売が幕を切った。ラインアップは、Core 2 Duo SU9400(1.4GHz)のCPUと4GバイトのDDR3 SDRAMを搭載した上位モデル「DESIRE」と、Core 2 Duo SU9300(1.2GHz)のCPUと2GバイトのDDR3 SDRAMを備えた「ADMIRE」に分かれており、それぞれにパール・ホワイトとオニキス・ブラックの2色のカラーバリエーションが用意されている。DESIREとADMIREともにBTOメニューで変更できるのはオフィススイートの選択(Office Personal 2007かOffice Personal 2007+PowerPoint 2007、Office Professional 2007)や保証プランなど、ごく限定的で、2種類のベースモデルに2種類のカラバリ展開という構成だ。
ラテン語で「恋に落ちる」を意味するというAdamo。同社では「匠と美を結ぶ愛の結晶」とAdamoを位置付けているが、“恋”をするにはさまざまなプロセスが必要になる。まずは個性的な外観を見ていこう。
Adamoシリーズの主なスペック | ||
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モデル名 | DESIRE | ADMIRE |
カラバリ | オニキス・ブラック/パール・ホワイト | |
CPU | Core 2 Duo SU9400(1.4GHz) | Core 2 Duo SU9300(1.2GHz) |
メモリ | 4Gバイト(DDR3) | 2Gバイト(DDR3) |
チップセット | Intel GS45 Express | |
液晶ディスプレイ | 13.4型ワイド光沢 | |
画面解像度 | 1366×768ドット | |
ストレージ | 128GバイトSSD | |
有線LAN | ギガビット対応 | |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト準拠/Intel WiFi Link 5300) | |
Bluetooth | Bluetooth 2.1+EDR | |
USB | USB 2.0×3(うち1基はeSATA兼用) | |
外部出力 | DisplayPort×1(DVI変換アダプタ付き) | |
Webカメラ | ○(130万画素) | |
バッテリー | 6セルリチウムポリマー(着脱不可) | |
バッテリー駆動時間 | 最大5時間 | |
OS | 64ビット版Windows Vista Home Premium(SP1) | |
価格 | 27万6000円 | 20万5000円 |
今回到着した評価機はパール・ホワイトのDESIREだ。アルミ削り出しのボディを中心に、液晶ディスプレイ天面部にガラスをはめ込むなど、見るからに手の込んだデザインが目を引く。本体だけでなくACアダプタもパール・ホワイトとブラック・オニキスを用意し、こちらも天面部にヘアライン加工が施されており、同社の並々ならぬこだわりが感じられる。どちらかというとアルミの素材感を前面に出したブラック・オニキスに対し、パール・ホワイトは幾何学模様を底面と液晶ディスプレイ半分にあしらっており、色の違い以上に異なる印象を受ける。
特に見逃せないのは底面のデザイン。通常のノートPCでおなじみとなるOSのライセンスシールをはじめとして、Windowsやインテルロゴのシールは見あたらず、底面中央のアルミ板にデルのロゴマークとともにレーザー刻印でWindows Vistaロゴとインテルロゴが刻まれている。4隅にあるゴム足にも独特な加工がなされており、予備知識がなければ、こちら側が天面部だといわれれば、そのまま信じてしまうほどだ。余談だが、Windows Vistaのライセンスシールはスピーカーのカバー裏側にある。カバー自体は強力な磁石でくっついており、なかなか外しにくいが、リカバリーのイメージがHDD内に格納されているので、通常の用途ではあまり気にしなくてもいいかもしれない。
液晶部とパームレスト手前が磁石で吸着するラッチレス構造を採用し、ボディに余分な凹凸は見られない。キーボードやタッチパッドの周囲はアルミ削り出しボディが際立つように斜めにカットされ、光の加減で輝くのも心憎い。
一方、1366×768ドット表示に対応した13.4型ワイド光沢液晶ディスプレイは、先行して投入されたStudio XPSやInspiron Mini 10で導入済みのEdge-to-Edge液晶ディスプレイで、ガラスをはめ込んだフラットな形状になっている。低反射処理が施されているとはいえ、外光の映り込みはそれなりに目に付く。上下方向の視野角は狭く、白黒が反転しがちだが、左右方向は色味が変化するものの正対して使えば不満はないレベルだ。
液晶ディスプレイ上部に130万画素のWebカメラ、下部右側に環境光センサを内蔵しており、外光に応じて液晶の明るさが自動的に調整される。輝度は16段階の手動設定も可能で、最高輝度時はまぶしく感じられるほど明るく、最低輝度時は明るさをグッと抑えることもできる。液晶ディスプレイは180度まで開閉できないが、130度ほどまで開くのでヒザのうえに置いて使うときも画面が見にくくなることはない。
入力環境は2ボタンのタッチパッドと日本語キーボードというシンプルな構成だ。BTOでも英語キーボードは用意されず、Enterキーの右側にPageUp/PageDown、HomeやEndキーが並ぶ配列が気になるが、中央部分がくぼんでいるためか、思いのほか打ちやすい。キーボードバックライトを標準で備え、白色LEDの光がキートップの刻印を透過するだけでなく、キー周囲が淡く光るようになっている。キーボード上部にはタッチセンサ式のワンタッチボタン(再生/停止、早送り/早戻し、音量アップ/ダウン、消音)があり、キーボードバックライトのオン/オフと連動して、バックライトを光ったり消したりできる。
主要キーの形状は18(横)×16.5(縦)ミリとやや横長で、約19ミリのキーピッチと約2ミリのキーストロークを確保する。スペースバーの長さは日本語キーボードながら80ミリと長いが、そのぶん最下段のキーはやや窮屈だ。カーソルキーもほかのキーから一段下がっていないうえに、タッチパッドがホームポジション直下ではなく、ボディの左右中央部に位置するので、慣れるまでは戸惑うかもしれない。
もっとも、タッチパッドは83(横)×43(縦)ミリと比較的大きく、クリックボタンも大きめで扱いやすい。シナプティクス製のドライバが導入されており、円形スクロールやジェスチャー操作(ズーム)に対応している。
細かいところで気になったのは、HDDのアクセスランプが省かれており、本体の状態表示ランプも液晶ディスプレイを開くと見えない位置にあることだ。液晶ディスプレイを閉じればスリープ状態などは把握できる(ランプが白く点滅)が、ストレージに128GバイトのSSDを採用するためドライブの動作音は発生せず、液晶ディスプレイがオフ時は本体の状態を確認しにくい。なお、バッテリーの残量が減ると電源ランプと状態表示ランプがオレンジ色になる。
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