2009年夏モデルから富士通製PCのラインアップに加わった「FMV-BIBLO LOOX M/D10」(富士通2009年PC夏モデル)は、1024×576ドット表示に対応する10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載したNetbookだ。
ヘビーネットユーザーを中心に海外メーカー製のNetbookが市民権を得た2008年半ばごろから、NECや東芝などの国内メーカーも試験的にNetbook市場への参入を始めていたが、2009年1月に発表された、高解像度液晶とスタイリッシュなデザインが特徴のNetbookキラー「VAIO type P」が大きな話題を集め、さらにタイミングを同じく市場投入されたNEC「LaVie Light BL100」や東芝の「NB100」などの売り上げが好調であることを受け、Netbook市場の国内参入には消極的と思われていた富士通もついに重い腰を上げることになったようだ(同社は海外市場、さらにAtom Zを搭載するUMPC「LOOX U」は投入していたが)。
デザイン面においてはややチープな印象を持たれがちなNetbookだが、LOOX Mはその点をよく考慮しているようで、随所で質感のよさが感じられる。ボディは、プライベートでもビジネスシーンでも違和感なくなじむスクエアシェイプを採用。一方、天板はなだらかに角を落とし、底面は手前を船底型に切り込むことでよりコンパクトな見た目に仕上げている。細かい上品なラメをちりばめた光沢仕上げの天板は、店頭販売モデルのルビーレッド、ミルクホワイトの2色に加え、同社直販サイト「WEB MART」限定モデルではピアノブラックカラー(キーボード面はつや消しブラック)の「シャイニーブラック」を選択できる。
ボディサイズは258(幅)×189(奥行き)×29〜34(厚さ)ミリ、重量は約1.2キロだ。見た目がコンパクトにまとまっているためか手にするとやや重く感じるが、モバイル用途においては十分現実的な重量だ。なお、約200キロfの全面加圧試験や約35キロfの1点加圧試験、非動作時落下試験などの評価試験をクリアし、モバイルノートPCに必要な堅牢性もしっかり確保されている。ディスプレイを開いた状態でボディの端を持っても、ねじれやたわみで不安に感じることはない。
液晶ディスプレイを開くと、光沢加工が施されたディスプレイベゼルとヒンジ部、天板と同じカラーのパームレストが現れる。つや消し加工が施されたキーボードは、主要キーでキーピッチ約17.2ミリ、キーストローク約1.5ミリを確保した84キー仕様だ。キートップのぐらつきが大きいのはやや気になるものの、キータッチの戻りが強めでぷちぷちとした感触だった。なお、コンパクトなボディサイズを維持するためか、カーソルキーをほかのキーより1段下げるレイアウトになっておらず、キーボードの右側に配置する「れ」「け」「む」などのキーはキーピッチが3分の2ほど小さくなる。また、F12キーをFnキーとF11キーを組み合わせるホットキーで実現している点や、半角/全角キーがEscキーの右側に配置されている点などにも若干の注意が必要だ。
タッチパッドは一般的な2ボタンタイプで、シナプティックスのドライバが導入されている。マウスボタンはやや固めで、指滑りがよいパッドがなかなか使いやすい。上下左右のコーナータップ動作やボタンへの機能割り当て、タッチパッドの端をなぞって操作する垂直/水平スクロール、エッジモーション、マルチタッチなど多彩な機能も用意する。これらをカスタマイズして自分好みの動きとなるよう設定すると、さらに使い勝手が向上するはずだ。
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