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» 2010年03月12日 16時30分 公開

11型クラスでGT 335Mを搭載:10万円を切る“異次元”のモバイルゲーミングPC――「Alienware M11x」を試す (2/2)

[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]
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基本スペックをチェック

 Alienwareの名を冠する以上、気になるのはやはりパフォーマンスだろう。国内向けに投入されるM11xの基本構成は、CPUに超低電圧版Core 2 Duo SU7300(1.3GHz)、グラフィックスコアにGeForce GT 335M/1Gバイト(およびチップセット内蔵のIntel GMA 4500MHD)を採用し、メモリは4Gバイト(最大8Gバイト)、HDDは250Gバイト(最大500Gバイトもしくは256GバイトSSD)を搭載、ネットワーク機能として802.11a/b/g/n準拠の無線LAN機能とBluetooth V.2.1+EDRを標準で備える。OSはWindows 7 Home Premium/Professional/Ultimateの64ビット版を選択できる。

 Core i7の基本システムやGeForce GTX 280Mを搭載できる上位モデルに比べるとさすがに見劣りはするが、11.6型ワイドで85.7(幅)×233.3(奥行き)×32.7(高さ)ミリのボディの制約を考えると仕方のないところかもしれない。ただ、バッテリーの駆動時間を優先させたためか、Core 2 Duo SU7300はゲーム用途としてはやや心もとない印象を受ける。もっとも、低価格なNetbookとは異なり、Webブラウズやメールはもちろん、オフィスソフトの利用や動画再生程度の負荷であれば問題はないだろう。

CPU-Z 1.53.1とGPU-Z 0.3.9の画面。CPUにはTDP 10ワットのCore 2 Duo SU7300(1.3GHz)が採用されている。グラフィックス機能は、パフォーマンスとバッテリーのどちらを優先させるかで、ディスクリートのGeForce GT 335MとIntel GM45 Express内蔵のGMA 4500MHDを切り替えて利用できる

本体底面に充電状況が分かるバッテリーインジケータがある(写真=左)。バッテリー容量は14.8ボルト/63ワットアワーで、チップセット内蔵グラフィックス使用時が最長8時間39分、GeForce GT 335M使用時で最長5時間35分(ともに公称値)のバッテリー駆動が行える(写真=中央)。M17xやM15xは鈍器のような巨大なACアダプタが付属していたが、M11xではこぶりになった。ACアダプタのサイズは実測値で45(幅)×103(奥行き)×26(高さ)ミリ、重量は約384グラム。実は3ピンの電源ケーブルだけで135グラムあるので、携帯性を考えるともう少し軽くしてほしいところ(写真=右)

ベンチマークテストでパフォーマンスを検証

Windows エクスペリエンスインデックスの結果

 それでは、定番のベンチマークテストでM11xのパフォーマンスを見ていこう。まずWindows エクスペリエンスインデックスだが、やはりCPU性能が足を引っ張って4.1という結果となったが、グラフィックスはともに6.4とまずまずのスコアをマークした。実際の試用でもWindows 7がきびきびと動作しており、普段使いのノートPCとしては不満のない性能を持つといえる。

 PCMark05は、比較対象として以前レビューしたM15xM17xも並べている。グラフを見ると分かるように、CPUとグラフィックスの両面でM15xにも遠く及ばない結果となった。もっとも、M17xとグラフィックススコアで1万近く引き離されているが、M17xの評価機はGeForce GTX280のSLI構成(ちなみに現在のBTOオプションはATI Mobility Radeon HD 4870×2)だったのでこれは仕方のないところだろう。PCMark Vantageのスコアも、性能だけを見ると“Alienware”らしい突出した部分は見られない。

PCMark05(画面=左)とPCMark Vantage(画面=右)

 3DMark06も同様の傾向で、“宇宙最強の”ゲーミングノートと胸を張る兄弟機に比べ、ゲーミングモデルを標ぼうするのはやや苦しい印象を受ける。Alienwareのブランド名に期待しすぎず、3Dゲームはエフェクトを外してプレイする、あるいは出先で軽めのゲームタイトルを遊ぶ、といった程度に考えておいたほうがいいかもしれない。ファイナルファンタジーの公式ベンチマークテストでも、Lowで5678、Highで4065という結果だった。

3DMark06(画面=左)とFFベンチ(画面=右)

 なお、ベンチマークプログラムを走らせている最中は、内部の熱が背面へ向かって強く吹き出され、環境騒音が少ない夜中などはファンの回転音がはっきりと聞こえた。もっとも、それ以外は比較的静かで、ゲームプレイ中などはヘッドフォンをすれば問題ないだろう。もう1つ付け加えるなら、パームレストに手を置いているときにHDDの振動を感じたのも少しだけ気になった。

 最後に、バッテリー駆動時間計測ソフトのBBench 1.01(海人氏作)を用いて、実際のバッテリー駆動時間を計測した。BBenchの設定は、10秒ごとにキーボード入力を行い、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11g)によるインターネット巡回するという内容だ。Windows 7の電源プランをハイパフォーマンス、液晶ディスプレイの輝度を最大、グラフィックスにGeForce GT 335Mを使用するというやや厳しめの条件で、バッテリー駆動時間は3時間50分とまずまずの結果だった。公称値には届かなかったものの、チップセット内蔵グラフィックスに切り替えたり、電源管理ユーティリティの「Alien Fusion」で細かく電源管理を行えば、モバイルPCとして十分以上のバッテリー駆動時間を確保できるだろう。

電源管理ユーティリティの「Alien Fusion」で細かく電源管理を行える


 ここまで見てきたように、Alienware M11xはいわゆる“ゲーミングPC”としては「期待のしすぎは禁物」といわざるをえない。すでにAlienwareブランドのデスクトップPCを持っていて、何かのお出かけ用にM11xもそろえておく、というユーザーは問題ないが、Alienwareの名前にひかれて初めてのゲーム専用PCとして購入すると落胆してしまうかもしれない。

 ただし、「メインマシンとしても十分に使えるモバイルPC」という見方をするのであれば、その突出したデザインや、10万円を切る価格も含めて、M11xはかなり魅力的な選択肢といえる。特に、かつてNetbookを購入したものの性能面で不満を持っている、ノートPCでときどきゲームもやってみたい、外で使うモバイルPCだからこそ周囲の人の視線を釘付けにするデザインがいい、と考える人にとって、Alienware M11xはまさにうってつけの製品だ。

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