初級者のためのRAW現像入門(後編)――Lightroom 3を試す(3/3 ページ)

» 2010年08月24日 08時30分 公開
[永山昌克,ITmedia]
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レンズ収差補正とフィルム粒子効果を試す

 さて、バーション3の目玉ともいえるレンズの収差補正機能を試してみよう。使い方は簡単だ。画像を開き、現像モジュールの「レンズ補正」パネルから「プロファイル補正を使用」にチェックを入れるだけ。すると、Exif情報からカメラのメーカー名とレンズ名が読み取られ、内蔵したプロファイルデータによってレンズのゆがみと色収差、周辺減光が自動的に補正される。

 現時点の最新バージョン「3.2 RC版」の場合、レンズ補正のプロファイルが用意されているのは、キヤノンやニコン、シグマなどの著名メーカーの製品を中心に約150種類。まだまだ少ないが、今後のバージョンアップによって徐々に追加されるだろう。

 プロファイルがないレンズの場合や、プロファイルがあっても補正が不十分と感じる場合は、手動で補正をすることができる。手動補正の場合は、ゆがみと色収差、周辺減光のほかに、垂直または水平方向の遠近感を補正することが可能だ。

photophoto レンズ補正の適用前(写真=左)、レンズ補正の適用後。プロファイルによる自動補正を適用した結果、タル型の歪曲と周辺減光が抑えられた(写真=右)
photophoto レンズ補正の適用前(写真=左)、レンズ補正の適用後。建物のパースペクティブを補正して、垂直線を平行にそろえた(写真=右)

 フィルム粒子のシミュレーション機能にも注目したい。やや大げさな呼称だが、簡単に言えば、画像に粒状のざらつきを加える機能だ。適用量/サイズ/粗さという3つのパラメータを調整し、あたかもフィルムの粒子のような効果を生み出せる。ちなみに、DxO社のRAW現像ソフト「DxO Optics Pro」では、コダクロームなどの実際のフィルムの商品名を選ぶことで、それに近い粒状感を作り出せるが、Lightroomではそこまではできない。

 粒子シミュレーション機能とは逆に、ざらつきを抑えるのがノイズ軽減機能である。輝度ノイズとカラーノイズをそれぞれ個別に低減できる点は従来バージョンと同じだが、計算処理の改善によって、シャープネスを保ったままより自然な補正を得られるようになった。

photo 「粒子シミュレーション」の適用前と適用後
photo 「ノイズ軽減」の適用前と適用後
photophoto 「切り抜き後の周辺光量補正」機能の適用前(写真=左)、「切り抜き後の周辺光量補正」機能の適用後。従来より細かい設定が可能になった(写真=右)

テザー撮影や動画ファイルの管理に対応

 現像機能以外では、「テザー撮影」機能を新搭載した。これは、カメラとPCをケーブル接続し、Lightroom上の操作で撮影を行い、画像を取り込む機能のこと。対応カメラはキヤノンとニコンの主要モデルに限られるが、商品撮影などでは重宝するだろう。

 また、動画ファイルへの対応はバージョン3のトピックのひとつ。ただし、動画の再生や編集ができるわけではない。動画はサムネイルとして管理・分類でき、再生時間やメタデータを確認できる。再生ボタンを押した場合は、外部アプリケーションが起動する。最近は動画対応のデジタル一眼が増えているので、Lightroomを使って記録メディアからデータを転送する際、静止画と動画をまとめて取り込めるという意味では便利かもしれない。

photo テザー撮影の画面。右下の丸いボタンをクリック、またはカメラ側のシャッターボタンを押して撮影を行う
photo MOV形式の動画ファイルを表示した状態。左下のカメラのアイコンをクリックすると、QuickTime Playerなどの他のソフトが起動する

 そのほかには、写真共有サイトへのアップロード機能や、画像に著作権表示やロゴマークを加える「透かしの埋め込み」機能を強化した。操作面では、画像入力のインタフェースの改良、印刷レイアウトの自由度の向上などを実現している。

 Lightroom 3は、いったん慣れてしまうと手放せなくなるソフトだ。メーカーとしてはプロカメラマンやハイアマチュア層をターゲットにしているようだが、「写真の仕上げ」にこだわりを持つ人であれば、これからRAW現像を始めたいビギナーを含め、スキルを問わずにおすすめできる。

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