「DN-HDSTD06」は、前ページで紹介したDN-HDSTD07よりも500円ほど安い2999円という価格設定ながら、ほぼ同等の機能と性能を実現しているお買い得なモデルだ。ただし、利用可能なHDDは2.5型/3.5型のSATA HDDでIDEには対応しない。USB 2.0ハブが2ポートあるのは同様だが、搭載されているメモリカードスロットは、SD/SDHC/メモリースティック/CFと内容が若干異なる。また、microSD/microSDHC/メモリースティックマイクロの利用にはアダプタが必要だ。
デザインが重視されているDN-HDSTD07に比べて、本体サイズは一回り大きく、また、ホルダー部がHDDの半分までカバーしているために未装着時の高さもかなりある。一方、ホルダーを前傾させることでHDDが取り外せる機構になっており、取り回しのしやすさと安定性が両立しているのは好印象だ。なお、HDDスロットの後ろ側にはペン立てになるスペースが用意されているが、HDDを装着するとかなり使いづらかった。そもそも、本体が転倒したら一大事になりかねないこの手の製品でペン立てを兼用するというのは(ペンを引っかけて倒してしまう可能性を考えると)現実的ではないと感じた。
転送速度を求めるなら、USB 3.0に対応した「DN-HDSTD371」に注目したい。価格は4999円とHDDスタンドとしてはやや高価な部類に入るが、単品ではまだ割高なUSB 3.0用ケーブルも同梱されている。対応HDDは2.5型/3.5型のSATAドライブだ。2.5型SATA HDD用の機構は特に用意されておらず、SATAコネクタ部分で固定されるのみになる。なお、PCとの接続インタフェースはUSB 3.0でeSATAには対応しない。
SATA HDDを使用する以上、オーバヘッドのかからないeSATAが最も転送効率がよい。だが、USB 3.0は規格上5Gbpsに達し、今までSATAに水をあけられていた転送速度もSATA 3Gbps以上SATA 6Gbps未満と、eSATAの対抗馬として十分なスペックとなった。しかし、現時点ではUSB 3.0もSATA 6Gbpsもオンボードでの対応はようやくこれからといったところ。インタフェースの拡張を考えるのであればSATA 6Gbpsよりも汎用性の高いUSB 3.0は選択肢として有力だ。特にノートPCではSATA 6Gbps対応インタフェースカードが未発売(原稿執筆時点)であり、USB 3.0が最高速の外部インタフェースということになる。実際にHDTuneによるベンチマーク結果を見ると、プラッタ内周部分での内部転送速度がUSB 3.0の転送速度を下回り、速度が次第に落ちていくことが分かる。プロトコル変換のためのオーバヘッドはあるものの、HDDの性能に対して十分な転送速度と言ってよいだろう。
なお、DN-HDSTD371はDN-HDSTD07用のIDE変換アダプタが利用できる。ただ、DN-HDSTD371のHDDスロットはDN-HDSTD07よりも高さがあるため、アダプタ固定時には平頭ネジでなければ干渉してしまうので注意が必要だ。
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