富士通の「FMV-DESKPOWER LX」シリーズは、ワイド液晶ディスプレイを内蔵する液晶一体型デスクトップPCの人気モデルだ。特に2009年夏モデルとして登場した「FMV-DESKPOWER LX/D90D」(以下、LX/D90D)は、2009春モデルのLX/C90Dと比べ、画面サイズが22型ワイドから23型ワイドに大型化し、解像度も1680×1050ドットから1920×1080ドット(フルHD)に進化した。
このスーパーファインVX液晶ディスプレイは、映像を鮮明に表示する富士通の高画質化技術「Dixel」と高画質化ボード「Dixelエンジンボード2」により、家庭用液晶テレビに匹敵する鮮やかな発色を実現する。例えばBSデジタル放送の自然や風景などの番組を視聴するとその鮮やかさがよく分かる。また、テレビ映像はかなり明るくハイコントラストに仕上げる傾向だが、「あざやかウィンドウ」機能により使用するコンテンツに応じて表示の傾向を切り替えられる。画面の過度なまぶしさを感じず、PC系機能と映像コンテンツをシームレスに切り替えながら見栄えのよい画質で利用できることだろう。
テレビ機能は、地上デジタル/BSデジタル/110度CS対応のピクセラ製チューナーを2基搭載する。ダブルチューナー仕様なので、番組を視聴しながら裏番組を録画できるのはもちろん、2番組の同時録画も可能だ。地上波+地上波、地上波+BSデジタル、BSデジタル+BSデジタルの組み合わせで利用でき、ダブルチューナー搭載の家庭用ハイビジョンレコーダー感覚で利用できる。なお、富士通製PCはチューナーユニットのことを“レコーダー”と呼んでおり、操作メニューにおいても「レコーダー1」と「レコーダー2」のどちらを操作したのかが分かるようなインタフェースになっている。レコーダーという表記になっているところが、通常のPCではなく「PC機能付きの高機能ハイビジョンレコーダー」のような感覚で使ってほしいという富士通なりの考えではと感じさせられる。
光学ドライブはBlu-ray Discドライブを採用し、録画した番組はハイビジョン画質のままでメディアへ記録できる。BD-R DLやBD-RE DLの読み書きに対応し、BD-Rは8倍速、BD-REは2倍速の読み書きが可能。DVDメディアへの書き出しも行える。
LX/D90Dの試用中、ほとんどの時間を付属リモコンで操作しており、ふとキーボードやマウスをあまり使っていないことに気がつく。もちろんインターネットの利用やオフィスデータの作成など、いわゆるPCとしての使い方をするならばキーボードとマウスは使うが、PCの電源そのものの操作もリモコンで行えるほか、“レコーダー”的機能のテレビ視聴や録画予約、録画した番組の再生などの操作をリモコンだけでまったく不便なく操作できるので、ふと「これは、そういえばPCだった」と改めて思い出したほどだ。
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