10万円を切る“異次元”のモバイルゲーミングPC――「Alienware M11x」を試す11型クラスでGT 335Mを搭載(1/2 ページ)

» 2010年03月12日 16時30分 公開
[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]

Alienwareブランドから10万円を切るモバイルPCが登場

Alienware M11x

 デルのゲーミングPCブランド「Alienware」に、11.6型ワイド液晶を搭載する小型ノートPC「Alienware M11x」が加わった。2010年のInternational CESで“目撃”されて以来、国内投入を心待ちにしていたユーザーも多いだろう。Alienwareはこれまで、デスクトップPCとして「Alienware AuroraAurora ALX」と「Alienware Area-51Area-51 ALX」を、ノートPCとして「Alienware M17x」と「Alienware M15x」を投入してきたが、いずれもゲームに特化した圧倒的なパフォーマンスと“巨大”かつ“ド派手”なデザインがセールスポイントだった。

 一方、今回登場したM11xは、ほぼモバイルPCといって問題ないサイズに収まっているうえ、バッテリー駆動時間も最長約8.5時間をうたっている。これまで同様、「Alienware=ハイパフォーマンスゲーミングPC」と素直に受け取れば、このM11xは“いつでもどこでもゲームをやりたい”というニーズを完ぺきに満たしてくれる可能性を持つ。また、価格も9万9800円と、Alienware史上最も安い非常に攻撃的な価格設定だ。これはちょうど、コストパフォーマンスの高さで定評のある「MacBook White」とほぼ同じ値段で、いやがうえにも期待は高まる。早速その実力を検証していこう。

“宇宙的”なデザインは健在

天板のデザインはM15xなどと若干異なり、立体的なアクセントを入れている

 M11xのデザインは、兄弟機のM17xM15xをほぼ完全に踏襲している。重厚感のある外装をはじめ、鋭角を基調としたシルエットや、ボディ各部に埋め込まれたLEDなど、Alienwareらしい刺激的なデザインは健在だ。もちろん、各部のLEDは専用ユーティリティの「AlienFX」で色をカスタマイズできる。今回は2つ用意されたカラーバリエーション(コスミック・ブラックとルナ・シャドウ)のうちルナ・シャドウを評価したが、天面、側面、底面をメタル感のあるグレー、パームレストをツヤ消しの黒で塗り分け、液晶ディスプレイ回りと前面を透明感のある黒でアクセントにしたデザインは、10万円を切るノートPCとは思えないしっかりとした仕上がりだ。

パッケージもきちんとAlienware仕様になっている

Alienwareでおなじみの天板に刻まれたエイリアンの顔(写真=左)。派手なイルミネーションはモバイル機「M11x」でも健在だ(写真=中央)。実は、本体を裏返すと底面にある吸気口を通してファンが発光しているように見える。これはキーボード下のLEDだ(写真=右)

 ただし、上位モデルに比べると、LEDの色を設定できる部分はキーボード、電源ボタン、スピーカー、キーボード奥のALIENWAREロゴ、無線LANインジケータの5つと減っており、タッチパッド周辺が発光しなくなったほか、キーボードも単色発光になった(M17xとM15xはキーボード全体を4つのゾーンに区切って別の色を設定できた)。このあたりは低価格化のために省かれた部分だろう。また、欲をいえばカラーバリエーションにネブラ・レッドも追加してほしかった。

Alienware FXで、ボディ各部に埋め込まれたLEDの色を変更できるのは上位モデルと同様だ。ただし、発光場所は減っている(写真=左)。評価機の専用ユーティリティ(Alienware コマンドセンター)は、バージョンが2.5.43.0で、Alienware FXのUIがよりグラフィカルに変更されていた(写真=中央)。液晶ディスプレイ上部の130万画素Webカメラを使ったユーザー認証機能「AlienSense」も従来通り利用できる(写真=右)

入力環境やインタフェースをチェック

 ディスプレイは、1366×768ドット表示に対応する11.6型ワイドのLEDバックライト液晶を採用する。光沢パネルのため映り込みはあるが、写真などを表示したときの見栄えがよく、画面の明るさも十分だ。評価機のキーボードは日本語90キーで、最下段のキーやカーソルキーがやや詰め込まれている印象はあるものの、主要キーを正方ピッチでそろえており、実際の使用感もモバイルPCとしては不満のない仕上がりだ。特にキートップは、指紋がつきにくいコーティングが施されており、常にさらさらとしていて使い心地がよかった。一方、海外メーカーの製品に多く見られるEnterキーの右側にPageUp/PageDownが回り込むレイアウトは慣れるしかないだろう。タッチパッドのサイズは実測で80(横)×43(縦)ミリと、十分な大きさといえる。パッド表面には蜂の巣状の溝が細かくほられており、適度な摩擦感を生み出しているが、個人的には指がひっかかって使いづらいと感じた。なお、パームレストにも細かいしぼがついており、汗や指紋がつきにくいのは好印象だ。

1366×768ドット表示対応の11.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載(写真=左)。キーボードはBTOで日本語と英語を選択できる。キートップに宇宙語(?)が印字されているキーもある。なお、執筆時点では日本語キーボードを選ぶと、出荷が通常納期+約2週間になっていた(写真=中央)。タッチパッドはシナプティクス製ドライバが導入されている。ユーティリティの「Alientouch」を呼び出して、パッドの感度やエッジを使ったスクロールなどを細かく設定可能だ(写真=右)

 各種コネクタは本体左右に振り分けられており、左側面にIEEE1394、メモリカードスロット(SD/SDHC/MS/MS Pro/MMC対応)、DisplayPort、HDMI、有線LAN、USB 2.0、アナログRGB、右側面に2基のUSB 2.0と音声入出力(出力×2、入力×1)が並ぶ。モバイルPCとしては十分な内容で、M11xを持ち運んだ先にテレビやディスプレイがあれば、HDMIで接続してより大きな画面で楽しむといったことも可能だ。

本体前面/背面/左側面/右側面

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