中国独自規格「CBHD」でHD DVDが復活する……のか?山谷剛史の「アジアン・アイティー」(2/3 ページ)

» 2009年10月23日 16時40分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

CBHDプレーヤーの値下げ条件は「販売店を通さない」こと

 そういうわけで、思いのほか静かな蘇寧電器でCBHDを探す。1モデルだけあったソニー製Blu-ray Discプレーヤーが最も目立つ場所で異彩を放っているほかは、1000元(約1万3500円)程度のDVDプレーヤー(レコーダーではない)が最も多く並んでいる。中国期待のCBHDプレーヤーは1台だけがひっそりと売り場の片隅に展示されていた。それが、新科(Shinco)という中国メーカーのCBHDプレーヤー「CBHD-9100」で、価格は2598元(約3万5000円)と高い。大手オンラインショッピングサイトの淘宝網(TAOBAO)では、いくつかのCBHDプレーヤーが中国大手メーカーのTCLから販売されているが、店頭で新科以外の製品を見ることはなかった。

蘇寧電器で販売されているのは1000元のDVDプレーヤーが主流だ(写真=左)。唯一あったBlu-ray Discプレーヤーはソニー製(写真=右)

 新科といえば、筆者が以前購入したEVDプレーヤーも同じメーカーの製品だった。もしやと思ってCBHDプレーヤーが展示されている下の棚を見ると、なんと、絶滅したはずのEVDプレーヤーがいまだに販売されていた。そういえば、新科広報の陳長峰氏はCBHDが発表されたときに「VCDからDVDまでは中国企業は開発していてもリーダーではなかった。外国の規格だからだ。中国独自のCBHDはこの局面を変える」というコメントを残している。言っていることは間違っていないが、過去に失敗したEVDに言及してないあたり、CBHDの将来に不安を感じる。

なんとなく、「新発売なのに在庫処分品的雰囲気」を醸し出している「新科の中国独自規格採用製品」とはいえ、買うと決めたからには、中国家電のお買い物では当たり前の「値引き」「お土産」を(メーカー派遣の)販売員から引き出さねばならぬ。「土産は何をくれるのか」「その土産がなかったら、どれくらい安くなるのか」などと小一時間交渉した結果、販売員は「蘇寧電器を通さない」(当然蘇寧の国慶節キャンペーンは利用できない)、「領収書を発行しない」、「土産はCBHDコンテンツを多数」、「価格は2250元でどうだ」という実にグレーな妥協案を提示した。かくして数時間後、筆者が滞在する家にメーカーの社員がCBHDの箱を抱えてやってきてセッティングをしてくれた。

店頭で唯一存在が確認できたCBHDプレーヤーは新科の「CBHD-9100」だった。店頭価格は2598元(写真=左)。小一時間の交渉の末に購入が決まった。販売スタッフは下の棚から“お土産”を出してきた。“メーカーダイレクト”の交渉価格は2250元+お土産多数(写真=右)

ワーナー・ブラザーズの映画が見られるCBHD

 購入した「CBHD-9100」は、ピアノブラック塗装が施され、以前購入した同社のEVDプレーヤーより高級な感じだ。本体前面には再生用の各種ボタンとUSBポートがある。最近の中国製AV機器にはUSBポートがついているのが普通で、これを利用してデジカメで撮った画像などを見ることが多い。ただ、そうしたポートの初期化処理のために、起動時間は日本製AV機器だけでなく、中国製のEVDプレーヤーと比べても長い。背面には、コンポーネント端子やHDMI5.1chサラウンド用オーディオ端子などを備える。

「お土産」で獲得したCBHDコンテンツは全部で25枚になった。この手のおまけはEVDプレーヤーにもついていたが、CBHDはHD DVDの系統だけあって、中国人でさえ聞いたことのない国産映画ばかりのEVDコンテンツより豪華だ。25枚のディスクのうち、15枚がワーナー・ブラザーズの映画だった。ちなみに、説明書ではリージョンコードが6(中国本土のみ)に設定されているようだが、日本のDVD-Videoも問題なく再生できてしまった。

購入した本体と多数の“お土産”。下に見える謎のキャラクターは「喜羊羊与灰太狼」という最近人気が出てきた中国の子供向けアニメに登場する(写真=左)。メーカーのスタッフが家まで来て設定してくれた(写真=右)

お土産で付いてきたCBHDコンテンツは25タイトル。そのうち15タイトルはワーナー・ブラザーズの映画だ(写真=左)。ワーナー・ブラザーズのタイトルにもCBHDのロゴがついていた(写真=右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月10日 更新
  1. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  2. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  3. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  4. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  5. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  6. Apple Siliconはなぜ「オンデバイスAI」に強いのか? NVIDIA「RTX Spark」との比較で読み解くシリコン設計の哲学 (2026年06月08日)
  7. 高騰中のSSD、品薄のHDD──けれど“最終処分”のニーズは変わらず (2026年06月06日)
  8. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  9. 新GPU「RX 9070 GRE」搭載カード発売! 既存上位モデル「RX 9070 XT」との価格差に悩む声も (2026年06月08日)
  10. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー