日本エイサーは10月13日、Windows 7を搭載するacerブランドの新モデルを発表、2009年10月22日より順次発売する。
「日本のPCは高すぎる。これならどうだと自信を持って言える」──日本エイサーのボブ・セン代表取締役社長は開口一番こう述べ、「そこに、“求めやすさ”がなかったからだ」と、不況の影響を含めて2008年度にNetbookカテゴリ以外が低迷した国内のPC市場について振り返る。
今回の注目モデルは1366×768ドットの11.6型液晶+重量1.3キロ+8時間駆動バッテリー+Windows 7を搭載するAspire Timelineシリーズの新モデル「AS1410」だ。CPUにCULVプロセッサのCeleron SU2300(デュアルコア)を採用し、2Gバイトメモリや250GバイトHDD、そして64ビット版のWindows 7 Home Premiumを搭載して5万9800円(税込み)という価格を実現した。
「Windows 7は一言で言うと“すごく合理化された”OSと評価している。これは、スピードとコストパフォーマンスを追求するエイサーの理念にも合致する。Windows 7と同様の“合理化”をテーマに、いかにコストパフォーマンスを最大限まで高めるか──をもっとも重要な要素に据えて開発した」(セン氏)
このほか、Netbook「Aspire one」シリーズにディスプレイの解像度を1280×720ドットに高めた「Aspire one AOD250」、HD動画の再生支援機能を特徴にするAMD M880Gチップセットと15.6型液晶を備える「AS5542-M23」「AS5534-L34F」、NVIDIA IONプラットフォームと64ビット版Windows 7 Home Premiumを採用する小型デスクトップPC「AspireRevo ASR3610-A44」、Core 2 Duo E7600(3.06GHz)+6万円台から展開するスリムタワーデスクトップ「Aspire X5812」、Core i7搭載モデルも用意するハイエンドデスクトップ「Aspire M5802」「Aspire M5810」なども投入する。今回の新モデルは、Aspire one(32ビット版Windows 7 Starter)以外にすべて64ビット版Windows 7 Home Premiumを採用した点も特徴だ。
エイサーは日本市場において、acer、Gateway、eMachines、(Packard Bell以外の)3つのブランドを用い、地域やユーザーセグメント、ユーザーニーズごとにマルチブランド・マルチシリーズ展開を行う戦略をとっている。PCの普及率が頭打ち傾向のある1台目の新規需要より「買い増し需要」を重視し、多岐に渡るユーザーニーズをまかなうための製品群を幅広く用意していく考えだ。
とくにCULVプロセッサを搭載し、安価な価格設定が特徴の「Aspire Timeline」シリーズは、Netbook“以上のパフォーマンス”を望み、スタンダード(A4クラス)ノートPCより“快適な使い勝手”、12.1型クラスのモバイルサブノートPCより“コンシューマー向け”とする「新モバイルサブノート」という、“従来カテゴリではまかなえなかった、ニーズのすき間を埋める”カテゴリを担うモデルとなる。既存のモバイルサブノートPCより、単純に“低価格”ではなく、あえて“よりコンシューマー向け”とうたうのは「価格帯を下げることで、コンシューマー(個人)ユーザーにとって“まさにこういうものがほしかった”と思ってもらうことで、国内PC市場も大いに活性化させたい」(日本エイサー プロダクトマーケティング部の稲川公裕シニアマネージャー)という願いを込めたためだという。
「11.6型の新Aspire Timelineはこのようにほぼカンペキな仕様。“パーフェクトバランスノート”と呼んでほしい」(稲川氏)
「実は今回、タッチパネル搭載液晶一体型デスクトップ“Gateway one”なども発表する予定だったが、(先日、日本列島に上陸した)台風の影響で到着が遅れてしまった。これらは後日改めて発表したいが、このようなことも含めて今回発表したモデルは、“台風の目”というべき製品だ」(セン社長)
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